トカゲ転生~愉快な仲間と生物の頂点へ~

RU-HA

第1話


 ……ん、むう、、。

 あー、、、良く寝たぁ。

 今何時……っ? なんだ? 何か当たったぞ? それに目を開けてるのに真っ暗……いや、待てこれ、まさか、閉じ止められてる?

 おいおいマジかよ拐われたのか俺?

 くっそ、出せ! ここから、出せ!


 パキッ


 ……お?

 これ、壊せるぞ? 

 ふっふっふ、そうと分かりゃ、おらッ!


 パキッ


 よぉーし! あと、一息!

 おゥらッ!


 パキッ、パキッパキッ


 おっ?


 パキッパキッパキッ   バキィッ


 壊れたーッ! 

 そして日の光ィー! 最高ッ!

 ……あれ? なんか地面低くね? っておい、何か手もおかしいぞ!? 何これ虫!? っていうかトカゲ!? やだやだキモい! 止めてよ鳥肌……って腕も!?

 お、おい待てよ……まさか。




 俺、トカゲになってる?


 


 ……いやいやいや、ハッハッハ、、、。

 え?

 マジで?

 リアルガチ?


 あれだな、本当にどうしようもない時って、頭が真っ白になるんだな初めて知ったよ。

 それに一回りしたのか、逆に少し冷静な気がする。

 さて、周りを確認。

 一言で言い表すなら〝森〟だな。草木がしげって、少しジメジメしている。見た感じ、他に生き物はいない……筈。いや、かなり視点が低いから詳しくは分からないが。


 そんで、俺が卵から孵ったなら親がいるだろ親が。なんだ? 職務放棄か? 親としての使命を果たそうぜ。


 ……さって、それからあんまり触れたくなかった、俺の目が覚めるまで俺は何処にいたのかだが、思い出せない。それだけではない。俺の名前、親の名前、住んでた場所。大切な事が全て抜け落ちている。かといって常識が抜けているというわけではない。ソシャゲで☆7のメアリーちゃんを単発で引き当てたあの喜びは覚えている。まあ、これは常識ではないが。


 とにかく、この話題は後回しにしよう。



 * * *



 俺はあの場から少し離れていた。水場を探す為だ。


 にしても、この歩き方慣れねーなぁ。

 初めてよりかは様になってるけどもさぁ。


 にしても水場ねーな。歩き始めてからもう何分たったか、結構疲れてきたぞ? それに、なんか日、沈んでないか? おいおい、それは勘弁だぞ?

 早いところ、水場を探してしまおう。


 * * *


 み、、、ず、、、。

 ガクリ。


 とまぁ、それは冗談にしろ、ホントに水場ねーな。水場どころか他の生き物すらいねーし果実もねー。オマケに時間はもう既に深夜。幸い月が出ている為に明かりはあるが不便なことこの上ない。

 さっきのは冗談だったが、ホントにさっきみたいな現場になりかねんな。




 そして、俺は森の中を彷徨い続けた。

 夜が明け、太陽が登り、再び月が上がる。

 その頃にはもう、俺は衰弱しきり、遂にはその場から動けなくなってしまう。


 や、ばいな。

 ホントに昨日みたいな状況になったぞ。

 目が覚めてまだ二日。水なしで生きられるのは四日、五日だったか? こんなになるのは早い……いや、俺はまだ孵化してから日が浅い。そういった面もあったのか。


 この状況のことを考えている、その時だった。

 香ばしく、腹の虫を騒がせるような匂いが、俺の鼻に入ってきた。

 喉の渇きと同時に空腹もあった俺は、匂いの根元を探すため辺りを見る。

 やがて見つけたものは、俺の目の正気を疑わせる。


 い、、し……?


 そう。石なのだ。道端に転がってるような、小さくなった俺でも飲み込めるような石ころだ。

 俺はその石ころに匍匐前進ほふくぜんしんの要領で地を這った。


 近づく過程で分かったが、それはどうやら普通の石ころではないようだ。見た目を例えるならば、アメジストのような、そんな見た目だ。その水晶の中には何かが入っているようにも見えるが、そんなことは気にしない。


 俺は、水晶まで近づき、口に含んだ。

 水晶を舌で転がすと、軟らかな甘味が襲ってくる。

 俺は耐えきれず、それを飲み込んだ。


 それが、失敗だった。


 激しい熱が、俺の喉を襲ってくる。その熱と共に、針を貫通させたような痛みが俺を襲う。咳き込むと同時に口から血を吐くのが見えた。

 それを見た後、俺の意識は深く沈んでしまった。

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