転生してハーレム作ったら無能な救世主の俺をキャリーしてくれるつよつよ女の子軍団が出来あがっちゃいました〜ここは栃木じゃないらしい〜
溶くアメンドウ
第1話
生まれて初めて正座してる。
嘘。
死んでから初めて、だよな?
俺を見下ろしてるクソデカい閻魔様とかいう
爆美女にボコられて今に至る。
「お前みたいなのは初めてだ。
クズのオリエント急行殺人事件だな」
「その映画知らないっす」
「正直お前みたいなのは地獄に落としても
あんまり浄化されない予感しかないし」
「んで何たら球根殺害事件簿っていうのは……」
「……どうしたものか」
「……あのー、聞いてます?」
前世で千人の女の子とイチャついてた俺が
あっさり無視されている。
何としてもこの爆美女を攻略したい!!
……とは思ったが全然勝てないからなあ。
喧嘩で。
書類の束をパラパラやってた閻魔様は
あぁ〜とか言いながらやっと俺を見た。
「選ばせてやろう」
「天国でっ!!」
「地獄道でご自慢の◯ンポコに
金棒をぶち込まれるか」
「絶対嫌っす!!」
地獄ってそんなエグい事されんのかよ!?
人の心はないのかッ!!?
「よろしい。
ではお前は———
『異世界転生の罰』に処す」
「いせ…さき?」
カンッ! となんか閻魔様がハンマーで
机を叩いたら、俺は起きた。
「———教会?」
十字架に触手の生えたおっさんが
くっつけられてる像とかあるし、
クソ長い蝋燭が
ゲーセンのぬいぐるみかってくらい
床に放置されてる。
「ここが爆美女の言ってた伊勢崎かぁ」
多分栃木? って事だよな?
田舎の割に空気はあんまし旨くない。
……こちらです……
どっかから可愛いピュアな声が聞こえる。
誘ってる感じっぽいけど……何か怖いな。
「俺が潔癖しょーなら2秒で死んでたね」
申し訳程度に掛けられてた布きれも
小6まで使い倒した雑巾と質感一緒だし
天井はボロボロのブランドバックかってくらい
ボロボロだ。
「栃木やべーな……埃っぽいし」
母ちゃん来たらうるさいだろ〜な。
……ドア重いっっし!!
「……あー。
今回も駄目そうですね……こほんっ。
———ようこそ、新しい救世主」
「儚げなカワイコちゃん発見ッッッッ!!」
ダークファンタジーな漫画だったら
後々ヒドイ目に合いそうな清楚系のブロンド!
剣持ってるし殴れるタイプの巫女さん?
そっと肩に指先を置いて抱き寄せる。
そっとよ?
紳士的なのが大事なのよ?
「凄いカッコイイね〜コスプレ!
なんてアニメの奴〜??」
「……はい?」
「俺そーゆの詳しくないんだけど〜
君みたいな可愛い子がでてくる奴なら
見てみたいな〜って?
良かったら教えてよ!! ね」
「……はぁ。やれやれですね」
巫女さんは笑った。
そして渾身の右ストレートが俺の左顎に
めっちゃクリティカル!!!
「だあああああ!?」
「……ふぅ。
逆にいっそ、清々しい気持ちです」
「アゴある…? あ、アゴある……」
「またですか……全く。
取り敢えず、手順通りに行きますよ」
「い、意外とパワフルだね?!」
なんで俺がお姫様だっこされてるのん??
俺より10cm以上は小さかったよね???
「私はローレリアです。
君みたいなのの案内役・補助役……
ま、短い付き合いでしょうし
お気になさらずに……は?」
コイツ、寝てるんですけど。
「唯一整ってる顔だけを武器に
万事を他人任せにして生きてきた
自分の不都合だけに声を大きくする
クズの臭いがしますね……。
先程の感じからして女癖も相当悪いか」
いつもの階段を登りながら考える。
何故悪趣味な神が、
急にこんな只のクズを送り込んで来たのか?
「本当はこの世界こそが地獄だっ!
……と告げられた方が余程得心行きますし」
また、旅が始まる。
今度は正真正銘、最悪の旅になるだろう。
クズを放り投げる。
目覚めたと思ったら、
途端にクズは泣きながら私の胸に
飛び込んで来た。
「何ここ!?
東京タワー!?
高すぎ侍なんですけど!!
マジで無理ッッッ!!!!!
俺高所恐怖症なんだってば!!!」
「知りませんよそんなの」
てか栃木ってこんなお城とか
いっぱいある所だったっけ?!
一瞬視界に入った景色は
ヨーロッパの街中みたいだったけど!!
「やめて!! 今剥がさないで!!!」
「おま……何でこんなしょうもない時だけ
力が強いんですか……!!!」
「怖いんだもおおん!!!」
やっと諦めてくれた!!!
マジで昔漏らしてるからね、俺!!!
「やっぱり突き落とそうかな……」
「突き落とす!?」
「冗談ですよ。
では目隠しをするので立って下さい」
「……いや結構薄いよコレ?!」
なんとか巫女さんに体重掛けながら立つ。
そんな俺の情けない姿を見て
初めて巫女さんは声を出して笑った。
「震えすぎでしょ!」
「だって高いじゃん!!」
「こんな情けない救世主なんて
とんだお笑い草ですね。略して草です」
「早く帰ろ?? もう良くない???」
「ダメですよ。
まだ目的を果たしていませんから」
こんな高いところで何すんのよ〜?!
インスタ用の撮影とか?!
巫女さんに引っ張られて台座みたいな
なんかちょっとせりあがった所に上げられた。
手で何かを握らされたんだけど、何だろ。
固くて冷たくてボロボロの細長い……剣?
「これどーしたら良い?!
カッコイイポーズでもしてれば良い?!」
「いや普通に抜いてください。
ま、抜けないので気軽に……」
———ボギンッ。
何だか軽くなった剣を
空にピンッと伸ばして動かないでいる。
全然シャッター音聞こえないんだけどまだ!?
「折れた……」
「え、折れちゃった!?」
「救世主を選ぶ剣が……折れた」
目隠しを取ってガン見すると、
根本を少し残してボッキリと折れちゃってる。
「あー……弁償とか、した方が良い、よね??」
「ふふっ……良いんじゃないですか、別に」
「いいの!?
施設の人に怒られたりとか……」
「私達以外に此処に人なんていませんから」
「えっ……」
不法侵入者みたいな……??
「では改めて。
行きましょう———世界を救いに」
「あ、うん。はい」
何にも分かんないけど。
そんな俺には一つだけ分かった事がある。
(———ここは栃木じゃない!!!)
「ん? どうしました?
階段の前で止まって」
「巫女さん」
「ローレリアです」
「リアちゃん」
「馴れ馴れしいな」
「怖いからおんぶして……」
「…………」
俺達の旅の始まりは、結構グダグダだった。
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