第3話 探さないと

「ご苦労様です。ねえあまり男性いないよね…」


 制服を着て手袋をしている荷物検査の若い男性警備員さんに声をかけました。


「少ないです」

 僕のうちわの入っているバッグに手を優しく入れながら彼は言いました。

「そうだよね…」


「これは大丈夫です、こちらもいいですか…」

 僕の個人のナップザックにも同じように手を入れて調べています。


 かがんだ彼はそこから少し僕を見上げ

「男性のトイレが少ないですからね…探さないとないです」

 貴重な情報を教えてくれました。


「そうなの…? 」


「この女性の数ですから、普段の男性用トイレも女性に開放しています」


「え…? 」


「まず入場したら…トイレの位置確認です、というかすまされたほうがいいです」


「あ…ありがとう…」


「どうぞ、完了です。そこでQRコードかざしてチケットを受け取ってください」

 

「そうなの…トイレないの…? 」

 僕は娘に問いました。

「そうだよ…それでもすっごいよ…」


「どうゆうこと…」

「入ればわかるよ」


 スクリーンショットはだめ、ファンクラブ会員のログインからQRコードを表示しそれをスキャナーに通します。


 2枚チケットが…

「どうぞ、中に入りましたら階段で上の階にあがってください」

 チラッと席番を見たスタッフさんがそう言ってくれました。

「ありがとうございます…」

 慣れていないのです、僕は。

 なにしろ初めてなのです。

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