第9話 飯塚敏郎の日記(昭和63年12月2日

今日はいよいよ納車だ。日産の白いマーチ。主に里美が使うことになるだろう。

お腹が大きくなってからバスに乗るのも、歩くのもつらそうだったから、これで少しは楽をさせられる。


もうすぐ生まれてくる我が子のために、ちょっと奮発してしまった。


駐車場がなかなか見つからなくて苦労したが、幸いにも近所のボランティア団体の人が、二丁目の工場の横にある駐車場を紹介してくれた。


「産声の会」とかいう、子育て支援をしている人たちだそうだ。


一番奥の十三区画なら、格安で貸してくれるらしい。


ラッキーだ。子供ができてから、本当に運が回ってきた気がする。

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