竹取物語 ー月読編ー

@kaya_taka

プロローグ 

 深夜、竹取の翁の屋敷―――敷地の中ほどに、垣根で厳重に覆われた離れが一つある。その垣根の内には離れを取り囲むように炉や窯が何基も置かれ、燃え盛る音や匂いはすさまじいが、もう慣れてしまっているのか、翁や媼、住み込みの使用人たちはすやすやと眠っている。


 その離れの部屋には、深夜と思えぬほどの明かりが満ち満ちていた。部屋の片隅には、何やら作業を行っている女性の姿。飛び散る火花、爆ぜるような音。その女性は面体めんていを装着し、顎先からは汗が滴っている。

 作業の手を止めた女性が、面体を外し大きく息を吐く。この人物こそ、かぐや姫。その美しさ、この世に並ぶものがない。

上品に汗を拭うと、戸まで静々と歩み寄り、開け放つ。

夜空に、三日月が輝く。そのか細い月光に照らされた彼女の表情は美しいが、苦痛に歪んでいるように見えた・・・

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