【ZIRCON】海賊アルト・マリーノの大航海

二本柳亜美

第1話 アルトとサメパニック

 ピカリと輝く太陽の下、青い海を切り裂くように、一隻の帆船が浮かんでいた。


その船の名は、スターライト号。この船に乗るのは、ただひとりの海賊‐アルト・マリーノ。


船の中央で気持ちよく寝そべっている。


「ん~、太陽が真上にある。もうそんな時間かぁ。腹減ったなぁ」


アルトはゆっくり起き上がると、スケッチブックを取り出す。


「ま、その前に一枚絵を描いとくか!俺の宝はみんなの笑顔さ!」


そう言って、glroyの国のみんなの笑顔の絵をサラサラと描き始めた。


描き終えると、袋から取り出した干し肉をがぶり。


「うめぇ~!」


幸せを噛みしめながら、頬をお肉でいっぱいにするアルト。




‐しかし、その平和な時間は長くは続かなかった‐




「・・・ん?海がさわがしくなってきた」


アルトは周りを見渡すと、確かに波がざわつき、船が少しづつ揺れ始めている。


そしてコンパスがカチカチと揺れ始める。


アルトがつぶやいた瞬間、突如として巨大なサメのヒレが海面を裂いた。


「サメだーっ!」


白く鋭い歯をむき出しにしたサメたちが、まるで船を丸ごと食らおうとしているかのように船の周りをぐるぐると周り、徐々に迫ってきていた。


「やばいな、こりゃサメサメパニックだ!」


と言いながらアルトはすぐ動いた。


スケッチブックを開き、素早くノートを広げる。


「アートバフ!」


彼が出したのは自信を強化する絵。光り輝くその絵が力を宿し、アルトの身体を強化した。


「よし、これでいける!」


アルトは素早く船をこぎ、サメの攻撃をかわしながら船を守る。


しかし、サメの力も侮れない。船の舷側に噛みつかれればひとたまりもない。


「どうしよう……?」


そこでアルトは思いついた。


「そうだ!ハンマーだ!」


アルトはすぐにハンマーの絵を描きはじめる。


「出でよ!ピコッとハンマー!」


すると、強大なハンマーが現れた!


強大なハンマーだが、打つとピコピコ鳴るおかしなハンマーである。


これはアルトの絵が拙いせいである。


サメたちの頭に強大なハンマーを必死に打つと、サメたちは驚き慌てて退散していった。




こうしてスターライト号は危機を脱したのだった。


「ふ~、あぶない、なんとか切り抜けたな!


さて、昼飯の続きだ!」


がぶり。


アルトは何事もなかったかのように笑顔でまた干し肉にかぶりついた。




‐今日もアルトの冒険は続く!‐

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