第15話 終わりにかえて

 私には、辛い過去があった、それは、社会が障碍者に、目を向けていない頃の話である。今では、色々な学説が生まれ、色々な薬が出来て、新たな時代の流れとなって、大きな潮流を、生み出している。


 私の話は、ただ、自分の気持ちを、言葉にする為の作業でしかなかった。


 当然、社会が、家庭がなんて、そんなことを、考えている訳ではなかった。考えていたのは、「とある事業所M」の事だった。


 そんな私には、時間があり、お金のかからない事なら、何でもできた。


 遠くに行くことは出来なかったが、原付で行ける所はどこでも行った。私はお金がないから、影響を与えられる範囲が狭い、それでもその範囲で、彼らを指導する為に、コツコツと、やってきた。


 多様な人生とは、勝手な言い草だ、私は、本当は、健常者の仲間になりたかった。でも、自分の限界を知った時、それが難しいと感じた時、小説「とある事業所M」が、出てきた。


 この作品の評価は、直ぐには出ないだろう、多分、没後、何年もかかるかもしれない。ただ、目まぐるしい、今の世の中にあって、自分がそこで、立てる者として、懸命に生きた事だけは、分かって欲しい……。


 例え、AIの助けがあったとしても、それは、「気付きの力」を発揮させた産物である。この気づきの力は、学ばないと身に付かない。


 でも、AIの性能が上がっていくと、切り口が大切になると思う、その切り口を、AIは、出せるのだろうか?


 それが、可能になった時、書くという行為は、一体、どんな意味を持つのだろうか? ただ、私には、関所を、又、越えたという安堵にも似た充実感がある。


 小説・「とある事業所M」のお話は、これで終わりますが、いつかまた、お会いしましょう……。


 

                     あらいぐまさんより 

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とある(福祉)事業所M  新刊 4 あらいぐまさん @yokocyan-26

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