S1第一章 4話 「はじめまして!」
純貴家「いただきます!」
今日の晩ご飯は、俺とお兄ちゃんとお父さんが好きな「お母さんの手作りピザ」だ
種類は、シーフード、肉、野菜、チーズの4種類がある
今日はお父さんが好きな野菜のトッピングだ
ちなみに、俺はチーズ、お兄ちゃんはシーフード、お母さんは肉が好きだ
純貴父「久しぶりのお母さんのピザ、美味しいな!」
純貴母「今日久しぶりに定時に帰れたんでしょ」
純貴父「うん、やっと一段落してさ、しばらくは定時に帰れそうだよ」
正貴(純貴兄)「しばらくは野菜ピザ生活かー」
純貴母「毎日作れないわよ(笑)」
「具無しなら毎日作れるけど」
伯井家「アッハッハ!!!」
お父さんは広告代理店の営業責任者だ
忙しい時と定時で帰れる時の波が大きい
今は安定している時期だ
純貴父「正貴は最近どう?営業の方は」
正貴「上手くいってるよ、最初は大変だったけど!」
「でもお父さんの大変さが、少しわかった気がする」
純貴父「急にどうしたんだよ!ちょっと恥ずかしいな(笑)」
正貴「でも、満更でもないんでしょ(笑)」
純貴父「そうだな(笑)」
伯井家「アッハハハ!!(笑)」
お兄ちゃんは、お父さんと違う広告代理店の営業マンだ。
今は一人暮らししていて、忙しくない時にはこうして帰ってくる。
お兄ちゃんは24歳で、俺は16歳だから、8歳差だ。
純貴母「純貴は?最近、学校とか事務所の人とは仲良くしてる?」
純貴「学校は友達と一緒にいて毎日楽しいよ!」
「事務所の人とは…、最近、巧さんと一緒にいるな〜」
正貴「ずっと、同じこと言うじゃん!」
「カッコいい先輩がいるって!」
純貴父「え?初めて聞いた」
純貴母「そうなの?」
正貴「2人共、知らなかったの?」
純貴「え?そうだったけ?」
「言ってたと思うけど」
純貴母「お父さんは仕事が忙しいから、まだ分かるけど」
「私、専業主婦だし、ずっと家にいるから聞いてないってことはないと思うけど」
「あまりお酒飲まないし、酔っ払って忘れたってこともないし…」
純貴父「もしかして、正貴だけに言ってたんじゃない?」
純貴「いやいや!ちゃんと家族で揃っている時に言ったよ!」
「最近2人共、物忘れ酷いよね〜」
純貴母「確かに、最近物忘れ激しいのよね」
純貴父「俺らも、もう年か」
純貴母「最近は、やりたい事があるのに、数歩歩いただけで、何をしたいか忘れちゃう」
純貴父「俺も、部下と会話してて、内容覚えても数秒後に忘れてしまうんだ」
「今だって、息子の先輩の話も覚えてないなかったし」
純貴「大丈夫だよ!俺だって忘れるし」
正貴「人間は、忘れるのが宿命の生き物なんで…!」
俺とお父さんとお母さんは大爆笑した
お母さんが作る美味しい料理を食べて、笑う。
これが伯井家の日常だが、やっぱり家族全員揃って、食べて笑うのは幸せだ。
純貴母「2人とも、ありがとう」
純貴父「本当に、良い息子をもったよ!俺たちは」
純貴母「ふふっ、そうね」
この頃には、食卓の料理が全て無くなっていた
伯井家「ごちそうさまでした!」
俺はそう言った後、食後の休憩をしないで、2階の自室に急いだ。
約束の21時までは、お風呂に入ったり、宿題を終わらせながら待った。
【数時間前】
事務所 カフェテリア
巧「それじゃあ、21時に仮想世界のペンギンのオブジェの前で待ち合わせね」
純貴「わかりました!」
「じゃなくて、大家さんと待ち合わせする時間の21時に、ニノ公園に集合したら、大遅刻じゃないですか(笑)」
巧「あっ、そうだね」
「ゴメンね、いつもこうで」
純貴「大丈夫ですよ!間違いは誰にでもあるし!」
巧「ありがとう」
「それじゃあ20時半に待ち合わせで良い?」
純貴「はい!」
そして20時20分
純貴「よしっ、行こう」
スマホを手に取り、アプリの「仮想世界転送アプリ(virtual world teleport app)」通称「VITA」(ビタ)を起動する。
その瞬間、スマホから無数の粒子が出る
反射的に目を瞑って、次に目を開けた時には、
季節と日の出入りと温度がなくなる、「第二の現実」だった。
俺は今、仮想世界の伯井家にいる
他3人は現実の伯井家にいるため、今は誰もいない
純貴「ここから、歩いて5分ぐらいだから間に合うな」
そして余裕をもって、約束の時間までに着くことができた。
巧「お待たせ」
丁度、巧さんも走ってこっちに向かって来た。
巧「ごめん…待ったよね」
純貴「いやいや!僕もさっき来たばかりです!」
巧「そうなんだ」
「それじゃあ、約束のアパートに行こっか」
「ここから、20分歩くよ」
純貴「結構遠いですね。」
巧「うん」
歩きながら、ダンスの話や仕事の話をしていたら、あっと言う間に着いたのだが…
巧「着いたよ」
純貴「えっ!ここが!?」
指が差した方向を見る
そこには、赤茶色のレンガの壁の、オシャレな外装の三階建てのビルが建っていた。
純貴「本当に、ここが僕ら拠点ですよね?」
「オシャレ過ぎません?」
巧「そうだよ、最初見た時オシャレで、なんで誰も入居しないんだろって思って」
純貴「そうですよね、」
「実は事故物件でした~、じゃないですよね…」
巧「実は、“なんでこんなにオシャレなのに、誰も入居しないんですか?”って大家さんに直接聞いたんだけど」
「元の建物を買うお金と、リフォーム代で広告料に使うお金が無くなったから、SNSの投稿で告知したけど、俺らが来るまで入居希望者が来なかったらしい」
純貴「そうだったんですね〜」
良かった―、怖い理由じゃなくて
巧「大家さん持たせるといけないから、中に入ろっか」
そう言って、中に入る巧さん
俺もその後に続く
入ってすぐ右に、受付用の小窓がある。
その向こうには大家らしきおじさんが、座って資料をみている。
こっちに気づき、直ぐにドアを開け、小走りで来た
大家「こんばんは、今日はお越し下さりありがとうございます」
巧「こんばんは」
「こちらこそ、こちらの都合に合わせて、こんな遅い時間に説明する為に、わざわざ時間を空けてくださってありがとうございます」
そう言ってお辞儀をした
俺も「ありがとうございます」と言い、お辞儀をした。
巧さんが頭を下げる寸前でお辞儀したから、ほぼタイミングが合って完璧だろう。
巧「その、昨日のお問い合わせの時にも言ったのですが、僕たちは入居したいんじゃなくて、活動拠点として部屋を借りたいだけなんですけど、それでも良いですか?」
大家「はい」
「なんなら、今も入居希望者がいないから、このアパートの部屋全部、お好きに使って良いですよ」
巧&純貴「えぇ―――!!!」
巧「良いですか!」
巧&純貴「ありがとうございます!!」
大家「いやいや、恐らく貴方方以外、入居希望者がいないだろうし、これぐらい当然ですよ」
「ところで、お二人は曲をお作りでしたよね」
「昨日のお問い合わせの時に、巧さんから聞きましたが、」
「どうゆう曲か、もし可能であれば聴かせることは出来ませんか?」
巧「良いですよ」
「スマホに音源があるので、聴いてください」
初めての経験だ
自分達の曲を、自分達以外で聴いてくれることが
どんな反応をするんだろう
巧さんが再生ボタンを押す。
イントロに入った瞬間、大家さんの目が変わった
そっからは、ずっと聴き入ってた…と思う
曲が終わった時、大家さんは大きな拍手をした。
まるで、映画や舞台を観た後のスタンディングオベーションの拍手みたいに。
大家さん「凄い!これはいつか売れる!」
「家賃は出世払いで良いですよ」
巧&純貴「えぇ――――――!!!!!!!」
巧「あの…大丈夫ですか?お金の方は?」
純貴「そうですよ!色々お金かかったんですよね!」
大家さん「大丈夫ですよ」
「アパート経営は副業で、本業は現実世界で会社員をしています。」
「じゃないと、アパート経営っていうお金がかかる事に、安易に手を出さないですよ」
「貯金は、ほとんど使い切ったのですが、生活に困る程ではありません」
「ですので、心配しないで下さい」
そう言い、ニッコリ笑った
巧「本当に何から何まで、ありがとうございます!」
純貴「ありがとうございます!」
俺らは改めてお辞儀をした
さっきより深々と長く
大家「こちらこそ、うちのアパートに決めてくれて感謝してます」
「これから、活動拠点にされる部屋を案内してもよろしいでしょうか?」
巧「もちろん、よろしくお願いします」
俺らは、大家さんについて行って、大家さんがさっき資料を見ていた管理人室と同じ一階の、1番奥の部屋を案内された。
中に入ると、普通の1Lだった。
机とピアノとギターが余裕で入れるし、寝っ転がれるスペースが十分ある。
それでも十分凄いのだが、もう一部屋があるのだ。
本当に、巧さんは良い物件を見つけた。
大家「それでは、何か困った事があったら、管理人室室までお越し下さい」
そう言い残して、大家さんは帰っていた。
巧「それじゃあ、早速だけど、今後の活動の事を言おっかな」
純貴「早速過ぎますね(笑)なんですか?」
巧「仮想世界で活動するって言ったけど、“現実”か“ネット”かって、言ってなかったよなって思って」
「仮想世界のネットで活動しようと思う」
「ネットの方が自由が利くし、たくさんの人に見つかってもらえる可能性があるし」
純貴「確かにそうですね!」
「でも、アバターはどうするんですか?」
「今もアバターだけど、現実世界の僕たちと似ている様に自分達で作ってるだけで、バレる可能性は全然高いし」
巧「いい質問だね」
「これのアプリを使ってアバターを生成しようと思う」
見せてきたのは、「エリシア」という“自動アバター生成AIアプリ”だ。
AIがモデルの深層心理を分析して、アバターを作ってくれる、最近仮想世界で流行っているらしい。
巧さんの話では、エリシアは知名度は低いが、1番品質が高いらしい。
楽しみだから、使うのは今日まで我慢したいから、アプリの会社を調べたり、レビューを見て判断とか色々したらしい。
俺はエリシアをダウンロードされて、アプリを開く
そこには、白い背景に白く光って、黄金の火花の散らす光の中心に、「押してください」という文字と共に下に向かう矢印があった。
早速使えるようだ。
巧「あ―、楽しみだな―」
「それじゃあ、また会おうね」
そう言い残して、ボタンを押して巧さんは、白い光に包まれた
俺も後を追うように、ボタンを押した
俺も同じように白い光に包まれた
目を開けると、腰にかかるくらいの黒髪ロング、右目が黒·左目が赤のオッドアイ、袖がふんわりしている半袖黒いロングワンピース、肘を越す丈の黒いレースの手袋をつけた、美しい女性が目の前に立っていた。
あれ?俺がついさっきまで一緒にいたのは、男性だったよな…
Fluid「誰ですか?」
俺はそう聞いた
DIVA「俺の名前はDIVA」
「あなたの名前は?」
おっお、俺????
この人女性じゃないのかな?
だって、「DIVA」って歌“姫”っていう意味だし…
とりあえず、名前を聞かれたので答える。
Fluid「俺はFluidです」
DIVA「Fluid、よろしくね」
「ところで、Fluid」
Fluid「はい、なんでしょうか?」
DIVA「あなた、鏡を見たことはある?あそこに鏡があるから見てみると良いよ」
確かに見たことはなかったが、全然そんなことはないと思うが、その言い方だと、なんか見た目をイジるれているような気がする。
言われた通りに鏡を見てみると、ブルーブラックの髪を短く結んでいて、青く住んだ瞳に、黒ネクタイと黒スーツを着ていた。
Fluid「えっ…俺カッコよくね…」
DIVA「どう?鏡を見た感想は?」
Fluid「ビックリですよ」
DIVA「さっきから、俺のことしか見てないし、自分の姿を見るの忘れてるって思って言ったの」
Fluid「あ~、外見イジりじゃなかったんですね」
DIVA「誰があなたの外見をいじるの?完璧なのに」
Fluid「いや~、ありがとうございまぁ〜す!」
DIVA「あんまり、調子に乗らないでね」
Fluid「スミマセン…」
DIVA「それじゃあ、そろそろ戻ろっか」
Fluid「もう戻るんですか?」
DIVA「うん」
「また、後でね」
部屋からDIVAが消えた
俺も後を追って戻った
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます