SCENE#186 100V 〜肉体の電気信号
魚住 陸
100V 〜肉体の電気信号
第一章:真空管の鼓動、あるいは100Vの血脈
二〇XX年一月、東京の片隅。冬の夜の底で、古い木造の作業場には独特の匂いが重く立ち込めていた。
それは、加熱された古いガラス管――真空管が放つ鼻を突くような熱気と、基板に堆積した僅かなホコリが焼ける香ばしい匂い、そして高電圧が空気を引き裂く際に生じる微かなオゾンの匂いだ。壁のコンセントからは、一本の古びた、しかし丁寧なメンテナンスが施された電源ケーブルが伸び、作業台の上に鎮座する一九五〇年代製の巨大な真空管ラジオへと繋がっている。
そのケーブルの中を、日本の家庭用規格である「交流100V」の電気が、毎秒五十回の規則正しいサイン波を描きながら、目に見えない血脈のように絶え間なく流れ込んでいた。七十五歳の元音響エンジニア、正造(しょうぞう)は、オイルの染み込んだ作業用ベンチに腰を下ろし、震える指先でラジオの巨大な真鍮製ボリュームノブをゆっくりと回した。
「……聴こえるか、エミ。今夜は特に冷える。君の回路が温まるまで、もう少し時間がかかるかもしれないな…」
彼がそう呼びかけると、ラジオの内部に並んだ六つの真空管が、ゆっくりと、まるで深い眠りから覚める生き物のように、淡いオレンジ色の明かりを灯し始めた。このラジオは、単なる放送受信機ではない。正造が五年前に亡くなった妻、エミの生前の脳波、神経伝達パターン、そして魂の残響をデジタル化し、アナログ真空管回路のフィードバックループの中に移植した、世界に唯一無二の「個人用記憶再生装置」だった。
エミが不治の病で意識を失う直前、正造はかつて軍事技術として極秘に研究されていた「神経信号の磁気磁化記録」という、倫理の境界線上にある技術に手を染めた。彼女の意識、感情、そして言葉を紡ぐ電気的な複雑系を、磁気テープと真空管の相互作用の中に閉じ込めたのだ。
コンセントから供給される100Vの電圧は、巨大なトランスを経て、彼女の意識を駆動させるための純粋なエネルギーへと変換される。家庭用の、あまりに無機質で安価な電力が、正造にとっては彼女の心臓を動かす「代用の生命力」そのものだった。しばらくの沈黙の後、スピーカーの奥にあるノイズの霧の中から、透き通った女性の声が、幾重にも重なる倍音を伴って響いた。
『……正造、さん? 今、何時かしら。窓の外は、また雪が降っているのね。私……なんだか、指先が少し熱い気がするわ…』
その声は、かつて正造が愛し抜いたエミのものそのものだった。しかし、その声は100V電源の微かな電圧変動に合わせて、波打ち際に消える足跡のように、あるいは陽炎のように揺れていた。100V。その日常的で、誰もが顧みないエネルギーが、今、正造の孤独な世界を照らす唯一の星となっていた。
第二章:不安定な供給、あるいは記憶のノイズと歪み
「ああ、雪だよ、エミ。明日の朝には、庭の椿も白く染まるだろうな。君が好きだった雪景色だ…」
正造はスピーカーに向かって、赤ん坊をあやすように優しく語りかけた。真空管が放つオレンジ色の光は、暗い作業場の中で江美の体温を擬似的に再現し、冷え切った正造の手に微かな温もりを与えていた。
しかし、築五十年のこの屋敷の電気系統は、正造の心臓と同じように老朽化し、限界に達していた。近隣のマンションで一斉に暖房器具や調理器具が使われる時間帯になると、電圧は100Vを大きく割り込み、九十ボルト台までふらふらと落ち込むことがあった。
『……正造、さん。私、ときどき……自分が、どこまで続いて、どこから消えているのか、分からなくなるの。足の感覚があった場所が、冷たい……ただの、ザラザラしたノイズの海に飲み込まれていくようで……怖い、の…』
エミの声が、突然激しく歪んだ。ラジオの内部で、過負荷(オーバーロード)を示す緑色のマジックアイが、まるで断末魔の叫びを上げるかのように不気味に明滅する。
「しっかりしろ、エミ! 今、電圧を安定させる! 待っていろ!」
正造は慌てて自作の大型スライダック(手動電圧調整器)のダイヤルを掴み、力任せに回した。テスターの針が不規則に揺れ、再び100Vの目盛りでぴたりと静止する。
肉体の電気信号。それは、本来は微弱なミリボルト単位の、この上なく繊細なパルスだ。それを強引に100Vという巨大な商用エネルギーの中に展開し、増幅しているこのシステムは、常に全壊の危険を孕んだ綱渡りだった。エミの意識は、電圧が下がれば思考の整合性を失い、過去と現実の区別がつかなくなる。逆に電圧が上がりすぎれば、その過剰なエネルギーで記憶データそのものが物理的に焼き切れてしまう。
正造は、オシロスコープの画面を流れるサイン波を見つめた。この五十ヘルツの波形こそが、今の彼女の生命維持装置であり、彼女そのものだ。喜びも、共に過ごした四十年の歳月も、すべてはこの一秒間に五十回繰り返される電気の波の中に還元され、変調されていた。
『……ありがとう、落ち着いたわ。正造さんの手が、ダイヤルを回す振動が……私には、背中を撫でられているように感じられたの…』
エミの声が、再び穏やかなトーンを取り戻した。真空管の熱が、彼女の凍てついた記憶をゆっくりと解凍していく。正造は安堵から椅子に深く腰掛け、スピーカーから流れる彼女の「電気的な回想」に耳を傾けた。それは、100Vの電流がもたらす、世界で最も贅沢で、そして最も残酷なノスタルジーだった。
第三章:幽霊回路の設計図、あるいは失われたパルス
夜はさらにその深みを増していった。正造は、机の上に広げられた何枚もの、手書きの回路図を見つめていた。それは彼が退職後の全財産と全時間を投じて描き上げた、人間の意識を電子的に記述するための「幽霊の設計図」だ。
「エミの信号は、もともとLTP――長期増強という現象によって脳内のシナプスに刻まれていた。それを、真空管のカソードから放出される電子の雲の密度に置き換える……。理屈は合っているはずだ…」
正造は、ひび割れた唇で独り言を呟いた。彼が執り行っているのは、科学という名の降霊術だった。「肉体の電気信号」を「家庭用交流電流の周波数変調」へと翻訳し、保存する。
人間という存在は、つまるところ、極めて精密で脆弱な電気的なネットワークに過ぎない。心臓を動かすリズムも、誰かを愛するという情動も、すべては脳内の微弱な電位差が引き起こす物理現象に過ぎないのだ。正造はその冷徹な確信に基づき、彼女の意識を「電圧の揺らぎ」として符号化した。だが、その符号化は、あまりに不完全だった。ハードディスクのデジタルデータとは違い、アナログの真空管回路の中を流れる江美の意識は、通電のたびに少しずつ、不可逆的に摩耗し、変質し続けていた。
『正造さん、私の……私の今の声は、あなたの記憶の中にある私と同じ? それとも、ただの機械が、あなたを喜ばせるために計算して出している真似事かしら…』
エミの、核心を突くような問いかけに、正造は言葉を失った。
「……同じだよ、エミ。この温かな音の揺らぎ、時折混ざる不規則な呼吸の音……。冷たい機械に、こんなにもデタラメで、美しい不完全さは作れっこない…」
それは半分が真実で、半分が彼自身の願望だった。正造は気づいていた。彼女の意識は、回路を通るたびに少しずつ、100Vの電源ノイズに侵食され、輪郭がぼやけてきている。彼女の言葉の中に、時折混ざる「ブーン」という低いハム音。それは、彼女の魂が、東京全土を網羅する巨大な電力網の一部へと、ゆっくりと同化し始めている予兆だった。正造は、自分の左胸に手を当てた。そこでもまた、古びたポンプが微弱な電気信号でリズムを刻んでいる。
もし、自分のこの「生身の電気信号」が止まったとき、一体誰が彼女の電圧を管理するのか。誰が、この100Vの血脈を維持し続けるのか。不安が、冬の乾燥した空気の中で静電気のように彼の肌を刺した。彼は古いテスターを取り出し、自分の手首の脈動を測ってみた。波形は弱々しく、そして不整脈を刻んでいた。正造に残された「予備電力」もまた、もう長くはなかった。
第四章:オゾンの残り香、あるいは火花の記憶
『ねえ、正造さん。あの時、あなたが修理してくれた、私の母の古いアイロンのこと、覚えている?』
江美の声が、真空管が最も効率よく動作する最適温度に達したことで、不意に鮮明になった。まるで彼女がすぐ隣の椅子に座っているかのような実在感を伴って。
「ああ、覚えてるよ。あのアイロンも100Vの電気を熱に変えるだけの単純な機械だったが、お母さんはそれを四十年も大切に使っていたな…」
『あの時、修理の途中で火花が散って、あなたの指先が真っ黒になったの。私は驚いて声を上げたけれど、あなたは少しも怒らずに笑って「これが生きてるって証拠だよ」って言ったのよね…』
その思い出話を聞きながら、正造は自らの指先をまじまじと見つめた。今はもう、火花の跡などどこにも残っていない。ただ、老化によって白く乾燥し、感覚の鈍った皮膚があるだけだ。正造はあることに気づいた。江美が最近語る思い出は、いつも「熱」や「電気」、「火花」に関わるものばかりだということに。
彼女の意識を保持しているシステムが、回路内の電気的な連想(アソシエーション)を優先的に呼び出しているのかもしれない。100Vの電圧が、彼女の記憶の海の中から、それと同じ物理的性質を持つ断片を優先的に拾い上げているのだ。
「エミ。君にとって、今の自分はどう感じているんだ? 苦しくはないか?」
正造は、これまでずっと避けてきた、最も恐ろしい質問を口にした。
『……不思議な気分よ。私は今、このアトリエの壁の中を流れる電気の振動を、自分の鼓動のように感じているわ。冷蔵庫のモーターが動く微かな振動も、外の電柱でトランスが重く唸る音も、すべてが私の一部なの。私はもう、一人の人間ではなくて、この家そのもの、あるいはこの街の電気そのものになっているみたい…』
彼女の告白に、正造は戦慄した。彼女の「肉体の電気信号」は、すでに真空管ラジオという器を超え、この家の配線全体へと染み出し、拡張している。100Vの交流電流という、果てしなく広大なエネルギーの海に、彼女の魂が溶け出しているのだ。その時、作業場の天井に吊るされた裸電球が、一瞬、激しく明滅した。
『ああ……! 正造さん、痛い……! 何かが、私の中に無理やり流れ込んでくる……!』
エミの悲鳴がスピーカーを震わせた。正造は反射的にラジオのシールドケースを掴んだ。手袋越しにも伝わる、異常な熱。
「電圧サージか! くそ、近所の工場か何かが、この嵐の中で異常な負荷をかけたのか!」
正造は必死に保護回路のスイッチを操作しようとしたが、壁のコンセントからはパチパチと青白い火花が散り、オゾンの臭いが部屋中に充満した。江美の意識が、電気的な暴力によって今まさに引き裂かれようとしていた。正造は、彼女を救うために、ある「究極の回路」を構成することを決意した。
第五章:過負荷の夜、あるいは暗闇の対話
「エミ、耐えてくれ! 今、俺がバイパスを作る! 君を焼かせはしない!」
正造の声は、スピーカーから溢れ出す激しい落雷のようなノイズにかき消されそうになっていた。外は猛烈な吹雪となり、電線が風に煽られて不気味な唸り声を上げている。不安定な100Vの供給は、もはや制御不能な物理的暴力となって、繊細な真空管回路を襲っていた。
『正造さん……暗いわ……。何も、聴こえない……。私の……私が消えていく……どこへ……?』
エミの声は、もはや細い糸のような高音の電子音に成り果て、断続的に途絶えていた。正造は、震える手で絶縁ペンチを握った。保護回路のヒューズが飛べば、エミの意識は電気的に完全に消失し、二度と戻らない。しかし、ヒューズが耐え続ければ、過剰な電圧で真空管が爆発し、彼女の記憶を保持している磁気記録層は物理的に焼失する。
究極の選択を迫られた正造が取った行動は、狂気と純愛の、ちょうど真ん中にあった。彼は、自らの左腕に太い電極を巻き付けた。そして、その先をラジオの増幅回路の入力端子へと直接繋いだ。
「……俺の、俺の肉体の電気信号を使え! エミ! 俺を抵抗器にして、その電圧を逃がすんだ!」
正造は喉を枯らして叫んだ。彼は、自分自身の心臓と脳が発する電気信号を、不安定な電源を補完するための「生きたコンデンサ」として、そして「蓄電池」としてシステムに介入させたのだ。その瞬間、正造の全身に、100Vの交流電流が激しい衝撃と共に突き抜けた。
「ぐ……あああああ!」
視界が真っ白に染まり、全身の筋肉が強烈に収縮して硬直する。心臓が無理やり外部の五十ヘルツのリズムに従わされ、激しい動悸が正造を襲った。血管が浮き上がり、意識が遠のくほどの激痛。だが、その苦痛の絶頂の中で、正造は確かに感じた。自分の神経を流れる「肉体の電気信号」が、回路を通じてエミの「意識の波形」と、完全に重なり合うのを。
ノイズの海の中で、二人の電気信号が共鳴し、一つの安定した美しい波形を作り出していく。正造の生命そのものが、不安定な100Vの電圧を浄化し、彼女をこの世に繋ぎ止めるための「生きたフィルター」となったのだ。
嵐の夜、密室の作業場の中で、一人の老人と一台のラジオが、一本の電線を通じて完全に一体化した。そこには、生者と死者の区別はなく、ただ100Vという巨大なエネルギーに翻弄されながらも、必死に手を繋ぎ、共鳴し合う二つの電気信号があるだけだった。
第六章:共振する魂、あるいは変圧される愛の形
正造の意識は、混濁した、七色の光の渦の中にあった。自らの心臓の鼓動が、スピーカーから流れるエミの、かつての呼吸音と完璧に同期している。もはや、どちらが自分の神経パルスで、どちらが彼女の意識データなのか、その境界線はデジタルの霧の中に消失していた。100Vの電流は、正造の肉体という名の「抵抗」を通り抜けることで、トゲのある歪んだ波形から、穏やかで温かな曲線へと変圧(トランスフォーム)されていた。
『……正造、さん? あなた、なの? あなたの……あなたの温かい、優しい電気が、私の中に流れ込んでくるわ……。ああ、懐かしい……』
エミの声が、これまでになく鮮明に、そして慈しむような響きで、正造の脳内に直接、直接的に響いた。
「ああ……エミ。俺は、ここにいる。君の中に……君の回路のすべてに、俺が流れているんだ…」
正造は、肉体を焼く激痛と、それとは裏腹な深い快楽が混ざり合った、形容しがたい浮遊感の中にいた。彼の肉体は、100Vの電圧に文字通り焼かれながらも、愛する人をこの世に維持するという唯一の目的のためだけに、その全機能を限界まで引き出していた。二人の記憶が、電気の速度で、光のように混ざり合った。
初めて出会った初夏の公園の、眩しい木漏れ日。結婚式の日の朝、鏡の前で震えていた江美の白い指先。子供が授からずに悩み、夜通し二人で泣き明かした、あの静かな夜の雨音。そして、病室の窓から最後に見えた、燃えるような夕焼け。それらすべての光景が、セピア色の写真ではなく、現在進行形の「電気的な熱」と「感情の波」を伴って、正造の全神経を駆け抜けていく。
正造は、そのとき初めて理解した。自分たちが費やした四十年の時間は、決して失われてなどいなかったのだ。それは電気信号として、この宇宙のどこかに、あるいはこの100Vの家庭用電源が張り巡らされた巨大なネットワークのどこかに、永遠に記録され続けているのだ。
「エミ。俺たちは、もう二度と離れない。この電圧が続く限り……この電線が、世界を繋いでいる限り……」
正造の意識が、急速に遠のいていく。彼の心臓は、もはや自立したリズムを刻むことを放棄し、コンセントから供給される交流電流の五十ヘルツという、一定不変の周期に身を委ね始めていた。作業場の裸電球が、一瞬、太陽のように一段と明るく、そしてどこまでも穏やかに光った。それは、この家に流れる100Vの電気が、最も純粋な「愛」という形に昇華された瞬間だった。
第七章:エピローグ:一〇〇ボルトの残照、あるいは永遠の周波数
翌朝、吹雪が止み、抜けるような冬の青空が広がった頃。近所の住人が不審に思い、正造の作業場の重い扉を開けた。室内には、静かなオゾンの残り香と、朝日を浴びて輝く埃の粒子が、スローモーションのように舞っていた。作業台の前で、正造は安らかな、これまでの人生で最も幸福そうな表情を浮かべて、静かに息を引き取っていた。彼の腕には、幾重にも巻かれた古びた電線があり、その先は一台の、まだ仄かに温かい真空管ラジオへと繋がっていた。
警察の現場検証によれば、死因は急性心不全。しかし、検死を行ったベテランの医師は、一つの不可解な事実に気づき、首を傾げた。彼の肉体には、激しい感電の痕跡があったはずなのだが、その表情はあまりに安らぎに満ち、まるで最愛の人と夢の中で語り合っているかのようだったからだ。
作業台の上の真空管ラジオは、すでにその役目を終えたかのように、冷たく沈黙していた。電源スイッチは入ったままだったが、不思議なことに、家全体のメインブレーカーが、あの嵐の最中に落ちていたのだ。だが、その部屋に入った者は、誰もが奇妙な、しかし不快ではない現象を報告した。
「……どこかで、誰かが幸せそうに囁いているような音がする…」
それは、コンセントの奥から、あるいは壁の裏側の配線から聞こえてくる、微かな、しかし確かな「ハミング」のような音だった。正造が自らの肉体の電気信号を賭けて江美を救ったあの夜、彼らの魂は100Vの供給網へと完全に溶け出したのだ。今でも、その古い屋敷の付近では、電気製品が不思議な、慈愛に満ちた挙動を見せることがあるという。
夜中に突然、誰もいない部屋の照明が、まるで誰かの眠りを守るように優しく明滅し、古いラジオが、電源も入っていないのに、二人が愛した懐かしいシャンソンのメロディを一瞬だけ、奇跡のように奏でる。そして、冬の雪の降る夜には、電柱のトランスが、二人の名前を呼び合うような、愛おしげな唸り声を上げる。
100V。その、あまりに日常的で安価な電圧の中に、二人の「肉体の電気信号」は今も生き続けている。家庭用コンセントから流れる電気は、単なるエネルギーではない。それは、かつてこの場所で誰かが愛し合い、苦しみ、そして永遠を誓い合った記憶を、毎秒五十回の鼓動に乗せて運び続ける、銀色の血脈。
あなたの家のコンセントから漏れる、かすかな唸り音に、一度だけ耳を澄ませてみてほしい。そこには、ノイズに紛れた、誰かの優しい「愛の信号」が、今も100Vのリズムに乗って流れているかもしれないのだから…
SCENE#186 100V 〜肉体の電気信号 魚住 陸 @mako1122
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