この作品は、派手な事件も劇的な展開もないけれど、植物を起点にした日常の視線がとても心地いいエッセイだと思う。初売りのホームセンターの空気感、売り場に並ぶ植物たちの存在感、サーキュレーターを買う理由までが、淡々とした語り口で描かれていて、読んでいるうちに生活の温度が伝わってくる。植物を育てるために光や風を整える行為が、そのまま書き手の暮らし方を表しているのも印象的。静かだけど確かに「生きている日常」を感じたい人に勧めたい一作。
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