影の残滓

第四ノ夜

第1話:序

――遠い昔、人の負の感情より生まれし影の王が、世界を覆い尽くさんとした。

それを討ったのは、神より力を与えられた光の巫女だった――

                     『見上町に伝わる昔話』より抜粋


Side:宕真 4/13 夜

 夜の町を月明かりが照らし、人々が寝静まりかえった頃――

 その公園に彼は立っていた。


「はぁっ!」

 宙に浮く黒い“ナニカ”を、光を放つ剣が両断した。

「コイツで終わり、だな……」

 いつものように、剣を納めると彼は一息ついた。


 彼の名前は祇嗣宕真(しづきとうま)。

 ある目的の為に夜な夜な町を巡っては、

黒い“ナニカ”――影の残滓と呼ばれる存在を狩っている。


「いつになったらヤツに出会える…」

 焦りとも怒りともつかない感情が滲む彼の言葉は、

夜の公園に、消えていった――

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