俺のスキル欄が全部「知らん」なんだが、世界は今日も俺を最強扱いする
@naga51552
第1話 転生? 知らん
気がついたら、白かった。
とにかく白い。床も白、壁も白、天井はたぶんある。
「ここは……どこだ?」
「知らん」
即答だった。
声の方を見ると、そこには神っぽい何かがいた。 光っている。浮いている。威厳がありそうで、なさそうでもある。
「え、神様ですか?」
「たぶん」
「たぶん!?」
「細かいことは気にするな。君は死んだ」
「どうして?」
「知らん」
もう少し申し訳なさそうにしてほしかったが、神は一切の感情を持ち合わせていなかった。
「じゃあ……転生、ですか?」
「んー、そうかもしれん。詳しくは知らん」
「異世界?」
「そういう世界もあるらしいが知らん」
「どんな世界なんです?」
「知らん」
会話が成立しているようで、致命的に成立していない。
「スキルとかもらえるんですよね?」
「あるぞ」
「それは知ってるんだ」
神は何もない空間を指差した。 すると、俺の目の前に半透明のウィンドウが表示される。
――ステータス――
名前:俺
職業:知らん
剣術:知らん
魔法:知らん
耐久力:知らん
特殊能力:知らん
「全部『知らん』なんですが」
「そうだな」
「バグですか?」
「知らん」
「修正できます?」
「知らん」
「使えるんですか?」
「知らん」
神は胸を張った。なぜ誇らしげなのかも知らん。
「大丈夫だ。異世界はノリでなんとかなる」
「不安しかないんですが」
「その不安も、知らんうちにどうにかなる」
次の瞬間、足元の白が抜けた。
「ちょっ――!」
「行ってこい」
「どこへ!?」
「知らん」
落下しながら最後に見えたのは、 親指を立てる神と、 新しく表示された一行だった。
【スキル説明:知らん】
こうして俺は、 何一つ分からないまま、 異世界に放り込まれた。
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