ガールズ・リミテッド~軍事施設で幼女サイボーグに魔改造された俺は、兵器学園で成り上がる~

伊賀もっこす

プロローグ

第1話:全ての始まり

 目覚めると、闇が広がってた。

 とにかく暗ぇ、暗すぎる。

 流石にこれは妙だと思って、顔のあたりにそっと触ると、何かが頭を覆ってる。

 つるっと冷たい感触はヘルメット的な物体か? 俺はそいつを放り出し、ともあれ視界を確保した。


「んぁ……ここは?」


 伸びをしながら身を起こす――そこは薄暗い部屋だった。

 雰囲気からして地下室らしい。辺りに窓は一つもなくて、壁や床やらは配線まみれ。ゴウンゴウンと唸る装置が薄闇の中でギラギラ光って、天井に伸びる配管から時々煙が漏れている。


 ……ああ、なるほど。こりゃ夢だ。


 なんでってそりゃ、こんなところにゃ来たことねぇし、来ようと思ったこともねぇ。

 一も二もなく決めつけた俺は、体から伸びる電極をぶちぶちむしると、目をこすりながら台を降りた。なんだか妙に身が軽い。シチュエーションはわからんが、どうやらここは研究所とか、そういう感じの場所らしい。


「ん、なんだ?」


 と、ふいに、ケツに違和感を覚えた俺は、そこからぶらんと伸びてるものをむんずと片手で掴み取る。

 なんじゃこりゃ? コンセント?


 よく見ると、それはかなりデカい。あきらかに、なんかこう……業務用的な雰囲気を出してるそのコードは、まるで動物の尻尾みてぇにケツから直接生えてるらしい。

 流石は夢ってとこだろう。

 近くに鏡があったから、ひんやりとした床の上を裸足でぺたぺた進んで、特に考えることもなく自分の姿を映してみる。





 全裸の幼女が立っていた。





 俺はピタリと動きを止めて、目をこする。

 ……おかしいな、錯覚か?

 試しにひらひらと手を振ってみると、幼女も同じ動きをした。幼女とはつまり、俺だった。やけにリアルなこの夢の中で俺は幼女になっていた。


「いやいやいや」


 いくらなんでもこれはねぇ。

 ツッコミどころが多すぎる。

 たとえばガキになるだけだったら百歩譲ってわからなくもねぇが、よりにもよってこの俺が……泣く子も黙る不良ワルの俺が、なぜ幼女なぞにならにゃならん?


「ざっけんなっ!」


 当然、俺は文句を言った。どうせ夢ならもっとこう、夢のある夢を見せろってんだ!


「勝手に姿を変えんじゃねぇよ! 元の姿にもどしやがれ!」


 噛み付くみてぇに吠え立てた俺は、それからも、ありとあらゆる罵倒を鏡の自分にぶつけてやった。

 だけど少しの効果もねぇ。幼女のクセにふてぇ野郎だ。

 しまいにゃ腹が立ってきて、鏡に顔を近付けた俺は、ぷにぷにとしたそいつの頬を両手でぎゅ~っとつねってやる。


「いひぇひぇひぇひぇひぇ!? いひぇえひょ、おひっ!」


 そしたらご覧の有様だ!

 ほっぺが普通に痛ぇじゃねぇか!


「うっ、ウソだろ……ありえねぇ!? 夢じゃねぇのかよ、この状況っ!?」


 甲高い声で叫んだ俺は、思わず自分を失いかけた。

 けども、すんでで踏みとどまる。

 落ち着け、俺……大丈夫だ。

 希望が消えたわけじゃねぇ。


 平坦な胸に手をやりながら、もう片方の空いた手であるモノを探す。相棒……そう相棒だ! つらい時、悲しい時、アイツは側にいてくれた。落ちこんだ時もアイツをイジれば、気分は自然と昂ぶった。


 掛替えのない友の名を小さな唇で呟きながら、俺は震える自分の利き手を股間にそっとあてがって、


「……う、そだろ?」


 だけど伸ばした指先は、虚しく空を掻いていた。

 十七年間連れ添った心の友は、変貌を遂げた俺を残して遠いどこかへ消えていた。


「ち、チンコォォォォォォォォォォ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッッッッッ!?」


 つるつるになった股間を押さえて全裸の幼女オレは絶叫する。

 ちきしょう! なんてクソな日だっ!

 ムスコが家出しちまうなんて、エクストリームすぎんぞ、オイッ!

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