第3話 Aさんの行方
尾形君の話ではAさんはJRで400キロ離れた街でホームレスになっていたといいます。
見つけたのは尾形君とAさんの高校時代のクラスメートでCさんでした。
Cさんは
出張で行った街の駅前公園でアポの時間まで時間つぶしをしていたところ
噂で行方不明になったと聞いていたA君が偶然、汚い格好で公園内を歩いているのを目撃しました。
すぐさまCさんは
「おいA、おまえAだろ、おれだCだよ高校の時の・・・」
話しかけるとAさんは小走りで逃げていったのだそうです。
その時の様子でCさんの私見ですがAさんはホームレスのようだったと語り、
その情報は、すぐに尾形君に伝わって翌日Bくんと一緒に遠路はるばる車でAさんを連れ戻すつもりで尾形さんは駅前公園に向かいました。
公園内を捜すと雑木林や
Aさんは尾形君とBさんに怒られるとでも思ったのか逃げようとしました。
すぐに捕まえて
「逃げなくても良い」と伝えるとAさんは
「はらへった、のり弁買ってくれ」と空腹を訴えてきたので
まず、すぐ近くの持ち帰り弁当店に行くと
Aさんは
「食べたい弁当がいっぱいある」と言って5種類ほど弁当を買って公園でカツカレー大盛りを食べました。
「これで三日は大丈夫だ」と残りの弁当を見つめて言ったそうです。
お腹が
Aさんのお母さんからの手紙と急いで用意した新しいスマホも渡しました。
前のスマホはバッテリー部分がパンパンに膨らんで画面にヒビが入り使用不能になってしまっていたからです。
あの写真も動画もオシャカでした。
「どうやって生活してるんだ」と聞くと仲間とアルミ缶を集めたり使えそうなゴミを拾って馴染みの中古屋に持っていき買い取ってもらったり
仕事のあるときは日雇いで仲間と、かわりばんこで働き、お金は一旦集められ、みんなで共同生活しているのだと言います。
楽しみは仲間との酒盛りだと語っていたそうですが、どうせまともな生活ではありません。
現に水ばっかり飲んでいて何日も食事していませんでした。
「俺は、これでいいんだ」と言って帰ろうとしません。
随分、説得したのだそうですが無駄でした。
Aさんは
「あの街には帰りたくない、こわいよ・・・あのアパートから逃げたんだ、あそこのオバケから・・・」
尾形さんが聞いた話では
夜、こわいので奥の部屋では寝ないでトイレも近い玄関のそばの床に毎日、電気は点けっぱなしラジオもかけっぱなしで寝ていて
ある日、夜中に目が覚めると電気がすべて勝手に消えていて
部屋は真っ暗、ラジオは鳴っていたがお経や呻き声が聞こえていて怖さで震え上がり固まっていると、やがて部屋中に響くような声で
「こっちへおいで」と聞こえ、びっくりして奥の部屋をみると暗闇に幽霊が大勢いてAさんに手招きしていたという。
「ぅぅぅうううわぁあああーーーーっ!」
怯えるAさんを見て尾形さんは
仕方がないので定期的に電話するからデパートやパチンコ店のサービスを使ってスマホだけは充電を切らさないように言い聞かせ手持ちの現金を3万円ほど置いて帰ってきたのだそうです。
「その、お金もきっと仲間との酒盛りで消えたんじゃないかな・・・」
と尾形君は言いました。
「後のことはAの、お母さんに任せました」と尾形君は悔しそうでした。
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