カードゲームの世界に転生したけど、ドキドキしないのは何故だ。

山下です。

第1話

 俺はカードゲームの世界に転生した。

 前世ではカードゲームというのは存在は知っていたがあまり通って来なかった。完全なるゲームの畑である。


 死んだ原因は覚えていない。ただ、転生した事だけはわかる。

 そしてカードゲームの世界という事もわかる。やれ、今週発売のパックにはこれが入ってるやら、カードショップに強盗が入りカード警察がファイトで逮捕などある。


 明らかなる異常である。

 そんな世界に早や十年。


 「「レディファイト!!」」


クラスでは勿論ファイトを行う。そして勿論ファイト歴史や、ファイト実技などの授業もある。


 「はい!みなさん集まってください!今日はみんなのデッキにこのカードを入れて戦ってもらいます!ではみなさん一枚ずつ受け取ってください!あと、刑武ぎょうぶ君はこっちに来てください」


「「「「はーい!」」」」


「はい」


刑武君である俺はクラスのみんながワイワイしながらデッキを弄ってるのを他所に先生の所にトボトボ歩いて行った。


 「ぎょ、刑武君はファイトしたい…?」


 舐めんな。したいに決まってるいるだろ。カードゲームの世界に転生したんだぞ。したいに決まってるだろ。楽しみたいに決まってるだろ。


 ただ、わかっている。正直俺はこの世界ではやっていけないのは分かっている。カードゲームの世界なのになかなかカードゲームが出来ないのは分かっている。


 そう。俺が強すぎる。いや、ぶっ壊れ性能である。

もしこの世界のアニメが前世でやっていたら俺は裏ボスどころではない。

そして、確実にアニメに出て来ないし俺が使っているカードはパックに収録されないと思う。

更にアニメでの活躍も描かれず、デッキ内容が世に知られる事もないと思う。


 「いえ…。大丈夫です」


「わ、わかりました。刑武君は後ろの方でいつもみたいに自習しててください」


明らかにホッとした顔をしている。


 俺もファイトしたい!!

 胸が熱くなるファイトをしたい!!

 したいんだよ!!


 おい!!どうせいるんだろう!!主人公!!俺を倒しに来いよ!!

 いるんだろ!!ラスボス!!俺を倒しに来い!!

 まだかよ、世界大会の招待は!!日本代表として戦って全世界をドン引きさせてやるよ!!

 


 



 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る