失落の魔女
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第1話プロローグ/登校
「私……にはきっと……になるための力があると思うの。だから…、私を殺して?」
夕暮れ時の教室の中で彼女は少女に拳銃をそっと手渡した。少女は目の前に渡されたもの、そして彼女が発した言葉の意味を理解することは出来なかった。ただ目の前には手に渡された拳銃があった。''それ''はずっしりと重く冷たく…これは玩具ではないことは少女にもわかった。
「え…これって…嘘…本物?なんでこんなもの…」
「ダメだよ…投げようとしちゃあ…教えてあげるこれはこうやって使うの。」
少女は手に持たされたものを投げ捨てようとしたが彼女はそうはさせず銃口をそっと自分の眉間に向け拳銃の引き金に少女の指をそっと置かせた。
「い…嫌だ…」
「それじゃ……さんまたね…」
銃声の後に彼女が倒れてドタンッと鈍い音が教室中に響いた…彼女の後頭部から血が溢れ出しているところから少女は自分が本当に彼女を人を殺めてしまったのだと実感した…。
「な…なんでこんな…私やっと…生きる意味ができたのに…これからはどうやって生きればいいの…分からないよ…」
彼女の身体に触れると徐々に体温が下がりより一層彼女の死を実感した。ただ残ったのは頭いっぱいの疑問と手に持った冷たい拳銃だけが残っていた…。
な、なんで私はこんな事に…巻き込まれて…それになんで彼女はあんなにも笑顔で…。
「……もう…なにがなんだかわかんないよ…」
もう何もかも…どうでもいいや…この世界の何もかもどうでもいいや…あ……、
ふと少女は彼女の言っていた言葉を思い出した。
「私……にはきっと…になるための力が…」
私にほんとにそんな力が…力が本当にあるなら私は…
チリン…チリン…チリン…部屋中に目覚まし時計の音が響く…どうやら5時にセットした目覚ましがなり始めたようだ。
「ん〜…もう朝かぁ……」
だるいなぁ…でも今起きなきゃ弁当間に合わないし…駄々こねても誰も救ってくれないのだからさっさと起きて支度するしかないか……
「めんどくさいなぁ……️まぁ冷凍食品でいっか……」
少女、星泣須美(ほしなきすみ)はベットから重い腰をようやく上げて立ち上がると階段を降りて洗面所へ向かう。その後須美はキッチンへ行き弁当の支度を始めた。
「はぁ…今日も簡単にやればいっか。」
須美はため息をしつつ冷凍庫の中を見て溜まりに溜まった冷凍食品を漁ってその中から適当に数個取り出し次々とレンジへと入れていった。
チン…どうやら最後のひとつができたみたいだ…これを弁当に詰めてっと…
「よし…こんなもんでいいかな……」
袋に入れて…あとは、着替えなきゃだ。服は…上にあるな。めんどくさい…まぁ取りに行くしかないか…
須美は重い足を進めながら2階の自室に戻りまだ着慣れてないのか学生服をゆっくり着替え終えると時間は6時を回っていた。
「まぁこのくらいの時間になっちゃうか…仕方ないよね」
須美ははぁ…と窓の外を眺めながらため息をつくと玄関前に人が待っているのがふと見えた。
「あ…今日も来てんじゃん…いいのに」
ガラ…ガラと窓を開けるとそこにいた彼女はこちらに気づいたのか振り向き手を振ってきた。それを見て須美は階段を降り荷物を持って玄関の扉を開け彼女の元へと向かった。
「おはよ!須美さん〜今日も弁当作ってるんですね…ご自分でえらいですね。」
「そんなことない…ただ作ってくる人いないだけ…それにこの方が安上がりだし。」
彼女は白鹿めぐみ。私の同級生であり今月4月の始業式で偶然隣の席で話しかけて来たのが彼女だった。私はこの学校に来て誰とも話すことも無く…友達ができることもなくきっと暗くどんよりとした日常がこれからも続くものだと思っていた…そう白鹿さんに出会うまでは…
「ん?どうしたの須美さん?ぼーっとしてますよ?まさか寝起きですか?」
「あ〜…ごめんね白鹿さんちょっと考え事してたよ…」
大丈夫?と彼女は心配そうにこちらの顔色を伺いながら私のとなりを歩いている。すると通学路に人が群がっていた…どうやらなにかあったそうだ。
「須美さん…あれなんでしょうか…」
白鹿さんが指を指す先を見るとそこにはでかく…おぞましく…まさに"魔物"だった。その魔物が今人を一人踏みつけにしていた。ただその場にいる者らはその悲痛に満ちた悲鳴を聞くだけで動けるものなどいなかった。それは私たちも例外じゃなかった。ただ一人を除いて…
「おいおいこんなとこにも湧くのか…どーなってんだよ」
こちらに少女が荒く叫びながら走り寄り軽く私達を飛び越えていった。そんな彼女はどこか紅くて熱く…炎そのもののように燃えていた。
「彼女は羽声雛。生徒会の一人で灼熱の魔女と呼ばれているの。彼女が来たからにはここはもう大丈夫だわ」
「で、でもあの人一人でほんとにあんな魔物倒せるの……」
そんな不安を持つ中彼女、羽声雛は魔物の前に立っていた。どこか堂々としていた。そんな彼女に助けを求め魔物の下敷きになっている人が声を上げた。
「た、助けて…まだしにたくない…」
「ったり前だ…おい魔物…まずはその足どけろや」
そう怒声を上げると彼女は"炎の玉"のようなものを掌に浮かべ魔物へと放った。その一撃が相当効いたのか魔物は怯み住宅街の壁を壊して倒れた。その隙に彼女は下敷きになっていた少女を助け出した。
「無事かお前…一応学校に着いたら保健室行きな…」
「あ、ありがとうございます!で、でもあの魔物は…」
そんな少女の不安に対して彼女はあぁ…あたしに任せな。と返した。
「さて魔物さんよ…これ一つで終わると思うなよ…こっからだ」
彼女は炎をひとつの棒状にして、剣のようなものを作り上げた。それは全て炎で出来ておりとても私たちみたいな凡人じゃ扱えないものなのは見てわかった。
「あ、あんなこともできるんだ魔女って…」
私がそう驚くと隣にいた白鹿さんが口を開いた。
「いいえ、あれだけじゃないのよ他にも炎で色んなものを作れるのよ。時にその炎で一帯を燃え尽くして魔物を数十体を一撃で葬ったこともあるわ…それ故に"灼熱の魔女"と呼ばれているわ。」
私たちが話している間に魔物が飛び起き彼女に襲いかかろうとしていた。彼女は依然と変わらず炎で造られた剣を構えて待っていた。そんな彼女を見据えてか魔物は颯爽と飛びかかった…次の瞬間魔物は木っ端微塵に切り裂かれていた。そこに残っていたのは焦げた匂いと黒く焦げた肉片だけだった。その場にいたものは皆同じ顔と思考をしていた。誰も彼女が剣を振った姿を見ていない…見えなかったのだ。
「み、見えなかった…いつの間にこんなに…魔物の原型すら残ってない…」
「彼女はうちの学校でも頭がひとつやふたつ抜けるほど強い魔女だよ…このくらい当たり前の事だよ。」
魔女というものを知らなかった訳ではないがまさか…ここまですごいとは予想していなかったせいか私は唖然としていた、いや唖然としていたのはここにいた人達ほとんどがそうだったのだ。そんな私達を置いて彼女は背中を向けて去っていった。
第二話―別れ―かつての出会い
始業のチャイムの音がした。外を見るともう既に桜が散り始めているのが見える空は晴れ快晴で鳥たちが活気良く飛び回っている。そんな豊かな日に照らされた教室で私たちは担任からの朝のホームルームを聞かされていた。
「今朝、東地区で魔物が現れたそうだ。その場には生徒会員が即座に来て対処してくれたそうだが…その場にいたもので怪我をしたものはいないか?」
どうやら朝私たちが通っていたあの道で出くわした魔物のことだろう。あの場で怪我してたのは下敷きになってたあの子だけであとは誰も怪我をしていない。何故ならあの羽声雛が周りに影響を及ぼす間もなく魔物を片付けたからだ。今思い出すだけでも壮観に思える光景だった。
「凄かったよねあの生徒会員の人!それになんだかかっこいいし!」
「でも少し目つき怖かったよ〜…それに生徒会の中でもあの人はずば抜けて厳しいらしいし!」
その事件で関わった生徒会員である彼女のことを気になったのかそんな会話をクラスメイトたちがざわざわと話していると担任が黒板を叩き怒声を上げた。
「今はホームルーム中だ…話すなら休憩中にしなさい!」
怒声を聞くとクラス中が一気に静まり返った。その後に担任は軽く咳払いをして話を戻すぞ…とその場の空気を入れ替え話を続けた。
「事件が起きたことから地区一帯に生徒会員又は警察が数人配置されるそうだ。これで安全だと思うが万が一に備え皆もできるだけひとりにならないように!」
生徒らはその話を聞くと皆ははぁーいと返事をすると担任は教室を後にした。
「ん〜……授業終わったぁ……早く家帰って寝たい…」
今日一日の疲れを表すかのように欠伸をしながら下校の準備していると白鹿さんがそっと近づいてきた。
「須美さん〜!帰る前に少しいいです?お話があって…空き教室行きません?取っておきの場所知ってるんですよ!」
「いいけど…すぐに終わらせてね…眠くて…早く帰りたい。」
空き教室に移動する頃には日が沈みかけ夕日を照らす教室の中私たちはいた。
「それで……話って?わざわざこんなところにきてさ」
すると彼女は私の目の前に近づいてきて微笑んだ。
「大事なお話ですのでここに案内しました……」
そう言うと彼女はどこからか"拳銃"を取りだした。どこかの西洋劇で見た事のあるもの…"リボルバー''の見た目をした拳銃だったのだ。
「え……?」
私は咄嗟に言葉が出なかった…あまりにも非現実的なものを目の前の彼女が握っていたからだ。その様子に目をくれず彼女は話を続けた。
「私、須美さんにはきっと魔女になるための力があると思うの…そう…誰よりも強い力が…」
彼女はそう言いながらただ真っ直ぐこちらを見ていた。だがその瞳の奥には私は写っていなかった。どこか違うものを見ていて自分をまるで見ていないような感じがした。私が言葉を出さずにいると彼女は、さらに"だから……"と言葉を繋ぎ話を続けた。
「私、須美さんにはきっと魔女になるための力があると思うの。だからそのために私を殺して?」
夕暮れ時の教室の中で彼女は少女に拳銃をそっと手渡した。少女は目の前に渡されたもの、そして彼女が発した言葉の意味を理解することは出来なかった。ただ目の前には手に渡された拳銃があった。''それ''はずっしりと重く冷たく…これは玩具ではないことは少女にもわかった。
少女は手に持たされたものを投げ捨てようとしたが彼女はそうはさせず銃口をそっと自分の眉間に向け拳銃の引き金に少女の指をそっと置かせた。
「い…嫌だ…」
「それじゃ須美さんまたね…」
銃声の後に彼女が倒れてドタンッと鈍い音が教室中に響いた…彼女の後頭部から血が溢れ出しているところから少女は自分が本当に彼女を人を殺めてしまったのだと実感した…。
「な…なんでこんな…私やっと…生きる意味ができたのに…これからはどうやって生きればいいの…分からないよ…」
彼女の身体に触れると徐々に体温が下がりより一層彼女の死を実感した。ただ残ったのは頭いっぱいの疑問と手に持った冷たい拳銃だけが残っていた…。
な、なんで私はこんな事に…巻き込まれて…それになんで彼女はあんなにも笑顔で…。
「……もう…なにがなんだかわかんないよ…」
もう何もかも…どうでもいいや…この世界の何もかもどうでもいいや…あ……、
ふと少女は彼女の言っていた言葉を思い出した。
「私、須美さんにはきっと魔女になるための力が…」
私にほんとにそんな力が…力が本当にあるなら私は…こんな不幸な事……全部消し去りたい。
床に倒れもう二度と動くことも話すことも……肌の温かさが戻ることもない彼女の倒れている姿を横目に少女は夕日が差し込む空き教室でただ一人で佇んでいた。
「……ッ」
周りの悪臭に少女は我に返った…。臭いの原因はおそらく……彼女だろう…と思いつつ彼女が倒れていた場所を見下ろした。そこには彼女が変わらず倒れていた…顔にはもう生気を感じられなかった……
須美はあまりにも臭いで吐き気を感じ教室から出て廊下をおぼつかない歩みで無気力に歩き女子トイレに入った。トイレは日中のようにお喋りする人や用を足すものもいなく、静けさと夜の暗闇が包んでいた。そんな空間で電気も付けず洗面台の前で暗がりに映る自分を見てさきほどまでの出来事を思い出してしまい須美は嗚咽してしまった。
……うっ……ッ……
「…な、なんで白鹿さんが……ほんとに…これも
…」
須美は後悔と疑問を頭に抱え…ただ手に持った拳銃を見て呆けていた___
「あなた…名前は?」
「私は星泣須美。話しかけないで…誰とも話したくないの」
桜が咲き入学してきた学生を祝うように花びらが散る中彼女は私に話しかけてきた…私はそんな彼女を遠ざけるために追い払った。他人とはあまり関わりたくないからだ。大抵の人はこれでどこかへ行く…だが彼女は違った。
「そんな事言わないでよ〜…同じ学年の子でしょ?仲良くしましょ?」
「…」
ねえってば!と彼女は何度も私に声をかける。私はそれに対して何度も無言を通した。それは約1週間程続いた。私はその長さに耐えかねこちらが折れ彼女に話しかけた。
「あんた…もう話しかけないで…めんどくさい」
そう注意をすると彼女は数秒空けて口を開いた。
「だ…だってせっかく同じ学年なんだし…」
彼女はこちらを涙目で見つめながらそう話す。その言葉に少し戸惑いながら私はさらに口を開く。
「ほ、他の子と仲良くしたらいいじゃんそんなの…ほっといてよ」
「ううん、、貴方と仲良くなりたいの……」
ほんとに彼女はそんなことを本心から言っているのか…いや嘘だとしても私に対してここまで興味を持ってくれた人は生まれて初めてだ……なんだか彼女となら…仲良くしても良さそうだ…。
須美は彼女の粘り強さに惹かれているのに対して彼女はそんな感情には気づかず踵を返して立ち去ろうとする。その背中を追いかけるように無意識に須美は手を伸ばして肩を掴んでいた。
「…え?どしたんですか須美さん……」
「え、、あ、違くて…」
須美は自分がした行動に驚き、彼女も同じように驚いたのかお互い止まり時間が止まったように一瞬静けさが2人の周りを包み込んだ。その静けさから逃げるように私は颯爽と彼女の横を通り過ぎ帰路へと向かった。
「……ただいま」
放った言葉は誰も返すこともなく無気力にも家の中の暗がりと静けさの中へとただ響いていく。
別に今に始まったことではないし、私は然程気にしてはいない。私の両親はとっくの昔に何処かへと行ってしまったのだ。自然と今では悲哀の感情はなくもう寂しさはなかった。
「はぁ…」
須美は疲れていたのか溜息を深くつき二階にある自分の部屋へと重い足を進め向かう。扉を開くと質素な空間が広がる。そこには女の子らしいものがなかった。可愛らしいぬいぐるみ、カラフルな壁紙そんなものはなくただその部屋には彼女にとって必要なものだけが置かれていた。そんな部屋を見て安堵を感じたのか須美は颯爽と着替えを終えベットへと横になった。
「なんで…私あんなことを……」
須美は学校であった帰り際の出来事に改めて自分のした事への驚きとともに後悔の念を抱いていた 。その念を消し隠そうと布団に包まるがただ身体の体温が徐々に上がっていく感覚と共に意識は眠りへと向かった。
「おはようございます須美さん!」
学校へと登校していると彼女はこちらに気づき挨拶をしてきた。昨日あったことはまるでなかったように自然にこちらへと歩みこんできた。
「……おはよ」
挨拶を返すと彼女はその場で数秒止まりこちらに振り向いた。わたしが挨拶を返したことにかなり驚いたのか駆け寄り手を握ってきた。
「え、え!挨拶返してくれたの!どしたの……もしかして仲良くしたくなっちゃった?」
彼女はにやにやとご満悦な様子を隠す気もなくこちらにさらに寄ってくる。そんな彼女の様子に私は何故か不愉快な気持ちは湧いてこず、むしろあまり悪くない気分だった。
「……都合のいい頭してるんだね白鹿さん。勘違いしないでね」
そう言い捨てるとその棘のある言葉に反するように白鹿さんは目を輝かせて口を開く。
「え?!名前!覚えててくれたの!嬉しいな!なんだかもう仲良くなれた気がするよ!」
「……クラスメイトの名前くらい誰でも知ってるでしょ…へんなの。」
そうだねと頷くも白鹿さんはまだにやにやとしている…やっぱり少し不愉快かもしれない…だけどなぜか心が暖まるような…彼女となら仲良くなれると思えてしまっていた。私はそんなにやにやした彼女を置いて通学路への歩みを再開させた___
月明かりに照らされているグランドを私はいつの間にか校舎の屋上から眺めていた。まるで夢を見ていたのかと思うくらいに朦朧とした意識の中ここに来ていた。
「……」
ここに来るまでの記憶そのすべてが幻で私はほんとにここまで自分で来たのか曖昧で…心臓がバクバクと高鳴るなか反するように周囲は静まり返っており肌冷たい風が吹いている。そんななか震えながら足を進め屋上のフェンスを超える。
「……もういいや。」
今日あったことがもう何もかも忘れ去りたいけど、どうにも教室での出来事が脳みそにこびりついて離れない…今でも吐き気を催すくらいに__
「…っ」
少女はその全てを投げ出すように風に身を任せるように、足を一歩空中へと出した…はずだった…
「……え?」
須美は先程までいたフェンスの向こう側ではなくいつの間にか内側に寝そべっていたのだ。その状況に困惑していると頭上から謎の声が聞こえた…その声の方を向くとそこには随分と幼い少女がいた。白いワンピースになにか儚げな白髪の女の子がしゃがみこちらの顔色をうかがっていた。
「……大丈夫?」
「え…あ誰……」
こちらの困惑した様子に少女は気にすることなくさらに口を開いた。
「貴方は魔女に選ばれたの…ほんとにこんなところで死んじゃってもいいの?」
少女は淡々とこちらに問いをなげかけた、"魔女に選ばれた"きっと彼女が言っていたこと…さきほどあった出来事を指しているのだろう…ほんとに私は魔女の力を得たのだろうか…ほんとに私はそんな資格を持っていたのか…いや今はそんなことどうでもいいか…そうだその力があるとしたら…こんなところで死んでたまるか…
「私に…ほんとに魔女の力があるなら…この世界を見返してやりたい…」
私の言葉を聞くとうんと頷き少女は立ち上がった。そしてこちらに手を差し伸べる。
「なら私がその力の使い方を教えてあげる。そして一緒に夢を叶えよう…」
そう軽やかに笑みを浮かべながら少女は言うその笑顔は月明かりに照らされていて私にはどこか輝いて見えた。
「貴方は……なにものなの?」
「私はベネ。君の力の補助をするために生まれたんだ。」
そうベネと名乗る少女は語り軽やかに立ち上がる少し離れて月光に手をかざすように手を月に向けかざして夜空を見上げる。そのような姿に少し見惚れているとまた少女は口を開く。
「君はきっと…今、力を手に入れてきっと困惑しているよね。」
「う、うん」
「だから一緒に世界を救おうよ!」
ベネはそう言うとこちらに手を差し伸べた。その姿は月明かりに照らされて眩しく輝いていた。まるで私にとって天使のように美しく写ってみえた。
私はその手を掴み立ち上がった。周りを見渡すと世界が明るくみえた。
「……この力で私はどうすればいいの」
「魔女を全員殺せば世界が救われる。めぐみもそれを望んでいたよ。」
白鹿さんが…。なぜベネがそんなことを知っているのか、なぜ魔女を殺したら世界が救われるのか…それは曖昧なことが多くてなんにもわかんないけど、それでどうにかなるなら私はなんだってやる。
「……わかった世界を救う。私に出来るなら」
「君ならできるよ必ずね」
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