第5話 硝子の涙を凍らせて
「
ん?
「ついてますよ」
ふりむくと
「笠原さん」
「はい、笠原無我です。覚えてくださいましたか」
この女は、ボクを馬鹿にしているのか
まったくにもって
不愉快
いや
無我は虹のことは知らない
はず。
「桜蘂じゃん」
と言うと、
陶器みたいな
虹みたいな、顔を
何? みたいな
だから、
「
無我は、透けて内側の血管が見えそうな
唇を
「ふうん」と言った。
ため息のような、ふうん。
そして、
桜蘂を
人差し指と親指で
くるくると回してみる。
くるくるくるるりりるるるれる
桜蘂は
まるで生きていたころに
戻ったようだ
無我は、
「政伊さんって、面白いですね」
そう言って
あのときの
瓶詰めにした
いくつもいくつも重ねて
ボクは
悲しくなかった
ただ
ほんの少しだけ
懐かしかったの
だろうと思う。
蒸発したり
しない
よ
蜃気楼を吐く怪物 宝や。なんしい @tururun
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。蜃気楼を吐く怪物の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます