「碧の誓約 ―双弓の守護者―」

サイラス・バン・ダイン

第1章 交錯する二人のGIFTY

第1話 序章:海は無辺の空を拒み、空は深甚なる海を望む

先進国一国の経済規模をも遥かに凌駕する巨大企業合議体、「3プラス5」。


構成する経営者たちは、驚くほど若い気鋭の富豪たちだ。


彼らは「秩序ある世界平和」という理念の尊重を条件に資金を提供するのみである。


現場への介入は一切行わないのだ。


合理的で、クリーン、そして何よりも現場の判断を尊重する。


――そんな「理想の指導者像」を体現する存在は、世界に新たな秩序を提示した。


Vanguard Strategic Defense (VSD)。


彼らが、秘密裏に設立した国際警備企業である。


VSDは、その豊富な資金力と求心力で、民間軍事会社の枠を遥かに超える圧倒的な技術力と軍事力を手に入れた。


同組織と契約した国家は、核兵器を含むいかなる侵略行為・越権的軍事介入からも、完全な防衛を保障される。


だが、その代償は小さくない。 契約国は、国内治安組織を除くすべての武力を放棄しなければならないのだ。


各国から選び抜かれた英才たちが集う、VSD幹部士官学校Vanguard Strategic Academy


その最終学年に、ひときわ異彩を放つ二人の学生がいた。 レイと、リリア。


卒業を目前に控えた彼らを待つのは、全卒業生参加の総括大演習Vanguard Zenith Protocol


スーパーコンピューター上に構築された仮想戦場において、二人は全軍を統括する統合戦略指令官――ゼネラル・コマンダーとして、互いに刃を向けることになる。

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