駅と猫と僕

くすのきさくら

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「あっ、猫だ」

「ほんとだ。かわ――あっ逃げちゃった」

「あんた。怖がられたんじゃない?」

「えー、単に撫でてあげようと思ったのにー」


 僕の利用する駅には野良猫が1匹住み着いている。

 それもここ最近ではなく。

 数年もう住み着いている。

 この駅を利用する人ならほとんどの人が認知している猫だろう。

 朝から晩まで、駅のどこかで丸まって寝ている。大変平和な猫だ。

 しかし触られるのは嫌なのか。人が近寄るとすぐに離れていってしまう。しかし駅からは離れないが。

 多分駅から離れないのは、エサがもらえるからだろう。

 気のせいでなければ日に日に丸くなった。


 少しするとカンカンカンと踏切の鳴る音がして、列車が駅へやってくる。

そしてすぐに発車していくと駅は静かになる。


 ――えっ?僕だけ残っている?

 いや俺は反対方向の列車でね。

 次が終点なのでほとんど普段から乗る人がいないんだよ。

 そしていつも反対方向の列車が行ってからしか列車が来ないので、よく1人で駅のホームで立っている。


 ――タタタッ。


 すると、小走りの音がなんとなく聞こえてくるのだ。

 また奴が来る。

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