シフラとプア
春秋花壇
『ナイルの指先 ―神の庭の産婆―』
『ナイルの指先 ―神の庭の産婆―』
ナイルの葦が 夜の風に震え 黄金のピラミッドが 月を背負うとき 一人の女の指先は 泥の中に沈み 一人の女の歌声は 闇を優しく撫でる
「殺せ」と叫ぶのは 地上の神 「生かせ」と囁くのは 永遠の父 王宮の香油は 死の匂いを隠し 産室の汗は 命の重みを証明する
シフラの指は 磨き抜かれた白銀 プアの口唇は 野に咲く花の香 彼女たちは知っている ファラオの怒りよりも 赤子の産声が この世界の時間を 正しく動かしていることを
「ヘブライの女は 強すぎるのです」 その嘘は 天に届く真実の祈り 「私たちが着く前に 命は溢れ出すのです」 その言葉は 絶望を砕く知恵の盾
歴史の影で 静かに紡がれた 血よりも濃い 慈愛の沈黙 彼女たちがその腕で 受け止めたのは 一人の赤子ではなく 約束された「未来」そのもの
ああ、ナイルの産声よ 今も 誰かの指先に宿る 磨き抜かれた 不服従の光よ
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