第2話 お菓子は呪いを超えて
Gloryの国に住むアルトとショコラは隣同士の家で育った幼なじみだ。
アルトは海賊に、ショコラはお菓子作りを楽しんでいる。
ショコラの作るお菓子は評判が高い
だが、彼女の夢はもっと大きく、世界中のみんなをお菓子で笑顔にしたいという夢があった。
ある日、ショコラが新作のお菓子を商船に売り込もうと考え、アルトはその手伝いをすることとなった。
朝早くから厨房に立ち、ショコラはお菓子を作りながら言った。
「アルト、砂糖はそっちの棚にあるから取って!」
「はいよ!」そういって塩の瓶をアルトは渡すとショコラに怒られる
アルトはショコラの指示されるままに動き、なんとかお菓子作りを手伝った。
完成したのは、ラム酒の香るチョコレート菓子に、クッキーに、パウンドケーキ。さまざまなお菓子を作った、それにアルトとショコラのイラストを模したバックや缶バッチなども、グッズとしてちゃっかり用意していた。
箱詰めなどを終えると2人は港へ向かった。
「アルト!今日は商船の人たちにお菓子を売り込むのよ!」
「おう!でも、大丈夫かな?」
「大丈夫よ!ほら、お菓子を持って行って!」
半ば強引に押し付けられたお菓子の荷物を抱えながら、アルトは港へ向かった。
商船の船長は屈強な男だったが、以外にも甘いものが好きだったらしく、ショコラのお菓子に興味を示した。
交渉は順調に進み、試食してもらうことに。
「海での長旅、甘いものがあれば気分転換になりますよ。それに、このチョコにはラム酒が入っているんです。疲れを癒すのにぴったりだと思いませんか?」
船長は興味深そうに一つ口に運び、目を見開いた。
「うまい」
「じゃあ!・・・」アルトとショコラは交渉成立をしそうになり期待に胸を膨らませた。しかし、
「ふむ、確かにいい香りだ。しかし、うちの船員たちは甘いものを食べるかな?」
そのとき、誰かの叫び声が響いた。
「誰か、海に落ちたぞ!」
アルトが振り向くと、一人の船員が波間に沈みかけていた。
「うわっ、助けなきゃ! ……そうだ!ジルパワーで!」
アルトは瞬時に自身の能力を発動させ、海面に足場を描き出した。
アルトの能力『ジルパワー』は、対象の力を引き出し、攻撃力や防御力を強化するスキルだ。ただし、彼が武器や道具を描いて力を宿すこともできる
「今回はうまく描けたみたい!俺のジルパワーは、対象の能力を引き出し、強化する力…だが、描いたものにその効果を乗せれるけど、たまにズレるんだよなぁ…」
「今回はうまく描けているわよ!」
「ショコラ、今回はってどういうこと?!」
「あはは、はい、アルト、ロープ渡すね」
ジルパワーで作った足場を渡って素早く船員のもとへと駆け寄った。
「つかまれ!」
沈みかけていた船員はアルトの伸ばした手をつかみ、なんとか引き上げられた。その瞬間、大きな波が押し寄せ、船が大きく揺れる。
表れたのは幽霊のサメのモンスター(オルガ)だった
「うわっ!」
アルトは波しぶきを浴びた。
海面が不気味に泡立ち、冷たい霧が立ち込めた。
半透明の巨大なサメの幽霊が、アルトに向かって牙をむいた。青白く光るその姿は、現実のものとは思えない。
「アルト、危ない!」
ショコラが叫び、素早く包丁を構える。
アルトはすぐさま足場を拡張し、サメの動きを封じるように囲いを作った。
「やるしかねぇ!」
サメの幽霊が突進してくる。翻弄しながらショコラと一緒に幽霊サメに立ち向かった。
ショコラが隙を見て飛び込み、鋭い一閃を浴びせた。
「はぁぁぁっ!!!!」
包丁が霧のような体を裂き、サメは悲鳴のような声をあげながら消滅していった。
嵐のような出来事が終わると、船員は無事にロープを掴み、仲間によって船へと引き上げられた。
アルトは大きく息をつき、船に戻った。
「はぁ……危なかった」
ショコラはにこりと笑った。
「ほんとに無茶ばっかりするんだから、でも、かっこよかったよ!」
アルトは普段はクールなショコラに褒められて照れて満面の笑みで喜んだ
「はは!なんだか照れくさいな」
ずぶ濡れになりながらも、アルトはなんとか船員を足場ごと引き上げ、安全な場所へと誘導した。
商船の船長はその様子を見てしばらく考え込んだ後、ニヤリと笑った。
「気に入った! お前たちのお菓子とグッズ、ぜひうちで買わせてくれ!」
「やった!!」とアルトとショコラは顔を見合わせ喜んだ。
こうして、ちょっとした海の事件は、お菓子とともに甘い結末を迎えたのだった。
【ZIRCON】海賊アルト・マリーノの大航海 二本柳亜美 @aminatume0777
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。【ZIRCON】海賊アルト・マリーノの大航海の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます