れでぃ・冥土はくたばらない

入間しゅか

序章

私の上に馬乗りで跨ったみちちゃんが、大きく拳を振り上げて、私の顔面に振り下ろした。ああ、気が狂いそうだ。容赦のない暴力が私を優しく包み込む。私は叫ぶ。

「殺して。一気に殺して」

 みちちゃんはもう一度、拳を振り上げた。けれど、待っていた一撃は来なかった。拳を振り上げたままみちちゃんは泣いていた。

「殺さない。あんたなんか殺してあげない。こんなところで、れでぃ・冥土を死なせたりしない。あんたはどうあがいても生きるの」みちちゃんの涙が私の頬に落ちた。涙は頬を伝って口の中へ。血と涙の味は同じだと思った。

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