魔王城の保育園は今日もてんやわんや ~最強スキル「アイ バブ ユー」で魔王様をバブ堕ちさせ、100均グッズを神器と崇められながら、今日も楽しく育児してます~

サンキュー@よろしく

第1話 魔王城に『シャボン玉』が舞う日

 魔界の空は、今日もよどんだ紫色をしていた。

 雷鳴が轟き、遠くの火山からは不吉な黒煙が上がっている。

 ここは魔王城。人類を脅かす魔族たちの総本山である。


 ――その、ど真ん中にある中庭を除いては。


「はーい、みんなー! お砂場遊びはおしまいですよー! 手を洗って集まってくださーい!」


 真っ黒な城壁に囲まれたその場所だけ、なぜかポカポカと暖かい陽光が降り注いでいる。

 ひだまり保育園。

 それが、私の職場だ。


「ザックさん、タオルをお願いします!」

「はいはい、ただいま」


 私の呼びかけに応えて、建物の影からヌルリと黒い人影が現れた。

 彼は雑用係のザックさん。種族は『影魔族シャドウ・ストーカー』。

 全身が漆黒の「影」でできていて、輪郭は炎のようにゆらゆらと揺らめいている。顔には口も鼻もなく、ただ二つの白い目がぼんやりと光っているだけという、夜道で会ったら悲鳴を上げるような見た目だ。

 けれど今は、その不気味な影の体に、ファンシーなピンク色のエプロンと三角巾を身に着けている。


「ほらリュウくん、暴れないで。手を拭きますよ」

「やだー! まだあそぶー!」


 ザックさんは影の手を伸ばし、ドラゴンのリュウくん(4歳)を器用に捕まえた。

 私のエプロンの裾を引っ張るのは、次期魔王のアリスちゃん(5歳)。

 そして、私の足元で短い足をよちよち動かして歩いているのは、コボルトのコボくん(2歳)。犬のような耳とフサフサの尻尾を持つ魔族で、クリクリした目がとっても可愛い。


 私は日向ヒナ。24歳。

 ちょっとした事故で日本からこの世界に飛ばされ、気づけば魔王城で保育士をすることになっていた。

 でもまあ、子供はどこの世界でも可愛いから、問題なし!


「リュウくん、お砂は焼かないお約束でしょ? さあ、今日はみんなで新しい遊びをしましょう!」


 私はパンパンと手を叩いて注目を集めると、虚空に向かって右手をかざした。


「スキル発動――『100均市場ディメンション・マーケット』!」


 ズズズ……ッ!

 目の前の空間が純白に発光し、空間の裂け目から「日本の100円ショップ」の棚が出現する。


「ひぃっ……先生、また時空をねじ切ったんですか……」


 ザックさんが、その白い目をまん丸に見開いて青ざめている(影なので顔色は変わらないけれど、雰囲気が青ざめている)。

 私は気にせず、100円(税抜)の『徳用シャボン玉セット』を取り出した。


「じゃーん! 今日はこれで遊びますよ!」



 一方その頃、魔王城の最上階『玉座の間』。

 魔王ヴェルザードは、配下の将軍たちと重苦しい軍議を開いていた。


「……して、人間軍の動向は?」

「はっ。勇者一行が国境付近に――む?」


 窓際に立っていた炎竜将軍が、ふと外を見て動きを止めた。

 つられてヴェルザードも視線を向ける。

 中庭から、無数の「透明な球体」がふわふわと舞い上がってきていた。

 太陽の光を反射し、虹色に輝くその球体は、美しくも不気味な魔力を帯びているように見えた。


「な、なんだあれは……!?」

「虹色の……結界球か!?」

「バカな! あれほどの数を同時に展開するなど、上級魔法使いでも不可能だぞ!」


 将軍たちがざわめく。

 ヴェルザードは目を凝らした。その球体の一つが、窓ガラスに触れてパチンと弾けたのだ。


「消えた……!? 物理干渉を無効化して、虚数空間へ転移したというのか!?」


 その時、中庭から愛娘アリスの「きゃあ!」という、甲高い声が聞こえた。


「アリス!!」


 ヴェルザードの顔色が変わる。

 あの正体不明の魔法球が、娘を襲っているに違いない!


「軍議は中止だ! アリスを救出する!!」

 魔王は窓を突き破り、黒い翼を広げて中庭へと急降下した。



「わあー! きれーい!」

「まてまてー!」


 中庭では、子供たちがシャボン玉を追いかけて走り回っていた。

 ふーっと息を吹けば、キラキラした玉がたくさん飛んでいく。その単純な遊びに、みんな夢中だ。


 その時だった。


「アリス! 伏せろぉぉぉッ!!」


 ドォォォォン!!

 凄まじい衝撃音と共に、中庭の真ん中に黒い影が着地した。

 砂煙が舞い上がり、せっかくのシャボン玉が一瞬で吹き飛んでしまう。


「パ、パパ……?」


 アリスちゃんが目を丸くする。

 現れたのは、身長2メートルを超える巨躯に、立派な角を生やした魔王ヴェルザード様だ。

 彼はアリスちゃんを抱き上げると、周囲を睨みつけた。


「ええい、忌々しい虹色の球体め! 我が娘には指一本触れさせんぞ! 『暗黒波動ダーク・ウェーブ』!!」


 魔王様が手を振るうと、漆黒の風が巻き起こり、空中のシャボン玉をすべて消し飛ばしてしまった。


「ああっ! ボクのつくったやつー!」

「パパのばかー! いま、いいところだったのにー!」


 リュウくんが泣き出し、アリスちゃんが魔王様の胸をポカポカと叩く。

 せっかくの楽しい時間が台無しだ。

 子供たちの笑顔を奪うなんて、たとえ魔王様でも許せません。


 私はエプロンの紐を締め直し、魔王様の前に進み出た。


「魔王様」

「む? ヒナ先生か。下がっていろ、ここは危険だ。この正体不明の魔法球は――」

「正体不明じゃありません。100均のシャボン玉です」

「しゃ、ぼん……?」


 キョトンとする魔王様。その全身からは、まだ娘を守ろうとする殺気と魔力がビリビリと放たれている。

 普通なら怯えてしまうところかもしれないけれど、私には分かっていた。

 この恐ろしい魔王様が、どれだけ娘思いのパパなのかを。


 私は一歩踏み出し、魔王様の真正面に立った。

 そして、警戒する彼に向けて、そっと両手を広げた。


「あらあら、魔王様。そんなに怖い顔をして、どうされたんですか?」


 スキル発動【絶対母性アイ バブ ユー】。


「娘さんが心配で、お仕事ほっぽり出して飛んできてくれたんですよね。ふふっ、とっても家族思いの優しいパパですね。えらいえらい」


 ふわり。

私の言葉と共に、春の日差しのような温かい黄金の光が魔王様を包み込んだ。

 それは攻撃魔法ではない。

 あらゆる緊張と警戒心を溶かし、強制的に「安心感」を与えてしまう、最強の精神干渉(癒やし)だ。


「――っ!?」


 ヴェルザードの殺気が霧散する。

 全身の力が抜け、代わりに脳髄を駆け巡るのは、赤子がゆりかごで揺られているような圧倒的な幸福感。


「よしよし、もう大丈夫ですよ。頑張りましたね」


 私がダメ押しで空気越しに頭を撫でる仕草をすると、魔界最強の支配者は膝から崩れ落ちた。


「バブぅ……♡」


 ドサッ。

 魔王ヴェルザードは地面にへたり込み、とろんとした目で私を見上げた。

 そこにはもう、魔王の威厳など欠片もない。ただ甘えたいだけの大きな子供がいるだけだ。


「パ、パパ……?」


 アリスちゃんが目を丸くしてパパを覗き込む。

 リュウくんたちも、泣くのを忘れてポカンとしている。


「あらあら、魔王様ったら。安心したら腰が抜けちゃったみたいですね」


 私がクスクス笑うと、背後でザックさんが白い目を細めて呟いた。


「……先生、それは絶対に違いますよ。また魔王様を『バブ堕ち』させたんですね……」


 こうして、魔王様の暴走は(ある意味で)平和的に鎮圧され、中庭には再び子供たちの笑い声が戻ってきたのだった。


————————


【連絡帳(アリスちゃん)】

ヒナより保護者様へ

今日はシャボン玉をして遊びました。アリスちゃんはキラキラした玉を追いかけて、とても楽しそうでしたよ。お父様も駆けつけてくださって、アリスちゃんも喜んでいました。


父より

虹色の球体による結界攻撃かと思い、つい迎撃してしまった。すまない。

追伸:先生の「よしよし」は、精神の休息として非常に有効だった。日頃の公務の疲れが吹き飛んだ。また頼む。




**********

※お読みいただきありがとうございます!

本作は意図的に、本文のほぼ全てをAIによって生成しています。

大枠のプロットや生成のためのプロンプト(指示)は、作者がそれなりに工夫して考えましたが、出力された文章に関しては、あえて最小限の修正にとどめています。

AIがどこまで物語を紡げるのか、その可能性を含めてお楽しみいただければ幸いです!

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