DK、寿命を守るために魔法少女になります

月照建速/月照

プロローグ

 魔物が出てくる洞窟、所謂ダンジョンが世界各地に現れ五十年の月日が経とうとしている。最初こそ軍隊、日本では自衛隊や研究者たちしか入ることが認められていなかった。しかし、とある国が人海戦術で国民をダンジョンに送り、成果を上げた。しかもダンジョンに入った国民のなかから魔法を扱える者も出てきて、各国は二者択一の選択肢を選ぶことになる。まずは、これまで通りの一部の人間しか入れない。もう一つがダンジョンの自由化である。ほとんどの国は前者を選んでいた。しかし、アメリカで起こったダンジョンに自由に行ける権利をめぐる裁判の判決が合憲と判断され、状況は一変。多くの国が自由化に舵を切った。その中でも日本は他国より遅れて法整備をして、段階的に自由化が行われた

 その一環がダンジョンを探索する資格を得ることが出来る学校の開設であり、十年以上、その学校でしか資格を得ることが出来なかった。しかし、時の首相がダンジョン内にある資源と日本のダンジョンの数に眼をつけ、緩和を実行。死者は多くなったが、それ以上に電気や食料問題を解決する土壌ができ、国民の負担は軽くなった。マスメディアも国を叩きつつ、ダンジョンを探索する人々を取材し、熱を煽った。そこからだ。SNSでもそれが広まり、日本のダンジョンに対する危機感は急速に薄れていった。皆ただ、熱に踊らされている病人みたいだと当時の小説家は言った

 俺もダンジョン探索の資格を持ってはいる。週に二,三回潜って小銭を稼ぐ。アルバイトといわれる基準になるまでダンジョン探索の敷居は下がった。動画投稿サイトを見ればダンジョンで配信している奴もいる。時たま事故ってスプラッター映画になるのはご愛敬だ。五十年前を知る人々は今の光景を狂気の沙汰だと思い、反対運動を展開している。特に動画投稿サイトでのスプラッター配信なんて日本人が狂気に落ちたという。しかし、俺たちはそれが当たり前であった。けれども事件の発生率は下がっている。治安も政府の発表ではダンジョン出現前の水準に戻っているとされ、「もはや、戦後ではない」という言葉が流行語大賞を取ったほどだ

 そして、俺がダンジョンに潜った後、帰宅していると目の前に急に女性が現れた。その目は黒く濁っており、全身に寒気がした俺が逃げようとするがその時に気が付く。時が止まっている。鳥も、雲も、人も、石造のように固まっている。それは俺もだった。恐怖が俺を支配した。そんななか女性が口を開いた


「やあやあ、初めまして。術野真助くん」

「な、なんで......俺の名前を......」

「ん~、名前だけじゃないよ? 君の住所や、家族構成、生年月日、これまでの経歴、好きな子の名前、隠し持っているHな本の数までぜ~~んぶ把握しているよ?」

「う、嘘だ......俺は信じないぞ......」


 俺がそういうと目の前の女性は俺のことを一から読み上げていった。俺はもう逃げられないぞと言わんばかりに読み上げた。俺の黒歴史を読み上げる段階で俺は白旗をあげた


「そんなに怯えなくても......あ、まだ私の名前を教えてなかったね。私はKU」


 KUと名乗った女性は本来の目的を思い出したかのように言った


「君を魔法少女としてスカウトしに来た」

「すみません、俺男なんです」


 意味が解らなかった。魔法少女と名乗る冒険者はいる。それこそベテランからルーキーまで。しかし、それはすべて女性だ。男の俺には関係ない、というか普通は名乗らないだろう


「え、知ってるよ? けど? 私に掛かれば君も魔法少女! 安心してね、変身解除したら男に戻るから」


 そういう問題じゃないんだよなぁ!? 


「ていうか、本来魔法少女とか素質があれば誰でもなれるんだよ。ほら、魔法少女になろ?」

「ち、因みに拒否したら......」

「え~? 私のこと知られたから殺すね」

「喜んでならせていただきます!」


 即答だった。仕方ない。流石にまだ十六歳。生きていたい。こちとら、恋人もできたことがないんやぞ、絶対に恋人を作る。具体的には元気系で金髪ロングな優しくて、けれど独占欲も出してくれる長身な同級生位がいい


「なら、これ。やり方は魔道具と一緒。わかるでしょ?」


 そう言い、KUは棒切れを渡してきた。俺は棒切れに魔力を流すと俺の身体は俺の理想を体現したような姿になっていた。服装も黒い学生服とズボンにロープ風のジャケットを羽織っていた。そして、何よりも力があふれていた。今なら俺の最高記録を目指せるかもしれない


「よしよし、じゃあこれで君は正式に魔法少女だ。君にはこれからあるものを探ってもらう」

「あるものですか?」

「ああ、ダンジョンには人を覚醒させる君らで言うところのマナがある。それを回収してほしい。マナはダンジョンに潜ればそのステッキが回収してくれるから問題はない。あ、月にノルマがあるからそれを達成できなかったら寿命縮むから頑張ってね!」

「は? え、ちょ!」


 そう爆弾を投下してKUは去っていった。すると何事もなかったかのように時が動き出したので俺は急いで近くの公園の多目的トイレに駆け込み、変身を解除して家に帰った

 これは俺が魔法少女として寿命を守るための物語だ

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こんにちは、月照です。誤字脱字、誤記等ある場合は報告してくださると幸いです

今回から新しく現代ダンジョンものを書きます!一回書いてみたかったんですよね。基本的にこれと『貴族の子息ははかりかねる』は両方とも週一以上の投稿になります。何曜日にこれ~とか決まっていないのでご容赦ください

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