fourth class



 夜が明けた。


 森の中に差し込む朝日が、Lexiの浮かべた“Light Orb”をかき消していく。俺はシャドウのふわふわした体を枕にして、なんとか眠れたらしい。


「おはよう、ユウト。今日は大事な話があるよ」


 Lexiの声で目を覚ました俺は、あくびをしながら体を起こした。


「大事な話って……まさか、また新しい呪文?」


「それもあるけど、もっと大事なこと。“君が元の世界に戻る方法”についてだよ」


「……!」


 俺は一気に目が覚めた。


「戻れるのか!? どうすればいいんだ!?」


 Lexiはゆっくりと空中を回りながら、静かに語り始めた。


「この世界には、“Word Gate”と呼ばれる扉がある。そこを通れば、君は元の世界に帰ることができる」


「ワードゲート……?」


「でも、その扉は“Key Sentence”――特定の英語の文を完成させなければ開かない」


「キーセンテンス……って、つまり“例文”みたいなやつ?」


「そう。しかも、ただの文じゃない。“この世界に意味を与える言葉”でなければならない」


「意味を与える……?」


「君がこの世界で出会い、学び、感じたこと。それを英語で“文”として表現できたとき、扉は開く」


「……なんだよそれ、めっちゃ難しそうじゃん……」


「でも、君ならできる。昨日の君が“Run Away”しか知らなかったことを思い出してごらん」


「……たしかに」


 俺はシャドウの頭を撫でながら、深く息を吐いた。


「つまり、俺がこの世界で“言葉”を集めて、自分の“Key Sentence”を見つける。それが帰るための条件ってことか」


「Exactly.」


「……よし、やってやるよ。英語は苦手だけど、この世界でなら、ちょっとずつ覚えられる気がする」


 シャドウがぴょこんと跳ねた。


「ユウト、カエル? トモダチ、イッショ?」


「もちろん。お前も一緒に帰ろうな……あ!」


 ゆうとは不意に思いついた英文を口ずさむ


「ゴーホーム!」


 しかし何も起こらない。


「流石にそこまで甘くはないか……」

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