第5話 皇帝陛下

何回目になるのかもわからない謁見の間での称賛。


そもそもこれは国のために命を賭して活躍したものや大きな国益をもたらしたものに対する勲章と褒美を与えるものだ。


そのため謁見の間には上位貴族や宰相や筆頭騎士などの偉い人たちもいる。


まぁ正直俺は勲章は貰いすぎて要らないしお金や財宝も生きていくには困らない量ある。


だから毎回褒美は特に何も求めていない。お金はあるだけいいと思うかもしれないが昔長年貯金していた硬貨が国の崩壊とともにつかえなくなってショックを受けてからあまり貯金はしていない。


「フェニックス様がお入りになられます」


豪華絢爛なドアが開かれまっすぐ玉座へと続くカーペットを歩いていく。


「いつ見ても美しいわ」


「フェニックス様がいれば1000年帝国になることも夢ではないな」


「大陸級の魔物を一人で、流石生ける伝説」


「魔人どもが永炎と名付ずけるのも頷ける」


謁見の間までも耳が良すぎるせいかヒソヒソ話でも耳に入ってくるな。


「よく来た、フェニックスよ。そなたには感謝してもしきれんな」


「いえ、私は帝の務めを果たしているまでです」


「この国の最大の実績とは先々代皇帝がそなたをわが帝国に引き入れるのに成功したことだろう」


「滅相もございません」


いつまで経ってもこの口調には慣れない普段から厳格な雰囲気で話すようにはしているが目上に対してはかなりボロがでる。


「さて、褒美の話しじゃが此度は何を望む。そろそろ何か受け取ってくれるとたすかるのじゃがな」


「今回は物というよりもお願いがございます」


「おぉ、ついにか。そなたの願いだどのようなものでも死力をつくそう。して何を望む」


「あの戦いからすでに4年が経過し世界はようやく少しずつですがそれぞれが自力で歩いていくことができるようになりました」


「んん?」


「それでこれを気に帝の位から身を引こうかと」


「な?!」


これからは後継を育てることに専念したいと言い出そうとした所で周りが急に騒がしくなった。



「フェニックス様が帝をやめられる?」


「我々はなにかとんでもないことをしてしまったのか?」


「あの御方がいなくなれば帝国だけではなく大陸全土、いや世界全土の均衡が崩れるぞ」


「何としても思いとどまっていただかなければ」


「帝国もここまでかもしれん」


「これを聞けば拝火教の者共が反乱しかねん」


「拝火教だけではない、フェニックス様を引き入れようと多くの勢力が動き始めるぞ」


「ついに再び動乱の時代に突入するのか」


何か皆がすごいことを言い始めたぞ。いや、帝を辞めるだけで別に帝国にはいるから。何かすごい魔物とか来たらちゃんと倒すから。


「待っ待ってくれフェニックス。わしらがなにかしてしまったのか?それならば謝る。わしに頭を下げてほしいのならそなたが満足するまで下げようそれでも満足しないのであればわしは打首でもいいだからどうか思い直してくれ」


皇帝がそんな簡単に頭下げるとか打首とかいったらだめだろ。


「違います陛下、今すぐに帝から身を引くというわけではありません。ただ後継の育成をするために緊急の用事以外の対処をほかの帝に任せておきたいのです」


「そうなのか、わしはてっきり帝国に失望してこの国から去ってしまうのかと」


「違います」


「安心したわい。いや、少々取り乱したすまんな。皆のものも沈まれ、勘違いじゃ」


皇帝陛下の一声で途端にしずかになる


「しかし、そなたにはたしか後継などいなかったはずでは?」


「はい、なのでこれからはファザール国立学園の教師に就任し国の未来を担うものを育成しようかと」


「おぬしの願いなら断るはずもあるまい、いいであろう。では緊急時には使者をだす。その時は応じてくれるので良いな?」


「はい、緊急時は帝国のために馳せ参じましょう」


「うむ、それにしてもあのフェニックスが国立学園の教師か、帝国の未来もあかるいのぅ」


さっさと後継を育てて引退しよ

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