第15話 伝説の余韻


異界王を倒し、天空都市層の核心に静寂が訪れた。

霧と光が混ざった空間に、

秋山次郎とリラ・ヴェルデは立ち尽くす。

戦いの傷跡が空間の随所に残っていた。


「ついに…終わったのね」

リラは深呼吸し、魔力を落ち着ける。

「ああ、長かったが、これで天空都市層も安息を取り戻す」

秋山は剣を鞘に納め、剣士としての誇りを胸にする。


天空都市層の中心には、かつて異界王の魔力で封印された遺物が

静かに光を放っていた。

「この力…どうする?」

リラが慎重に尋ねる。


秋山は遺物をじっと見つめる。

「悪用される前に封印するべきだな」

戦いで得た経験と知識をもとに、

遺物の封印魔法を解析し、安全な方法を選ぶ。


二人は協力して、遺物を再び封印する作業に取り掛かる。

秋山は身体強化で体力と集中力を高め、

剣技と魔力の融合で封印を支える。

リラは魔力を最大限に引き出し、

封印魔法を正確に制御する。


作業は時間を要したが、

二人の連携で徐々に封印は完成に近づく。

「これで安全だな」

秋山が言うと、リラも満足そうに頷く。


封印が完了した瞬間、天空都市層の霧がゆっくりと晴れ、

光だけが都市を包む。

静寂の中、微かな風が吹き抜け、

戦いの余韻を優しく伝えていた。


「戦いの痕跡は消えないけど…」

リラが微笑み、秋山を見つめる。

「それでも、俺たちは前に進める」

秋山は力強く答え、二人の視線は未来を見据える。


天空都市層の住人たちも徐々に戻り始め、

平穏を取り戻しつつあった。

秋山とリラの伝説は、都市の民たちの間で語り継がれるだろう。

「私たち…本当に伝説になったのね」

リラの言葉に、秋山は微笑んで答える。


「そうだ。これからも冒険は続くが、

少なくともこの層の伝説は、俺たちのものだ」

二人は互いに信頼を再確認し、

肩を並べて都市の光の中を歩き出す。


天空都市層の核心での戦いは、

終わったかに見えたが、

新たな冒険の予感を残していた。

未知の遺跡、秘められた魔力、異界の謎…


秋山次郎とリラ・ヴェルデは、

剣と魔力を武器に、未来へと歩き出す。

伝説は終わらず、

新たな章へと静かに幕を開けるのだった。


霧が消え、光だけが残る天空都市層で、

二人の影は長く伸び、

冒険者としての誇りと希望を映していた。


-完-

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おっさん剣士、異界覇道編 塩塚 和人 @shiotsuka_kazuto123

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