ダンジョンツアーズ!〜トンチキ乙女ゲームの主人公に転生したけど、イカれた奴らと没落都市をバズらせて、復興しよう!〜

幸運寺大大吉丸@書籍発売中

第1話 チートジョブを手に入れたはずが

-side 小鳥遊涼太-



「やっちまった⭐︎」



 投資の個別銘柄にオールインした。

 その会社が不正会計で倒産してしまった。

 9割の財産を失ってしまった。

 目の前が真っ暗になった。



♢ ♢ ♢ ♢ ♢



「小鳥遊涼太さん……小鳥遊涼太さん!!」

「んーー?」

「あっ!?起きましたか」



 見ると神様がいた。

 自分でも何を言っているか分からないが、対面したら分かる、あれは神様だ。

 というか。俺死んだ?



「もしかして、異世界転生ってやつですか?」

「正解です」

「よっしゃー!チート能力貰えるって事ですか!?」

「そうですよ」



 神様はニコニコと笑って俺の質問に答えてくれる。



「……なんか裏ありません?」

「ご名答です」



 相変わらず、神様はニコニコ笑っている。



「笑って誤魔化そうとは」

「流石です」

「うーん、全肯定」



 どうやらこの神様、中々良い性格しているらしい。



「それで、どういう地域に転生するんですか?」

「おお!そこ気になりますか!」

「もちろん、どーせファンタジーの碌でもないところに転生させられるんでしょ?」

「違います」



 おおっ!やっぱり……って、え?



「違います」



 この神様、否定もできたんだ。



「行って貰うのは、乙女ゲームの世界です」

「はあ……」



 一口に乙女ゲームと言っても色々ある。

 ファンタジー学園ものや、アイドル学園もの、戦国時代もの、オフィスラブ、芸能人やアイドルと禁断の恋など様々だ……

 総じて嫌な予感しかしなくもないが、まあ神様が行けって行ってるんだから仕方がないだろう。



「あなたが今回行って貰うのは近未来日本の世界観のダンジョン探索者養成機関です」

「そうきたか」



 近未来SFの乙女ゲーム。確かに最近話題になってるな。



「あなたにはそこの主人公になってもらいます」

「ほうほう」



 なるほどなるほど……ん?主人公?



「そーいえばさ」

「なんでしょうか?」

「なぜ俺なんだ?乙女ゲームだったら乙女の方が適任では?」



 そう、一番最初に聞くべきはそこだった。

 普通に乙女ゲームなんだから、乙女が行くべきだろう。キラキラしすぎてて、投資で失敗したアラサー男が行くべき場所じゃなさすぎる。



「今乙女も人手不足でして」

「まさかの切実な理由」



 人手不足と言われると途端に断りずらくなってきた。



「それに、最近の乙女ゲームは主人公が男か女か選択できるんですよ!」



 そう言って、神様はこれから行く世界の元になったゲームがどんな感じなのか見せてくれた。

 確かに、乙女ゲームというより、女性向けRPGみたいな感じか。

 ゲームの進歩を感じる。



「まあ、そんな感じですから大丈夫でしょう。色々チート能力もありますから選択してください」

「ふむ」



 見ると、いくつかのジョブやスキルを選択できた。

 大賢者、剣聖、聖女、勇者……ここら辺は普通のRPGと変わらないな。

 勇者と聖女はめんどそうだから、大賢者と剣聖でいいか。

 スキルは便利そうな能力一通り貰っておこう。



 --ポワポワポワポワ

 選択し終わると、周りが光った。



「終わりですね!頑張ってください〜!」

「ああ。行ってくる」

「ちなみに使命は魔王を倒す事です〜」



 は?え?聞いてないんですけど!?

 だったら、勇者の方がよかったじゃん!

 こうして俺の次の生が始まったのだった。



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