櫛を持たないたてがみたちよ

水埜青磁

糊付けされた向かい風

青年のふたりの曇った深爪が花言葉のごと空想される


薬剤に鈍感でいて。食前・食後にふりだしに直る視線


試着室の音がよだれをたらすから指が幽霊になりたがる


さみしいか訊かれる夢にあらわれるおまえが近くてそれがさみしい


部位の名のままに鳴る鋭角の肩 愛のうそつき愛のうそつき


(しらうおの玉座をよんで)(銀色なら、正解)......オードトワレがすこし、欲しい


目撃をしてみてほしいちゅうりっぷ色の崖を試したいから


蟲の甲 凝視をこわがる可愛げで硝子のリップを得たのだ奴は


撫でる手に四足歩行がわかりだす(なみ縫いは丁寧に授けよ)


手袋はあまく変容していった名のない我らに近づくにつれ

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