第2話 俺の仕事はゲーム感覚
前回の探索で大体のレートは解った。アマチュア向けのD級ダンジョンに出てくる雑魚であそこまで簡単なら案外何とかなるかもしれない。そう思っていたらアプリから通知が来た
[おめでとうございます! あなたの収集レベルが上がりました! 詳細はアプリをご確認ください]か。俺はアプリを開くと俺の名前の横に収集レベル三と書いてあった。ノルマ達成ごとにこの収集レベルとやらが上がる? それともまだ始めたばっかだからこんなにも早く上がるのか? そもそもレベル上がっての恩恵ってなんだよ。そう思いながらレベルの横にあった説明ボタンを開く。要約するとレベルが上がるとノルマが上がるよ。けどその分達成報酬やマナの収集効率も上がるから頑張ってね! クソが。ていうかノルマ達成したら報酬があるってことは最初のはチュートリアルか。チュートリアルが終わったから本来のノルマがやって来たってことか。マジか……と思いながらメニューバーを開くとショップと任務という見たことがない機能が解放されていた。説明ボタンにどのレベルでどんな機能が解放されるとか書いとけやクソ運営が
まずはショップを開くとそこには日本円、ドル、ユーロなどの金銭から宝石、装備などが並べられていた。通貨はマナ。これは……ノルマ達成後に収集したマナが俺の取り分になんのか。うわ、ご丁寧に金銭や寿命とのマナの交換所までありやがる。なら、せめて寿命は後どのくらい交換できますよとか見せろや。試しに五千円をマナと交換すると五マナ。一マナ千円か。ぼったくりじゃねえか。レベルが上がったらレートが変わるとかあんのかな。まあそこらへんは上がってからじゃねえとな。で、任務が累計何マナ収集でステータス強化や任務を何回クリアでマナの交換レート変化と言った内容だった。後は称号? 何の意味を成すかわからないが本当にゲームみたいだな。まるで神が適当に選んだ人間に命を賭けたゲームをやらせているみたいだな
俺はベッドにスマホを投げ今の状況を整理する。今のままなら頭打ちは近いうちにやってくる。前回同様に倍になるなら次は五千。ゴブリン十七体分。俺が平日に潜るときに一回で倒す量は大体そのくらいなのでもっと奥に潜らなければならない。寿命を減らさないように危険が大きくなる場所に潜る。本末転倒だが、なにもせず死ぬよりはマシだ。明日は祝日。変身して潜ってみよう
次の日、人に見つからないように変身してダンジョンに潜る。資格を改札にかざすとそのまま通った。普通登録されている顔写真と違うと入れないのに。気にするなとはこういう事か。朝早くから来たのであまり人はいない。学生服にロープ風のジャケットは学生の探索者にとってスタンダードな服装と言っても過言じゃない。まあ休日に学生服を着るのはあまりいないが……。だからあまり悪目立ちはしない。適当に襲い掛かってきたゴブリンを魔法少女らしく殴り飛ばした。……? なんで? 魔法使おうと思ったら殴り飛ばしていた……。すみませーん、KUさんいますか~?
「はぁ~い、いますよ~?」
やっぱいた。しかも時が止まっているし
「あの、なんで魔法使えなかったんですか?」
「魔法を覚えてないからですね~。魔法を覚えられるのはレベル十からになっているのでそれまでは肉弾戦になります。まあもともと覚えている魔法は使えますがあなたは覚えていないので意味がないですね~」
「え、あの、こういうのって最初から使えるんじゃあ......」
「仕様なので仕方ないです。では、引き続き頑張ってくださいねぇ~」
そう言いどこかに消えていった。装備も何も持っていない俺は仕方なく拳と蹴りで進んだ。身体能力は強化されているのかゴブリンの頭が破裂する。変身前はさすがに破裂させることはできない。出来てもふらつかせるくらいだ。ワンパンなのでサクサク進む。そして、出現する魔物が変わる中層にやってきた。ここまで二時間。なぜか魔物が寄り付かない階段で前もって持ってきた昼ご飯を食べ、一息ついたのちにまた進む。ここでもワンパンだ。普段の俺では最低三発必要なのに……もしかして俺って無敵? そう思いながら進む。にしてもこの装備いいな。返り血がすぐ落ちる。というか消える。これはありがたい。国が貸し出している血を落とすための洗濯機の金がかからないのは学生の身からすると大変助かる。なんだよ一回五千円って
十五時になった段階で下層に到着。このまま引き返すか、このまま進むか……。下層は流石に装備がないと怖い。中層なら装備無しでもなんとか切り抜けれる。けれど下層で装備無しは怖い。万が一変身が解けたらまじで危ないから、今日はこのまま帰ろう。そこまで危機的じゃないし、まだまだ余裕はある。俺は来た道を引き返し、ダンジョンから出た。しかし、ここで問題が起こる。戦利品の換金は基本的に対面で行われる。資格証と顔が一致しなければ買い取りは認められないし、勾留される。ダンジョン内外に人が多く、解除が出来ない。普通に同級生とかいるし、顔見知りもいる。そんなとこで解除は無理だ。どうするか……しかし、KUは、大丈夫と言っていたからやってみる。最悪受付の人に事情を説明すれば何とかなるだろ。守秘義務あるから言いふらされる可能性は低いし
結果を言うと普通に換金できた。俺は他の人から見たら元の姿に見えているのか?と思ったが普通にかわいい顔とか言われたのでちゃんと姿は変身後だ。やっぱ、認識改変でも起きてんのか? この姿の時は資格証の写真やデータベースも変わってるとか。俺はそう考えながら換金後の金を口座振込でお願いし、帰って確認すると振り込まれていたので問題はなかった。今日だけで十五万。そして、マナは一万か。これならしばらくはD級ダンジョンでよさそうだな
次の日起きるとまたレベルアップの通知があった。それを見ると
[マンスリーノルマ実装!]
俺はスマホを叩きつけた。なんだよ、マンスリーノルマって。十万!? あれ十回分!? 来月からだけど……。昨日五時間で一万マナ。武器を持っていけばまだまだ潜れたことや、平日の探索の時間を考えるとなんとかやれそう。C級ダンジョンも潜ってみるか? いや、とりあえず、このマンスリーノルマはD級でやって無理そうならC級に行くか。俺はそんなことを考えながら学校に行く。バスと電車での通学なのでDanTubeの切り抜きでも見るかと考えながら調べているとある動画が目に入った。
『怪奇! ステゴロつよつよ女子学生!』
俺が切り抜かれていた。……噓でしょ……いや、確かに俺もステゴロでワンパンしながらダンジョンに潜ってるやつ見かけたら動画取るわ。しかも結構再生回数行ってるし……
あの動画は結構有名な女子高生の探索者の配信に偶々映ったらしい。気が付かんかった。俺もこの人の配信を見たことあるけどすごく強かった。同い年でB級ダンジョンに挑戦してるから凄い。ならなんでD級にいるんだよ……。取り敢えず俺はその動画を見た。……うん、若干引いてんじゃん。そりゃあ笑顔で魔物の頭を破裂させているキ〇ガイだしなあ……俺、あんな笑顔だったんだ……今度からフードをもっと深くかぶるか
「よお! 真助!」
「おはよう、元成」
登校をして真っ先に俺に話しかけたのは友人の伊達元成だ。生粋のDanTuberマニアであり、自分もDanTuberになりたいらしいが、こいつは資格を持っていない。なんで、資格を取らないんだと聞いたことがあるが試験に三回落とされ、ペナルティとして未成年の間は試験を受けられないらしい。合掌
「てかさ、昨日の『MARINA Ch』見た?」
「配信は見てないけど、切り抜きなら」
「なら、あのクレイジーゴリラガールのことも知ってんのか」
「え、あの子そういわれてんの?」
なんだよクレイジーゴリラガールって。ふざけんなよ。ゴリラは違うだろ、ゴリラはよぉ! せめてバーサーガールとかにしてほしい。ゴリラはギリ悪口だろ
「まあ、色々だな。そういや、お前がいつも行ってるダンジョンじゃん。生で見たりしなかったの?」
「昨日行かなかったから見てねえ」
「マジかぁ! もったいねぇな」
「何々? あの切り抜きの話?」
俺たちが話していると他の友人たちが話しかけてきた。なんでお前らそろいもそろってDanTube見てんだよ。学生なら勉強しろよ、勉強。……俺? 俺は、探索者として食べていくから最低限でいいんだよ
こいつらの話をまとめると、掲示板でもう専用スレが立っている、『MARINA Ch』がライバル視、仮称という名の蔑称が多く作られる、スカートを履けと言ったところだ。最後! スカートなんか絶対履くか! てか、もうスレッド立ってんの? 早くね? 後で確認するか
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
こんにちは、月照です。誤字脱字、誤記等ある場合は報告してくださると幸いです
もしかしたらこっちの更新が多くなるかもですが、『貴族の子息ははかりかねる』の方も週一以上で更新するので大丈夫です
そしてこの作品のコメント・評価・ブックマークも是非ともお願いします
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます