第3話 隣町ノルデン


翌朝。


ロックは、

町を出た。


朝露に濡れた

街道を、

一人歩く。


ノルデンは、

石造りの町だった。


荒く、

実用本位。


冒険者の出入りで

成り立つ町。


ギルドの建物は、

ひときわ大きい。


扉を開けると、

酒と汗、

鉄の匂い。


「登録ですか?」


受付の女性は、

淡々としていた。


「……はい。

 ソロで」


一瞬、

視線が

止まる。


「名前と

 職種を」


「ロック。

 古代魔法士です」


ペンが止まり、

女性は顔を上げた。


「……珍しいですね」


それだけだった。


問い詰められない。

疑われない。


それが、

救いだった。


登録は、

すぐに終わった。


ロックは、

正式な冒険者となった。


一人きりの。

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