第4話 転落と後悔
数週間後
大学の掲示板に、退学処分の通知が貼られていた。
――塚原蓮、当大学を本日付で退学処分とする――
蓮の派手な交友関係。
複数の女性とのトラブル。
金銭の出どころを不審に思った大学側が調査に動いていた。
そして大学側が本人を呼び出し、事情聴取を行ったところ、
調査内容が真実であることが判明した。
対象となった女子学生からの証言も決定打となった。
それと同時に、大学側からの調査は家族にも通知され
彼は実家からの勘当された。
塚原蓮は、遠く離れた親戚の家に預けられ、
スマホも、車も、自由も奪われた。
夜景も、ブランドも、高級フレンチも
清原凛の世界から一瞬で消え去った。残ったものは蓮に言われて購入した
高級バッグやブランドの衣装、その代金は借金となって凛に襲い掛かった。
残された凛は、何も持っていなかった。
SNSの写真は過去の栄光に変わり、
「いいね」は急激に減っていく。
一人になって、初めて気づいた。
――あれは愛じゃなく依存だったんだ・・・
自分が何を捨て、誰を傷つけたのか。
凛は震える手で、ある名前を思い出した。
佐伯優斗。
凛はLINEを開いた。
優斗・・・私、間違ってたわ・・・助けて・・・
送信してもエラー。
はじめてブロックされていることに気付いた。
電話をしても呼び出し音すら鳴らない。
番号を変えていたようだ。
共通の友人からも「もうしばらく連絡取ってないよ。引っ越したし」
凛は、初めて本当の意味で一人になった。
夜。
凛はベンチに座り、冷たい雨に打たれていた。
かつて優斗と話した言葉を思い出す。
「俺は、お前が傷つくのを見たくない」
その言葉の意味を、理解するには遅すぎた。
優斗に連絡がつくことはなかった。
だが、優斗との思い出は心の片隅にわずかに残っていた。
蓮に支配されてからもずっと・・・
彼・佐伯優斗は前に進んでいた。
過去を切り捨てたのではない。
背負ったまま、置いてきただけだ。
凛が失ったのは、
蓮でも、贅沢でもない。
戻れる場所だった。
その場所はもはやない。
優斗を裏切った、その代償はあまりにも大きかった。
それと同時に優斗の存在が凛に、ほどよい温かさをもたらしていたことを
今になって知った。
でももう遅い。
佐伯優斗は、もういない。
どうやっても連絡したい凛は、あらゆる手段で連絡先を探していたのだが・・・
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