Perceptive and Modification
里内峰子
第1話
果ての無い宇宙を敷いたかのような水底に、おれたちは同じ星を見ている。
「回路起動シーケンス終了。バイタル安定、フィジカルリンク異常無し。各位装置動作確認……問題なし」
聞き慣れた確認作業を読み上げながら進めるのは、耳に馴染む、低くて丸い少し掠れた柔らかな声。
「マイクチェック。――声、聞こえてるか? ヴァル」
「大丈夫、よく聞こえてるよ。ノール」
耐水耐圧耐熱、対衝撃。簡単に言えばあらゆる物理的障害から身を守る機能付きの特殊スーツの上には、さらに特殊な機能を持った装置たち。
それが一式装備となって、おれ、ヴァルターの身体を包み込む。
「開始時同調率今回最高値だ。なんだよ、今回の仕事が今日で最後ってときになって」
拗ねるような言葉を、それでも嬉しそうに語る声が耳元のスピーカーで弾けた。
声の主は、おれの使う装置を作った専属の装備技師でチームの相棒。そして何より誰より特別な人。ノール、こと、ノールフェン。
その声に、おれも笑って答える。
「じゃあ、今回で一番良い仕事にしてみせるよ。待ってて、ノール」
「それなら期待して待ってるさ。……行ってらっしゃい。ヴァル」
「ハイ。行ってきます」
深海に浮かぶ潜水艇から向かうのは、光の無い海の底。
目指すのはその水底にある、星の輝きだ。
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