第3話 相棒
前回のあらすじ
ついにラーメン屋のスキルの内容がみえた麺汰。しかしながら、なけなしのスキルポイント5ポイントを道具に振ったものの、残念ながらまともな武器である包丁は手に入らなかった。そんな中、借金+生活費の支払いがある麺汰。どうにかしてお金を稼ぐ手段を得なければならない。
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「はぁ……。どうしよ……。」
救護室で一人落ち込む。自然とため息も漏れてしまう。しかしながら、明日にはここを出て、宿を見つける+仕事を見つける必要がある。
「いや!大丈夫だ!なんていったって俺のスキルは『ラーメン屋』!大繁盛すれば、異世界楽々生活からのハーレム待ったなし!!ひゃほーーーーい!!」
なんて昨日までは思っていました。
「麺汰さん!これで冒険者登録完了です!本当に無理だけはしないでくださいね!お願いしますね!」
「はい……。」
冒険者ギルドのお姉さんに念押しに忠告されながら、冒険者ギルドを後にする。
ちなみに俺は駆け出しの冒険者ランクGからのスタートだった。Fランク冒険者で初心者、Eランク冒険者で中堅、Dランク冒険者でベテラン、Cランク以上は二つ名持になるらしい。Gランクは5%程度、Fランクは15%、Eランクは30%、Dランクも30%、Cランク以上は20%程度の分布のようだ。
クエストの難易度もGはほぼ死なないレベル、Fは下手をすると死ぬ、Eは戦闘スキルがかみ合わない相手だと危険、Dは1人でこなせたらすごいレベル、C以上は特殊性が高いクエストとなっているようだ。
~ちなみになぜこんなことになっているのかというと~
今日俺は朝起きて、街中の飲食店に「料理人関係の職です」と売り込みをかけたら、なんとびっくり「ラーメン屋なんて知らないよ!」と嘘ついていると思われ全部断られました。麺汰。スキル「ラーメン屋」、無職です。
しかも驚いたのは、パン屋のおばさんはスキルが「パン屋」と「剣術」、洋食屋?のおじさんは「シェフ」と「拳闘術」をもっていた。
あれれ~おっかしいな~~。神様?スキル一つつけ忘れてますよ!!
というわけで、あら不思議。戦闘スキルないのに冒険者になったラーメン屋の出来上がり!
とりあえず依頼を見るか。
「一番簡単で、死ななそうなものは~。これか!」
カブカ虫の角の納品(G)10本につき1000円。
「は?」
カブカ虫ってあの俺が死にそうになりながら逃げたあの虫か?それを10匹倒して1000円?……は?
しかしながら借金もあり職もない麺汰には選択肢など無かった。飢え死にするか、失血死するか。
「失うものがない人間ってのは一番怖いんだぜ!来いよこの羽虫が!!!!」
麺汰:Lv5、装備品:テボ。
カブカ虫:3歳児でも倒せる(戦闘系スキルありの場合)羽虫。耐久力が紙であるため、1発当てれば倒せる。
カブカ虫の突進にテボを当てようとする。早すぎて当たらない。そうこうしている間にどんどん切り傷が増えてくる体。嫌な記憶がよみがえる。
「考えろ。俺のスキルはラーメン屋。ラーメン屋と言えばなんだ……。湯切り?いや、平ザルでもとらえるのは難しいだろう。自分からあてに行くより守って相手を倒す方がいいか。でもラーメン屋に盾なんて……。あ!そういえばあるわ。盾。」
麺汰は装備品をテボから寸胴の蓋にチェンジした。
「こいやぁぁぁぁ!1世1代の大勝負じゃあぁぁぁああ!!!」
カン!!!金属音が鳴り響く。麺汰の足元にはカブカ虫。勝ったのは麺汰であった。
「いよっしゃあああああああ!!!!寸胴の蓋ちゃん!愛してるよぉぉぉ!お前が俺の相棒だよおおおおお!!」
「ねぇねぇママ。あの人なんでカブカ虫に勝っただけであんなに喜んでるの?」
「こらこら、見ちゃいけません。ああいう人もいるのよ。」
ちょっと恥ずかしくなったが、他人の事など関係ない。おれはついにこの世界でお金を稼ぐ手段を得られたのだ!希望が見えた瞬間だった。
~クエスト終了後~
「麺汰さん。大丈夫ですか!?」
「ああ!全然大丈夫です!ちょっと転んだだけなので!」
言えない。カブカ虫に全身を切り刻まれたなんて、言えない。
「そうですか……。カブカ虫の角30本の納品ですね。初のクエスト成功おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
「確認取れましたので、こちら3000円になります。ですが麺汰さんは救護室の建て替えがあるので、ー2000円ですね。救護室の料金ですが、1日5000円ですので。」
「ええええええええええ!!!!」
初のクエストを立派な盾(寸胴の蓋)で成功させ、景気づいた麺汰。しかしながら無情にも告げられた借金の取り立て。今日泊まる場所もない。食べる物もない。
俺の異世界生活…ハードすぎない?
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