デカいギャルに囲まれる日常

UMA未確認党

第1話 僕とギャル達

 放課後。

 下駄箱でしゃがんで靴を履き替えていた康太の頭上に、ふっと影が差した。


「ねぇコータくん。今日もチビで可愛いじゃん♡」


 振り向くと――彼の視線の先には“お腹”しかなかった。顔を見るには上を見上げないといけない。


 立っているのは、170cm超えのギャル三人組。


 金髪ウェーブのマイ、高身長ポニテのリナ、モデル体型の黒ギャル・サラ


 康太は150cm台前半。

 並ぶと完全に“囲まれた小動物”だった。


「お、お疲れさまです……」


 声が自然と小さくなる。


 リナが笑って康太の頭をポン、と軽く叩いた。

 彼女の手は大きくて、ちょっとした衝撃でも康太は「うわっ」と揺れる。


「コータくん軽っ! 抱っこできそうじゃない?」


「やめやめ、コータ泣いちゃうって〜」


「え、抱っことか無理だから!?」


 康太が慌てて後ずさるが――

 サラが片手でひょいっと肩を押さえた。

 力が全然違う。


「コータ、今日アニメショップ行くんでしょ?」


「えっ、あ、はい…」


「やっぱり〜。うちらも一緒に行くから、案内よろしくね」


「え!? なんで僕が……」


 マイが康太のリュックを指先でつまむ。

 彼女の指先だけで引かれ、康太の身体がちょっと引き寄せられる。


「だってコータのオタク道案内、便利なんだも〜ん。ほら、行こ行こ♪」


「ま、待って…歩幅が…!」


 リナがニヤッと笑い、康太のフードを軽くつまむ。

 そのまま引っ張られ、康太は小動物のようにズルズル前へ。


「ちょ、ちょっと! 引っ張らないでくださいっ…!」


「弱っ♡ かわい〜」


 三人の大きな笑い声が響き、康太はその中心でただ翻弄されるしかなかった。


 だけど、ギャルたちに囲まれたまま歩く帰り道は――ほんの少しだけ、いつもより楽しかった。


 三人のギャルに囲まれて歩く康太。身長差20cm以上。ただ歩いているだけなのに、まるで“巨大なお姉さんたちに連れて行かれる小動物”。


「ねぇコータくん、今日いつもより髪ふわふわじゃない?」


 金髪マイが言いながら、康太の頭に手を乗せる。


「うわ、やめっ……!」


 逃げようとすると、今度はリナが後ろから両頬をむにっとつまんだ。


「このほっぺ反則〜。あざとくない?ねぇサラこれ見て!」


「ほんとだ。コータ、今日可愛さ1.3倍くらい」


「倍とかあるんですか!? てか可愛いって言わないでください!」


 抵抗はするが、三人の手は康太の頭や頬を軽く触っていく。体格差と力量差で簡単に翻弄される康太。


「やめてって言っても止まんないとこ、なんかハムスター感あるよね〜」


「ね、ちょっと走ると絶対すぐ捕まるタイプ」


「僕はハムスターじゃありません……!」


 三人の笑い声が響き、康太はただ顔を赤くするしかなかった。

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