宿屋にて

「すみません。今日泊まりたいのですがお部屋は空いていますか?」


 真衣が丁寧に宿屋の受付の方に尋ねた。


「いらっしゃいませ。はい。お部屋は空いています。お二人で泊まられるんですか?」


「はい。二人です。ただお部屋は一部屋で二人で泊まりたいのですが大丈夫ですか?」


 真衣がそう言うと受付の方は少し笑顔になりながら答えた。


「もちろん大丈夫ですよ。仲良しですね。お部屋に案内しますので少々お待ちください」


 そう言うと受付の方が奥の人に受付の仕事を頼んで俺たちを案内してくれた。


「この町は最近魔物も多くて旅のお方もほとんど来ることが無くなってしまって宿屋も空室ばかりなんですよ。本当に魔物には困ったものです。ここがお客様のお部屋です。ごゆっくりしていってください」


 二階建ての宿屋の二階の部屋に着くまでの間に受付の方が今の町の状況を話してくれた。そして部屋に着くとそこにはベッドも二つあり綺麗に整った部屋があった。


「ありがとうございます」


 俺と真衣は同時にお礼を言い頭を下げた。


「綺麗なお部屋だね。でもこんな素敵な宿屋なのに人が来ないなんてもったいないね。私たちでこの近くの魔物をどうにか出来ないかな?」


 真衣は部屋の中を歩きながら俺に聞いてきた。でも確かに真衣の言うようにこんなに綺麗な部屋がある宿屋があるのにもったいないとは俺も思った。


「そうだね。明日この近くの魔物について受付で聞いてどうにかしてあげたいね」


 俺も真衣の意見には同感だった。町の人が困ってるのもどうにかしてあげたいと思った。


「とりあえずは疲れを取るためにもこの部屋でゆっくりしよう。お互いにお城行ったり魔物に襲われたりで色々あったし」


 俺がそう言うと部屋をグルグル見て回ってた真衣が床にある小さなテーブルの前に座った。そのにはお菓子が置いてあって床に座布団が敷いてあった。


「うん。そうだね。お互いに今日の疲れとるためにもゆっくりしよ。たっくんは魔物との戦いもあって疲れてるだろうし」


 真衣は床に敷いてあった座布団をポンポンと叩いて横に座るように促した。


「そうだね。俺もゆっくりするね。でも二人で同じ部屋に泊まれてありがたいよね。昔一緒にお出かけして一緒にホテル泊まった時のこと思い出すね」


 俺が昔のことを思い出しながら呟くと真衣もうんうんと頷きながら真衣も思い出しているようだった。


「懐かしいね。昔は良く一緒に遠出してホテル一緒に行ったりしてたね。今でも私の良い思い出だよ。だからこそこんな風に昔みたいにお泊まり出来るのいいよね」


 俺と真衣はお互いに昔のお出かけをしてた頃の事を思い出して懐かしんでいた。

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