年末年始

なかむら恵美

第1話

びっくりされるが、わたしの家では年末年始。

特に料理を作らない。オール出来合い。

全て市販品で済ませる。

「普段、色々様々、一生懸命やってくれてるんだから」

この間(かん)ぐらい。

年末年始の一週間ぐらいは、お母さんを休ませたい意向の父に

ずっと従っている。

「いいんじゃない?」

初めて賛同したのは、4,5歳だったか?

子供が一人は、こういう時に都合がいい。揉めるがない。


近所で決まって買うのは、某社のカップ麺・でか盛りわかめ蕎麦。

+野菜の肉巻き、牛蒡の肉巻き、伊達巻他、蜜柑に飲み物、お菓子の類い。

一家揃って下戸なので、お屠蘇も用意しない。

親戚はいるにはいるが、遠すぎる。年賀状だけのつきあいだ。

「じゃっ」

出来上がったカップ麺の蕎麦を年越と見立て、切り分けた肉巻き、野菜巻き、伊達巻を2切れずつ入れて食す。お歳暮でハムが来れば、当然乗せる。

お雑煮は作ったり、作らなかったり。

紅白も途中ぐらいまでは、まぁ、見るか。

適当な時間を見計らい、父が母に言う。

「今年も一年、家族の為に色々ありがとう。お疲れ様でした。

こんな俺と娘ですが、来年も宜しくお願いします」

襟を正して、深々母に向かい、頭を下げる。

「どうしようかな?見捨ていい?特にあなた、お父さん」

「ダメっ!」

イチャイチャしながら、共に笑いあっているのを見るわたし。

これが我が家の年末年始だ。                          



                             <了>

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年末年始 なかむら恵美 @003025

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