エッセイ③:鬱状態になった私がまた塾講師になった話

 適応障害で新卒カードを半月で捨て

 社会復帰のためのバイトで鬱状態になった私



 ようやく確信しました。



「もう、私は『普通の人間』になどなれはしないのだ」と。



 2024年2月。

 私は子供部屋で再び小説を書いていました。


「生きづらさ」をテーマにした、私にしては重い小説でした。


 それは私の代弁か。それとも救いがある話に生きづらさを乗せたかっただけか。




 ……びっくりするくらい不評でした。そりゃそう。基本頭空っぽで読めるハッピー百合書いてる私が急に「生きづらさ」をテーマにした「人生ドラマ百合」を書いてるんですから。温度差で風邪引きますわな。


 そもそも天才でもない病んでる人間が書いたエンタメが面白いはずがないんですよ。当時の読者さま、まだいるか分かりませんがここで謝罪します。重苦しいものをお見せしてしまいました、申し訳ありません。



 読まれないので、小説が楽しくない。


 2020年2月、コロナ禍から始まったほぼ毎日執筆の筆が



 ポキッ



 まるで私の心の写し鏡のように、綺麗に折れました。



『普通の人間』にはもうなれない

 小説だって書けやしない



 そんな私が行き着いた考えは、「人間のクズはクズらしく、パチンコでもやろうや」


 でした。

 今思うとテメェ頭にパチンコ球でも詰まってんのか? と胸ぐらを掴みたいですが、あいにく我が胸部はパチンコ球くらいの薄さなので色気がありません。やかましいわ。



 そこからはパチンコにどっぷりハマりました。(花粉の原因)薬局のお給料のほとんどをパチンコに使いました。


 緋○のア○アがねぇ、原作から好きだったんですわ。

 その台があると知って、ずっっと打ってました。


 なぜか運だけは無駄にいい私。


 現在ほぼほぼ足を洗ったパチンコですが、実は生涯収支はプラスなんですね。財布に風穴開けるどころかパチ屋の財布に風穴開けちゃいました。

 すみません自慢じゃないですエッセイだから事実を書かないとダメなんです許してくださいパチンカス諸君さま!



 鬱ニートのくせに無駄に金がありました。そんな時、あるアニメに出会います。



「夜のクラゲは泳げない」



 みなさまご存知ですか? 2024年4月から放送されたアニメで、

「挫折した過去を持つ4人の少女が匿名音楽アーティストJELEEとして活動する中で、自分たちの過去や悩みを乗り越えていく」

 当時の私には眩しすぎるアニメでした。


 でも、羽虫が光に集まるのは必然です。


 私は「ヨルクラ」という光に集まった羽虫でした。


 描けもしない絵を4時間以上費やして、ファンアート企画に参加したりもしました。深夜アニメ歴12年ほど。人生で1番夢中になったアニメといえます。



「神奈川県川崎市でイベントをやります」



 ヨルクラ公式からのアナウンス。

 私は人生で初めて、アニメイベントに参加したいと思いました。


 私は元来、出不精です。生まれ育った愛知県から出ることは滅多になく、旅行も嫌いな人間です。


 そんな人間が、初めて渇望したイベント。


 これに参加すれば、私の人生は変わるかもしれない。


 パチンコで勝った約6万円を握り締め、7月、私はイベントに申し込みました。後日、イベント当選のお知らせが届きました。



 時をほぼ同じくして2024年8月。


 母からこんなことを言われました。


「同僚の息子さんが勉強で悩んでるみたいで、もし大丈夫そうなら少し見てあげてくれない?」


 悩みました。私はもう普通の人間じゃない。普通に働けるわけがない。


 でも、私は元塾の教室長です。新卒カードを塾に使うほど、子どもが、塾が、大好きでした。


「まぁZOOMを使ったオンライン形式で、1時間だけなら……」


 というわけで、塾講師に1時間だけ復帰することになりました。


 ちょっと様子を見てみるとあらびっくり。



 わーお。本当に勉強から逃げ続けていたんだね。


 5分で分かりました。話を聞くと毎日元気に学校に行ってるのに通知表は「1」だそうです。不登校の子でも1です。つまり勉学面においては、不登校の子と同じと判断されているレベル、ということです。


 このままだと、


(この子が来年受験できるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリだった!)


 になるのは明白でした。


 その子のお母様とお話しすると、普通の塾に入れたことはあるけど学生バイトの質が悪くて、何も身につかない、そもそも勉強に気持ちが向かないそうです。


 このエッセイは塾講師とはを語る場ではないので、そこはスルーします。



「だから教室長経験のある三色ライトさんが見てくれるとありがたいです」


 そう言われて、「正気か?」と思いました。


 母は私の状態をほとんどお母様にお伝えしているはずです。

 教室長とはいえ半月だよ? そりゃ研修は大学4年生時に1年間やったけども、現場は半月だよ? あと鬱だよ?


 なるほど、金がないんだな。だから無料の私に頼んだんだ。はっはーん。真実はいつも一つ!


「もちろん月謝も払いますので提示してください」


 えー……?


 何起き?(突然のギャルマインド)



 後から聞いた話ですが、息子さんが「けっこう分かりやすかった! 普通に話が楽しかった!」と興奮気味に話してくれたそうです。あとオンラインなのも良かったそうです。


 とりあえず相場より安い料金表を作り、母伝に渡しました。相場より安いと言っても塾の月謝って高いですから、1万円強安くしても私の手取りは愛知県の最低時給を余裕で上回りました。


 だから断られるかな〜と思いましたが、その日のうちに「お願いします」と。うそーん。



 というわけで現役復帰しました。気持ちは元オランダ代表アリエン・ロッベンです。(アリエン=あり得ないと現役復帰をかけた高度なネタ)


 週2回、数学と英語。テスト前になるとテスト対策でもりもり授業!


 オンラインなのもあり、また個人契約なのもあり、他の先生の顔色を伺う必要もなく、めっちゃ気楽でした。


 息子さんも素直で可愛げのある子で、本当に勉強が苦手なだけの天使でした。いい子に恵まれましたわ。本人には……卒塾するときに言おうかな(あと半月で受験本番です。頑張れ)


 そして2024年10月、ついにヨルクラのイベントです。


 ガッチガチに緊張しながら人生初のペンライトを握り締め、イベントの幕が開きました。


 ……人生が変わりました。


 ヨルクラのストーリーすべてが、過去との向き合い方に自分なりの結論を出そうと背中を押してくれるようで。



『普通の人間』にはもうなれない。


 じゃあそれでいいじゃないか。


 私には塾講師の経験がある。


 オンライン講師の経験も得た。


 いったんお前は、それで生きていけ。


 後のことを考えると、どうせお前は病む。


 いま稼ぐ術があるなら、それに乗っかっておけ。



 2024年11月。

 久しぶりに小説の連載を始めました。ずっと別のサイトに投稿していましたが、心機一転。カクヨムに進出し、


『百合ゲーの悪役魔女に転生した私もハーレム作っていいですか?』


 を投稿。「カクヨムは読まれない」と聞いていましたが、案外多くの方が読んでくださりました。




 2025年8月。


 私は某大手家庭教師のオンライン講師に登録しました。


 すぐに案件を紹介され、オンラインで家庭教師業を開始。



 そして同月、『新人vtuberですが同期がメロすぎて困ってます』の投稿を開始。


 今では1000名を超える方にブックマークしていただき、12万pvを記録。

 リワードでチーズケーキを買えました(本当にありがとうございます)




 そして現在。


 バイトとは思えないほど高い時給をいただきながら、母の同僚の息子さん含めた3人の受験生をオンラインで指導しています。最終局面です。マジで頑張れ! 

 先生、12月30日まで働いて1月3日から仕事始めだけど頑張れ! 




 新卒で塾の教室長に就職し、半月で適応障害になって新卒カードを失った人間は、


 半年後にバイトを始め、『普通の人間』になれないことに絶望し鬱になり、


 しかし『普通の人間』になれないのなら、『普通じゃない生き方』でいいじゃないかと仮の答えを得ながら。


 私は今日も、細々と子どもに授業をしている。


 最近はまぁまぁえっちな百合小説を書いていることを、彼らには内緒にしながら。



 ◆あとがき◆


 ご読了ありがとうございました。

 作者の三色ライトと申します。


 今ではカクヨムコン受賞を夢見ながら、まぁまぁえっちな百合小説を書いています。


 本来の私は頭空っぽで読める楽しい百合作品を書いている人間です。


【元聖女が魔族の女の子を拾って楽園を作る話】https://kakuyomu.jp/works/822139840504483400


 ぜひ、こちらもお読みいただけると嬉しいです。 


 それでは、エッセイ④が出ない日を願って。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【全3話】新卒で塾の教室長になり、適応障害で新卒カードを捨て・鬱に悩み、人生が狂った2年半 三色ライト @kuu3forget

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画