ノートの筆者
せや、言うのを忘れてたんやけど「祝いむすめ」に祝いを受けていた家でも祝いがない時はあるし、その逆もあったらしいんやわ。要するにな、規則性がようわからんのやと。
ああ、それと。「祝いむすめ」は必ずしもひとりとは限らへんらしくて、当代がって書かれた時期はその時代の「祝いむすめ」がひとりだけやったからやとか。
A家
予見
もうじき、■■の葬儀。めでたく
結果
流行り病により■■さんが亡くなる。
この年は流行り病が酷く、地元では大量の死者が出た。
B家
予見
なし
結果
へその緒が絡まって赤子が亡くなった。以降も妊娠なさったが流産が続いたそう。
※地元では「祝いむすめ」によるのろいと揶揄され、噂が跋扈した。
A家
予見
■■の婆様、めでたきかな。
結果
■■の奥さん(婆様から見て次男の嫁)、事故にて亡くなる。後に次男の子どもが成人より前にそれぞれ別の原因で亡くなった。
※婆様が嫁を事故に見せかけ殺したのではともまことしやかに噂され、A家は地元を出て行くことを余儀なくされた。
B家
予見
頭、真っ赤か。床は紅。【さながらうたをうたうように朗々と。聞き取れたのは頭、真っ赤か。床は紅、までであったとか】
結果
三男、溢血死。五男が階段転落。相次ぐ事故などで亡くなる。
※不幸が続き血筋が絶えた。
A家
予見
耄碌息子は天仰ぎ、歌声届かず。
結果
これは私のことであるため、結果を記載することは難しいだろう。
B家
予見
井戸は赤。紅葉に人形ゆらゆら。
結果
知人である■■さんのこと。心の整理が追いつかず、うまく書ける自信はない。
■■さんの庭、大木に■■さんの奥さんが首吊り、自殺かどうかは調査中とのこと。井戸には■■さんが変死していたのだとか。
噂の信憑性は怪しいが、■■さんの家では他の親族の亡骸があったらしい。
※予見の通りならば、私は自殺でもするのかもしれない。
本来ならこれでノートは終わったはずなんだ、たぶん。けど、誰かがそこに後を次ぐみたいに、同じように延々と書いてあったらしい。
──何で別の人だと断定できるのか?
筆跡が全くもって違っていたんだと。しかもな。そのノート、当時つまりは親父の代のことも記載されてたらしいから。
まあ少なくとも最低でも最初の筆者耄碌息子含め、あとふたりはいることになるんだよな。
A家
予見
■■と■■家の■■がめでたく結婚。直に子生まれる。
結果
予見通り。
B家
予見
来たり、嘆かわしいよそ者。
結果
さて、このA家は俺の親父んとこ。B家はあんたの名前なんだけどさ?
どうなるんだろうな?
未来まで書いてあるとは思わなかったわけだけどなあ。珍しい名字やもんで覚えてたんよ。というかさあ。このノートどうやって書いたんやろ、思うてな?
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