第8話 フードコート⑧

そして、食事を終えた後は、コーヒーを飲みながらゆっくり過ごすことにしました。

カフェスペースには、雑誌や漫画本が置いてあり、退屈することはありません。

時折、スマホを取り出してニュースサイトをチェックしたりしますが、基本的にはリラックスしていることが多いです。

ミーナは、お腹がいっぱいになると眠くなるタイプですので、ついウトウトしてしまうこともしばしばです。

そんな時は、コーヒーを飲んで目を覚まします。

そして、再び本を読み始めます。


ゆったりと流れる時間が心地よく、いつまでもここにいたいと思ってしまうのでした。

そうしていると覆面の女性がやってきたのです。

覆面の女性は、ミーナの前に座ると、突然こんなことを言い出したのです。


「貴方は色々とフードコートを訪れているのですが、

まだまだ知らないフードコートもあります」


彼女の言葉を聞いたミーナは、驚きを隠せませんでした。

確かに、自分が今まで行ったことがあるフードコート以外にも、魅力的な場所があるかもしれません。

しかし、実際にどのような場所があるのかは想像もつきません。

そこで、覆面の女性に尋ねてみることにしました。


「どこにあるの?」


そうすると、覆面の女性は微笑みながら答えました。


「それはですね、駅の裏側にある新しいフードコートです」


ミーナは驚きの表情を浮かべながら、さらに質問を続けます。


「どんなお店があるの?」


そうすると、覆面の女性は得意げな顔で言いました。

彼女は、美食探究委員会のメンバーでもありますが、同時にフードコート巡りが大好きな女性でもあるのです。

そのため、色々な場所を訪れては情報を収集していました。

そのおかげで、美食探求委員会の活動で行く時にもとても役立っているのです。

しかし、そんな彼女でもまだ行ったことがない場所もあります。


それは駅の裏側にある新しいフードコートです。

そこではどのようなお店があるのでしょうか?

それが気になります。

そうすると、覆面の女性はある提案をしてきました。

どうやら、新しくオープンしたそのフードコートに行ってみませんか? というお誘いのようです。

ミーナは少し考え込みましたが、結局行ってみることにしました。


待ち合わせ場所を決めると、覆面の女性は満足そうに去っていきました。

ミーナも、新しいフードコートに興味深々です。

どんなお店があるのでしょうか?

とても楽しみです。

そして、いよいよ当日になりました。


待ち合わせ場所に行くと、すでに彼女は待っていました。

どうやら彼女も楽しみにしていたようです。

二人は一緒に歩き始めます。

駅から歩いて数分のところにそのフードコートはあるそうですが……どんなところなのか想像もつきません。

緊張しながら歩いているうちに目的の場所に到着しました。

そこは大きな建物で、たくさんの人で賑わっています。


入口には、新しいフードコートという看板が掲げられており、期待が高まります。

中に入ると、とても広い空間が広がります。

テーブル席やカウンター席があり、それぞれが好きな場所で食事を楽しめるようになっています。

また、たくさんの種類のお店が並んでいるため、迷ってしまいそうです。

メニュー表を見ると、どれも美味しそうで目移りしてしまいます。

その中でも特に気になったのはカツラーメンです。


どうやらここはミシュランガイドで星を獲得しているお店らしいのです。

行列ができるほど人気のようですので、期待が高まります。

しばらくして、ようやく注文することができました。

厨房の方からはジュージューという音が聞こえてきます。

待っている間も、いい匂いが漂ってきて食欲をそそります。


そして、いよいよカツアーメンという料理が運ばれてきました。

一口食べると、美味しさが体中に広がります。

スパイシーさとカツの風味が絶妙で、まさに絶品の一品です。

癖になる味わいで、あっという間に完食してしまいました。

満腹感に浸りながらお店を出ると、覆面の女性も満足そうな表情でした。


二人で一緒に食事ができたことに感謝しながら、フードコートから出ようとするといきなり覆面の女性が抱き着いて来るのです。


あまりにも突然だったので驚いてしまいましたが、よく考えてみると別に悪いことではないのです。

むしろ嬉しいくらいです。

私もギュッと抱き返してあげました。

そして、そのまましばらくの間二人は抱き合っていました。


「そういえば、ミーナ。

そろそろ王都中のフードコートおよび飲食店を調査し、優良店リストを作成して頂きたいのですが……」


そう言われて思い出してしまいました。

最近サボりすぎていたような気がします……。

とはいえ、どうせ一人で全部やるわけではありませんし、手分けしてやりましょう。

まずは、有名なチェーン店から当たっていきましょう。

次に、評価が高いお店をいくつか選び、口コミ情報を参考にして行きましょう。


最後に、個人的に気になっているお店があればそこにも行ってみましょう。

というわけで、さっそく明日から行動開始です。

目標は、年内中に王都全域を制覇することです! 

ちなみに、今回は覆面調査員として潜入しますので、服装はいつも通りです。

覆面の女性が話しかけてきます。


「ところで、最近のフードコート事情について何か聞いていますか?」


そう言われてもピンと来ないのですが……とりあえず、答えてみました。

そうすると、彼女は嬉しそうに話し始めました。

どうやら、最近は新しいスタイルのフードコートが増えているらしいのです。

例えば、完全個室型のレストランとか、ペットと一緒に利用できるスペース付きのお店など、色々あるみたいです。

中でも一番気になるのは、VR技術を導入したお店だそうです。


これを使えば、仮想空間の中でリアルな食事を体験することができるのだとか。

これは面白そうです! ぜひ行ってみたいです。

その他にも色々と話を聞いていたら、あっという間に時間が過ぎていきました。

今日も楽しかったです。

次の日、私は早速準備をしていました。

といっても特別なことはしません。

普段通りの恰好で出かけるだけです。

ただし、一つだけ違うところがあります。

それは、覆面を着用しているという点です。

これをしていると、誰が誰だかわからないので便利ですよね? まあ、それが目的なのですが……。

準備が整ったら出発です。

まずは近場のお店から攻めていきましょう。

お店に入ると、まず最初に目に飛び込んできたのは色とりどりのメニュー表でした。

どれもこれも美味しそうで迷ってしまいます。

迷いに迷った末、最終的に注文したのは牛丼でした。

もちろん大盛りです。

席に着いてしばらく待っていると、注文したものが届きました。

早速食べ始めるのですが……あれ? 何かおかしいような気がします。

なぜでしょうか?

そうです。

このお店の牛丼は一味違いました。

なんと、肉ではなく魚を使っているのです。

これは盲点でした。

味については、さっぱりしていて美味しいですし、タレの甘さもちょうど良かったです。

また来たいと思いました。

食事を終えて外に出ると、もう夕方になっていました。

今日はこれぐらいにしておきます。

帰り道、空を見上げると綺麗な夕焼けが広がっていました。

なんだか得した気分になります。

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