ちょっとズレてるわたしの背骨

紫陽_凛

恋愛ソングが自分事だったことがない

 彼氏に振られた妹のまえで「ハナミズキ」を熱唱して、妹を泣かせたことがある。


 恋愛ソングも失恋ソングも自分事だったことがない私にとって、妹が泣いてしまったことはかなり遅れて認識された。「なぜ泣いたんだろう?」から「あっやべ、今歌ってるのハナミズキだった」までたっぷり十秒はかかった。妹が母親の肩に泣き崩れるのを見て、しかしここで歌うのをやめたら死ぬほど気まずいし、というわけで歌いながら心の中でごめんごめんと繰り返す姉が爆誕した。

 恋愛の曲を自分に重ねる層が一定数いるらしい。私にはその感覚が全く分からない。恋愛の最小公倍数がその中にちりばめられているとしたら、そして私がそれを全く拾うことができないのだとしたら、私はじゃっかんずれてる人間なのだろう。

 別件で、夫に共感性が低いよなと指摘された。今この事件を思い返しても、そうなのかも、と思わなくもない。

 

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