もし織田信長が「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」を徹底しすぎたら―光秀、本能寺の変を本人に事前相談する

@tyatyauran

安土城、家康饗応の席

武田家を滅ぼし、天下が見え始めた頃。

織田信長は、同盟者・徳川家康を迎える饗応役(接待係)に、明智光秀を指名した。

この時、信長は宣教師から西洋の組織論を聞き、組織管理の最新理論「報連相(ほうれんそう)」に傾倒しており、家臣にこう命じていた。


「些細な違和感も報告せよ。

独断専行は『死』である」


接待の失敗と地獄の「詰め」

光秀が用意した魚が少し匂った。

信長は見逃さず、家康の前で光秀を蹴飛ばし、

別室でロジカルな「詰め」を行う。


信長

「光秀、この『腐臭』は想定内か? 報告はあったか? 魚の鮮度管理に関するガントチャート(工程表)を見せろ」


光秀

「も、申し訳ございません! すぐに善処を……」


信長

「善処とは何だ? 定量的に答えろ。あと光秀、お前の今の『殺意』、これ報告(ホウ)が漏れているぞ。自分の心の殺意すら報告し忘れると殺される……

今、そう思ったな? その思考の漏れが命取りだ。

もうよい、お前は接待のセンスがない。今すぐ中国地方へ出陣し、秀吉の援軍に向かえ。戦場(現場)で手を動かしている方が、お前にはお似合いだ」


​光秀は、家康への接待役という「華やかなプロジェクト」から、泥臭い「最前線の現場」へと左遷されると同時に、「心の中まで監視されている」という極限状態に叩き落とされた。


深夜の「緊急狼煙(メンション)」

現場に行けば、信長の小言から解放される。光秀はそう信じていた。


しかし、現実はさらに残酷だった。信長はさらなる徹底を求め、全軍に「二十四時間即応体制」を強いたのである。


安土城から上がる狼煙に対し、各地の砦は即座に返信の狼煙を上げねばならない。


​深夜三刻

安土城から「新築する城の壁紙の色について」という、どうでもいい議題の青い狼煙が上がる。

もはや光秀にとって、戦(仕事)よりも「狼煙(レス)」の方が重要事項となっていった。


光秀「(雨で火がつかない……!)」


翌朝、信長からの猛烈な詰めが待っていた。


信長「なぜ『既読(返信の煙)』がつかない? 雨天用のバックアップ薪を備蓄していないお前の危機管理不足だ。夕刻までに『雨天着火マニュアル』を提出しろ」


​光秀の正論、秀吉の「忖度(そんたく)」

​必死に論理的に説明しようとする光秀に対し、横から羽柴秀吉が割って入る。


​光秀「上様、物理的に雨天時の着火は不可能です。こちらが集計データです」


信長「光秀、俺が聞きたいのは『できない理由』ではない。お前の資料には『愛』がない」


秀吉「上様! 狼煙がダメならと、それがし、部下三千人に松明を持たせ、雨の中に並べさせました! 外をご覧ください、雨中に燃える人影が『上様ラブ』の文字を作っております!」


信長「……これだ。秀吉、お前を執行役員に昇格させる」


​光秀の心の中で、何かが音を立てて崩れ去った。


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