第4話 すごい一話ができてしまった(ガクガクブルブル)
コンニチハ、仲村アオです。
今、pixivノベルで公開しようと思っていたff6のファンノベルですが……いやいや、自分で書いてて鳥肌が立ちました(笑)
ロック視点で、かなり筋通った流れになったと思うんですが、どうですか?
3000文字くらいですが、貼り付けますね!
砂漠の乾いた風が、フィガロ城の尖塔をかすかに揺らす。
その少し前、ロック・コールは同じ組織のエドガーからの連絡を受けていた。
「帝国が動いている――」
魔導アーマーを率いた兵士たちが、北の炭鉱都市ナルシェで発見された氷漬けの幻獣を狙っているという。
だが、それは前の情報。さらに告げられた要件で、俺たちの状況は大きく変わることとなった。
『魔導アーマーに乗っていた少女を、ジュンが保護したらしい』
通信越しのエドガーの声は、いつになく慎重だった。
「帝国兵……魔導の力を持つ少女、か」
『そうだ、噂では魔導アーマーに乗った兵士を次々に倒したとか。帝国にとっても大事な切り札に違いない』
「大事、ねぇ……」
俺は鼻で笑い、皮肉混じりに口角を上げた。
「そんな兵士を捕虜にするのに、俺を向かわせていいのか? 判断を誤って殺しちまう可能性もあるぜ?」
『その判断はロックに任せよう』
「ん? 何だ、えらい早いな。疑う余地なしってわけか」
『あぁ。君は……正しい道を選べる男だと、私は信じているからね』
迷いのない言葉に一瞬、反応に困ってしまった。一気に紅潮した顔、通信機越しで良かったと改めて感謝した。
(この男……女だけに口説きの才能を発揮してくれよ、天性の人たらし……)
軽口で返す余裕もなく、俺は単身ナルシェへと向かった。
――帝国。
その名を聞くだけで、胸の奥に黒い感情が渦巻く。大事な彼女が永遠の眠りについたあの時、俺は帝国に復讐することを固く誓ったのだ。その想いは今も胸の奥で、冷めることなく燃え続けている。
靴の裏に柔雪を潰す感覚が伝わってきた。真っ白な深雪に包まれたナルシェ。先ほどまで帝国の魔導アーマーと戦火を交わしていた町は、異様な緊張に包まれていた。
通りには大勢の兵士が行き交い、何かを探している様子がありありと分かる。
(……探しものは、魔導の力を持つ少女か)
俺は忙しい様子で捜索する兵士たちを横目に、情報を提供してくれたジュンの家へと向かった。
「ロック……来てくれたか。ところで、ドロボウから足は洗ったのか?」
相変わらずの挨拶に、思わず苦笑を溢した。
「ドロボウ? 俺は世界を駆けるトレジャーハンターだぜ。そこら辺りの小物と一緒にされちゃ、プライドが傷つくってもんだ」
「ハハハッ、なぁに、ワシから見れば大差ないぞ? それより実は、例の娘に会ったんだ」
ジュンの言葉で、二人の間に一気に緊張感が走った。
「魔導の力を持つ少女、ティナ……。あの子は操りの輪に縛られ、意思とは無関係に戦わされていたらしい」
「無理やりか……いかにも帝国らしい、人道無視のやり方だな」
「年は十七、八といったところじゃ。しかも名前以外の記憶を失っておってな……ひどく怯えておった」
「……記憶が?」
つい低く声が漏れた自分に驚く。しかし、一度沸き上がった怒りは簡単には消えず、俺は噛み付くように声を荒げた。
「そんな状態で、外に出したのか!」
気づけば、俺は無意識にジュンの胸倉を掴んでいた。
名前しか覚えていない少女――。
さらに町中の兵士に追われている状況では、不安でないはずがない。
「すまん……あの時は説得に応じない奴らから、逃すので精一杯だったんだ」
老人の言葉を聞くより早く、俺は家を飛び出していた。一刻も早く彼女の元へ急ぎ、ナルシェの兵士よりも先に保護しなければ。
ほどなくして聞いた話――追い詰めた帝国の少女が、崖から落ちて行方不明になったとか。
俺の胸中に嫌な予感がよぎる。
そして、辿り着いた先で俺は、少女を見つけた。
寒さが肌を刺す岩肌が露出した炭鉱の片隅で、まるで壊れた人形のように倒れ伏している姿。
彼女を見た一瞬、息が止まった。
恐る恐る抱き上げて呼吸を確かめると、かすかな動きと温もりを感じて安堵した。
「……よかった、生きてる」
だが、その姿が彼女と重なってしまい、心が激しく揺さぶられた。
(……レイチェル)
俺は少女を抱き上げ、炭鉱へと身を隠した。
道中、大勢のナルシェ兵に襲われたが、モーグリーたちの助けを借りて、どうにか町の外へ逃れた。
外へ繋がっている隠し通路を抜けた、その時だった。
「……ここは?」
先ほどまで意識を失っていた少女の目が開いた。影を落とす長い睫毛。新雪のようにきめ細やかな滑らかな肌。人間離れした美しい瞳に見つめられ、思わず心臓が跳ね上がった。
だが、動揺を悟られないようにと、すぐに平常を装った。
「ん、目を覚ましたか?」
「私……崖から落ちて……いたっ、頭が……」
操りの輪の影響で、記憶を失っている――
先程のジュンの言葉が脳裏をよぎった。
怯えた表情を向けられ、俺は思わず彼女の二の腕を掴んでいた。
「記憶がないのか……大丈夫だ。俺が守る。何があっても、見捨てたりしない。必ず守る!」
「——え?」
彼女の目開いた表情を見てハッと我に返ったが、時すでに遅し。俺は掴んでいた手を離して口元を押さえた。
(……俺は何を言ってるんだ?)
初対面の少女に向ける言葉じゃない。
俺はそれ以上のことを口にせず、炭鉱の出口へと足先を直した。
ナルシェを離れ、二人は砂漠の城フィガロを目指して歩き始めた。途中、何度かモンスターに遭遇したものの、元兵士と言うだけあり、彼女もそれなりに戦えるようだった。
とはいえ、数メートルの高さから落ちたのだ。無理はさせられない――そう判断し、岩陰に小さなテントを張る。俺たちは焚き火を囲み、夜の冷気に身を寄せながら夜を過ごした。
「改めて自己紹介させてもらう。俺はロック・コール。トレジャーハンターとして、世界中の遺跡を巡る冒険者だ」
「私はティナ……。ティナ・ブランフォード。ごめんなさい、名前以外のことは……まだ思い出せないの」
自己紹介をし、できるだけ穏やかに話しかけるが――ティナの反応は、薄かった。
拒絶はない。だが、感情の輪郭が霧に霞むようで、まるで人形に語りかけているかのようだった。
「色々と不安だったよな。でも、もう大丈夫だから安心してくれ」
「えぇ……」
短い会話。その裏で、俺の胸には不安が広がっていた。
(このまま、彼女を連れて行っていいのか……)
エドガーはきっと、ティナの力を戦力として見るだろう。
だが、その方法は帝国と何ら変わらない――俺には、それだけはさせられないと彼女に視線を落とした。
隣を歩くティナは、疑うことなく俺についてきた。まるで、最初に見た親鳥を信じて慕う雛鳥のように。
だからこそ、裏切りたくなかった。
こんなにも素直で無垢な彼女を悲しませたくなかった。
(エドガーの出方次第では……)
万が一に備えて、密かに覚悟を決める。
(俺が……ティナを守る――)
パチパチと焚き火が音を立てて炎を揺らいでいた。その温かな火を見つめながら、不安の色を隠せないティナを、見守るように眺めていた。
やがて、砂漠の先に巨大な城影が浮かび上がる。機械文明の集大成にして、最高峰――フィガロ城だ。
俺は足を止め、少女をじっと見やる。
「……着いたぞ、ティナ」
彼女は小さく頷き、胸元で手を握りしめて覚悟を決めるように、一歩を踏み出した。
ここから先が安全とは限らない。だが――!
ロック・コールの選択が、この旅を確かに動かし始めていた。
夜中にポチポチ書いた小説です(笑)
自分でもビックリ……私は2話もクオリティ保ったまま描けるのでしょうか?
FF6について、面倒臭いくらい語らせてください! 仲村アオ @nakamu-1224
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