第4話 魔法が使える魔法少女、けれどやはり最後は拳
もうそろそろ一スレ消費しそうで怖い。しかも、俺と似てないっていうコメもあって怖いし。……あれこれ装備を持っていったら余計特定の危機ある? 一応ダンジョンで手に入りやすいドロップ武器だけど刃の傷とかで特定されたら怖いな。一応量産品買っとくか? 後、俺も撮られる可能性も考えて別のダンジョンに行くか。一番近いのはCか。一応潜ったことあるけどソロはキツイんだよなあ……。取り敢えず、今週はいいわ。流石に来週になったら熱も冷めるだろ
冷めなかった。むしろ『MARINA Ch』を始めとしたここら辺のDanTuberが潜っても一向に現れなかったというせいで噂に尾ひれがつきまくってた。なんだよ、国が産みだしたダンジョン捜索マシーンって。そっからいろいろな陰謀論にも波及していた。KUさん!
「はぁ~い、いつもあなたの側に、KUさんですよぉ~」
「姿を変えることはできますか?」
「ん~、残念ながらできないですねぇ~。もうそろそろ魔法が解放されるのでそこで偽装魔法を覚えればいけますよ~」
「そのためにはダンジョンに行かなきゃダメですよね」
「はい」
ダメかー。てか、注目されているなかで変身とか無理では?
「そうですね~、がんばってください~」
頑張るしかないのか(白目) 仕方ない。偽装魔法を覚えるまでトイレで何とかするか。俺は何とかバレずに変身することに成功した。幸い今日から夏休み。今日ここでレベル十まで上げる。そのために昼と夜用の食事と武器も持ってきた。今日は下層まで潜る
中層の段階で今週のノルマは達成し、下層に潜った時にはレベルが九に上がった。よし、今のところ順調だ。このまま進もう。そう思っているとカチッという音がした。その瞬間俺は悟った。転移トラップ! 転移トラップは文字通り引っかかった探索者を転移するトラップだが、同じダンジョンに転移させるトラップと別のダンジョンに転移させるものの2種類ある。後者の方が死ぬ可能性が高い。D級ダンジョンに潜ってたと思ったらB級ダンジョンに転移して死ぬとかざらだ。この対策はない。しいて言うなら一定時間経ったら消えるので、目印を立てておく位だ
転移した先は……どこだ? 少なくとも俺がいつも通っている岡山ダンジョンじゃない。そう考えていると魔物が出てきた。出てきたのは……オーク。もしここがD級なら最下層と呼ばれるダンジョンの終点に近い層、ここがC級なら中層、B級以上なら上層だ。幸い戦ったことはあるから対処法は解る。こいつはパワー全振りで大振り。スピードもあまりないからその隙に足の腱を切り、バランスを崩せばいい。そう思い、足元を狙うとそのまま足が切れた。……これなら腕も切れるな。ポジティブに考えよう。実際俺の考えた通り腕も切断でき、あっという間に倒せた。オーク程度なら負けるきせぇへん、強いし。そう考えていると五体のオークの群れがやってきた。……流石に五体は無理! しかし、ここが何処かわからないので戦うしかない。気を引き締めないと、すぐ殺される
そう思ってた時期がありました。普通に勝てた。跳躍力も上がっていたので普通に首を切って終わり。……これ体験したら絶対普通の探索の感覚が狂う。オークの首を普通の剣で切断とか無理。普通は筋力足りず皮膚にめり込むだけ。だから魔法での対処が普通だ。例外はマッスルさんみたいな身体能力向上の能力を持っている人たちだけだ。俺は持っていなかった。前から思っていたがこの姿は元々そういう能力を備えている?
「う~ん、半分正解ですねぇ~」
「KUsann......」
「変身後に身体能力も向上しますが、それだけじゃないですよぉ~。称号です」
「称号......」
そういえばそんなもんあったなとアプリを確認する
「拳闘士?」
身に覚えがない称号が俺の名前の横にあった
「あなたが素手で魔物を一定以上倒したことによってつけられたものです。称号によって効果は変わり、拳闘士は身体能力向上というメリットがあります。称号ごとにメリットがありますので後で確認してください。そして、貴方に朗報です。レベル十になりましたー! ドンドンパフパフー」
一人で効果音を言うのはちょっと可愛かった。……そうじゃなく、レベル十だ。魔法を覚えられる。魔法を覚えるためには魔法系の能力を得るか専門の学校で覚えるかしかなかったので諦めていたが……使えるようになるのか! そりゃあ魔法少女なんだから使えなきゃなあ!
「では、アプリを開いてくださいねぇ~、魔法の機能が解放されていると思います~」
KUの言う通り開くと確かに魔法の機能が解放されていた。俺はウッキウッキで開くとそこには
「魔法を覚えるのにもマナがいるのかよ!」
マナが必要だった。初回無料ボーナスとかないですか? 俺が今のマナで覚えられるのは……魔法学で定義される初級魔法。初級魔法は一般的に生活で使えるが、魔物には火力不足なものだ。しかもこれ、ツリーかよ! 一種類覚えたら他の覚えられないの? ざけんなや
「十の倍数のレベルの時にまた覚えられますよ~」
成程ね。ボーナスみたいなもんか。なら、せめて初期に一個は覚えれるとかさぁ……なんかあるじゃん。それくらいはあってもいいじゃん。こちとら寿命が人質なんだから
「どの魔法にするの?」
「おススメとかあります?」
「わかんない」
おい、お前ナビゲーターみたいな立ち位置だろ。俺が初めてってわけじゃないんだからなんか……こう……あるだろ
「じゃあ属性診断してみたら? 君の魔力にあった属性がわかるよ~」
俺はKUの言う通り属性診断をすると、氷属性だった。あれだな、これからの夏にすごく役に立ちそう。俺はそう思いながら診断結果である氷属性の初級魔法を取得した。するとそれまで光っていた全属性の初級魔法が消え、氷魔法のツリーだけ残った。それと同時に魔法の使い方が解った気がする。頭の中に直接刻み込まれた気分だ
俺が魔法を取得したのを見届けたKUは消えていた。あ、ここがどこか聞けばよかった。そして上への階段を探している最中またオークがやってきた。俺は試しに魔法を使うことにした。とは言え初級魔法。魔物の魔法耐性に弾かれるだろうからすぐ首を斬れるように準備しておく
「喰らえ! グラキエース!」
その瞬間辺り一面が凍った。……なんで!? 初級魔法だよね!? これまさか魔法少女限定の超強魔法の初級魔法とかいわないよな!? ……いや、けど魔法名は普通の氷魔法と同じはずだ。中学生のころ調べたから俺は詳しいんだ。ってことは……
「魔法少女の能力か......ぶっ壊れだなぁ」
俺がそう思っていると
キャー!!
悲鳴が聞こえてきた。どうしよう。助ける義理はないけど……いや、助けるか。大いなる力にはそれ相応の義務が生じる。何より情けは人の為ならずだ。いいことをすれば返ってくる
それはそう思い悲鳴が聞こえた場所に向かった。悲鳴はここを下ったところで聞こえた。俺は急いで階段を降りると、そこではパーティーが巨大な魔物と戦っていた
「
ダンジョンには時折普段は出現しない強力な魔物が現れる。それを俺たちは
「とりあえず、遠距離武器はないから、近づくか......」
俺はゴリアテに近づき魔法を放つ。ゴリアテの足を完全に封じることが出来、そのまま凍った足を砕き、機動力を完全に封じた。足が無くなったことにより、ゴリアテは倒れた。次は腕だ。腕も足と同じようにし、最後は首を切る。しかし、ここで俺の愛剣であるグランドブレード(二代目)が壊れた。有難う、おれの愛剣。今年に入って無茶をさせてしまった。お前のことは忘れないからな。愛剣を失ったので仕方なく相手の頭が破裂するまでマウントポジションで殴り続けた。氷魔法は凍らせるとこまで行っても砕くことは人力だからなあ……まあもっと上魔力操作に慣れたら指パッチンで砕けるんだろうが……今日が初めてだから無理だ。出来ない。そんなことを考えながら殴っていると気が付く。普通に凍らせればいいじゃんと。俺は頭を凍らせ、砕いた。すまんな、無駄に痛い思いさせて
俺がゴリアテを倒し、周囲を見渡した。助けたはずのパーティーからは距離を置かれ、マジキ〇を見るかのような眼で見られている。俺が少しでも動こうものなら小さく悲鳴を上げ肩を寄せ合っている。……うん、仕方ないわ。俺は自らの行いを振り返り、反省をした。最後のは本当に駄目だよな。なんなら足、腕、頭となぶり殺しにしてるみたいで……そりゃあ引かれるわ
「あ、あれって......」
「うん......国産魔物殺戮マシーンのステゴロゴリラガールだよ......」
「けど......剣や魔法も使ってたよ?」
「マークⅡなんじゃない......?」
「こ、殺さないでぇ......」
言いたい放題である。こいつらさては余裕あるな? てかなんだよ、国産魔物殺戮マシーンのステゴロゴリラガールって。おかしいだろ。こちとら普通の人間……いや、魔法少女っていう生態がわからない存在だから普通の人間じゃないわ。てか、今の俺の状態って何? 人間なの?
「あ、あの......」
そう考えているとリーダーっぽい人が声をかけてきた。出来る限りフレンドリーな形で……KUの口調を真似るか
「ん~、なに~?」
「ヒィ」
引かれたが? なんで? 笑顔で口調が柔らかくフレンドリーな形にしたのに!
「そう怯えられると傷つくわぁ~。何も取って食おうってわけじゃないから安心して~?」
「あ、あの! ありがとうございました!」
「怖った時はお互い様よ~。ところで......ここどこぉ~?」
ソーシャルディスタンス以上の距離を取られたが、何とか会話は出来た。ここは広島ダンジョン。C級か。土地勘がないので道案内をお願いした。ちゃんと笑顔でお願いしたのに余計怖がらせてしまった。そんな怖いか?
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こんにちは、月照です。誤字脱字、誤記等ある場合は報告してくださると幸いです
魔法少女らしい、強強魔法が活躍する回でしたね!(なお止めは拳)
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