第14話 鉄槌の一撃
「ミツキ……!」
ヒナタは強くなったミツキの姿に、眼に涙を浮かべる。護るべき存在が、護ってくれた。そんな日が来るとは思いもしなかった。
「ヒナ! もう大丈夫……帰ろう」
「ええ……ええ……!」
駆け寄り、抱き締めたい気持ちを抑え、彼女に向かって歩きだす。しかし、それを許さない存在がまだいる。
「おいおい、どこに行こうとするんだい? ダメじゃないか、勝手に動いちゃ」
「カマンセーヌ……もうあなたひとりよ、あなたは負けたの」
「負けた? ははっ、確かにダルシアンはやられたけどね、ボクは負けていないよ! ほぉら、これでボクの──」
貴族は両手を前に差し出し、巨大な魔法陣を展開し始める──が、黒い影が素早くカマンセーヌの目の前まで移動してきた。
「させん!」
ラセツが"黒麒麟"を抜刀し斬り上げると、魔法陣は粉々になり粒子が散っていく。
「なっ!? なんだ!?」
突如の出来事に思考が回らず、窓際までよろめく。再び魔法陣を展開しようとするが──。
「今だ!!」
ラセツの合図とともに窓が割れ、外からサクヤが突入してくる。
「えぇぇぇい!!」
フライパンを両手で振りかぶり、音に振り向いたカマンセーヌの頭を目掛けて大きく叩いた。
「がっ──!」
フラフラしながら、ドサッと音を立て仰向けに倒れていく。気絶したようだ。
「や、やった……! やったよ!」
サクヤはぴょんぴょんと飛び跳ねたあと、フライパンを抱きしめクルクル回転した。
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