第37話 天満宮🌸
私は三人と別れてバイトに向かっている。本当にバイトに行きたくない。今からでもバイト先に休みの連絡を入れてアザミと一緒にいたい。
アザミがさっき、ケイコとフウカだけを誘っていてすごく嫌な気持ちになった。最初から私を誘うつもりがないって分かって、もっと嫌な気持ちになった。もちろん、アザミは私がバイトなのを知っていて誘ってないのは分かるけど、それでも嫌だった。
それにしてもフウカはアザミを自分の家に上げたんだ。アザミもまんざらでもない顔をしていた。しかも聞いてもいないのに私はフウカの家は出禁だし。だったら何でアザミはいいの?アザミはアザミで簡単に人の家に上がれるんだ。いやいや、友達の家に遊びに行くのは普通だよ。何もおかしいことはない。でも、もしかしたらアザミとフウカはそういう関係なのかもしれない。そう思っていたらケイコはアザミの家に行ったことがあると言っていた。しかも風邪のお見舞いに。ケイコはずるい。アザミは自分の家に他人を呼べるんだ。私のことは一度も呼んだことがないのに。もしかしてアザミとケイコはそういう関係なの?いや、アザミは私のことが好きなはず。今のはよくない、それは私が勝手に思っているだけ。アザミに対して失礼だ。
こんなことなら大学近くのスタパでバイトをすればよかった。三人は本当にスタパに行っているの?もしかしたらやっぱり誰かの家に行っているかもしれない。そう考えてしまった私は考えるより先にアザミにメッセージを送っていた。するとアザミから新作のフラペチーノと一緒に自撮りをしているアザミの写真が送られてきた。可愛い。そういえば私、アザミと一緒に映った写真が一枚もない。夜景を見に行った神社でゆるキャラと一緒に撮った写真は顔が全く映っていなくて消してしまった。何で消してしまったんだろう。
私、夜景の時からアザミに振り回されてる。これだとまるで私がアザミのことを好きみたい。いやいや、私とアザミは友達。それに同性だし。でも同性だから恋愛できないの?今は普通に同性同士でも恋愛するんじゃないの?それを物語の中だけって否定したのは私だ。もし、アザミがフウカと、もしくはケイコと付き合っていたら、それは嫌だ。大体アザミと二人でいる時間が一番長いのは私だよ。それはわからないか。いや、私のはずだ。
突然フウカからメッセージが届いた。確認するとフウカとケイコでアザミを挟んだ自撮りの写真だった。二人ともアザミと距離が近いし、フウカに至っては自分の顔をアザミの顔にくっつけていた。アザミも笑っている。私が写真を見ていると続けてメッセージが届いた。確認すると、サクラはバイトを頑張ってねー、と書かれていた。私はすぐにアザミに電話をしていた。何でだろう、アザミは誰にも渡したくない。アザミは誰のものでもないのに。
アザミは私のわがままなのに今日は二人でスタパに来てくれている。アザミには一緒に写真まで撮ってもらった。やっとアザミと二人で映った写真が撮れた。後で待ち受けにしておこう。私が浮かれているとアザミの方から次の土曜日に就職祈願に誘われた。理由はどうであれ、アザミの方から誘われたのは初めてだったから嬉しくなった。しかもアザミから二人での予定を決めてくれるなんて、私がアザミに求められている気がして本当に嬉しい。やっぱりアザミと二人でいる時間は楽しいな。
私は立ち寄ったカフェのお手洗いにいた。今日のアザミが可愛すぎて、思わず逃げてきてしまった。恥ずかしい。私は今、すごく浮かれている。アザミに引かれていないかな。いや、アザミはそんな子じゃない。でも、アザミは優しすぎる。今日だって私のわがままに何でも応えてくれる。アザミにはずっと大事にされている気がする。出会った時からずっと。
ふと私はアザミのことが好きなんじゃないかって思った。でもそれは友達として、じゃないの?違う気がする。私はアザミの恋人になりたいって思っている。いや、それは私の勘違いで、一時の感情なだけじゃないの?私には恋愛経験が少なすぎてわからない。私は誰かに恋をしたことがない。カイトのときが初めてできた彼氏で、それもカイトの方から告白されたから、私はカイトに恋をしたわけじゃない。そんな私が本当に私がアザミに恋をしているって言えるのかな。
アザミにデートをしてほしいって言われた。今度は代わりの人としてじゃなくてアザミ自身とするデート。私にはアザミがどういうつもりでデートをしたいって言ってきたのかはわからない。ただ水族館に行きたいだけで、前回が一応デートだったから今回もデートって言葉を使っただけかもしれない。それでも、私はアザミにデートをしてほしいって言われて嫌じゃなかった。いや、嬉しかった。私は心の底からアザミとデートがしたいって思った。そして私は気付いた。やっぱり私はアザミのことを恋愛的な意味で好きだ。夜景の時がきっかけになっただけで、多分私は、あのときからアザミのことを好きになったんだ。あの海で、アザミに二人でもっと楽しい思い出を作ろうって言ってもらえたときに、私はアザミのことを好きになったんだ。今思えば、あの日から私はアザミのことしか考えていなかったよ。
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