第59話

「俺が奴の父親?!俺が?!俺がこんなことを?!」


「俺が!!違う!違う!違ああああ!」


深呼吸——そして零司が急に目を覚まし、起き上がった。目が見開かれた。心臓がドキドキと耳に聞こえるほど激しく打った。シャツが背中に貼り付いていた。冷たい汗がこめかみを伝った。


*吸って吐いて。吸って吐いて。*


手が震えていた。顔に近づけた——指が老人のように震えていた。


「これは夢だったのか?ただの夢?」


周りを見回した。


冷たいツンドラ。果てしない緑の平原。所々で雪が太陽の下で輝いていた。風が広大な土地を吹き抜け、雪の埃を巻き上げていた。数キロ先——首都。煙がまだ所々で立ち上っていた。細い筋となって。


——彼はよくこうやって…寝るのか?——右からの声。


零司がビクッとした。頭を向けた。


雪姫。岩に座っていた。彼を見ていた。顔は疲れていた。目の下——影。


隣——焔。立って、腕を組んでいた。


少し離れたところ——雪姫の兵士二人。警戒に立ち、手を剣の柄に。疲れているが、用心深い。


そして左には…


緑の髪。穏やかな顔。


芳禍。


空気が喉に詰まった。零司は後ろに飛び退こうとした。急いで。脚が布に絡まった——誰かのマントが彼を覆っていた。背中から倒れた。


焔が前に踏み出した。肩を掴んだ。


——落ち着け。大丈夫だ。——声は平静だった。——彼女は今俺たちの側だ。


零司が振りほどいた。立ち上がった。よろめいた——頭がくらくらした。


——お前ら…正気か?!——声が裂けた。——戦争中だぞ!彼女は敵だ!戦争…戦争が続いている!


首都に振り向いた。煙。静寂。動きは何もない。彼と街の間——野原。死体で覆われていた。何千。何万。久志の軍。倒れたままに横たわっていた。不自然に。まるで人形を撒き散らしたように。


零司が困惑する。


雪姫が岩から立ち上がった。ゆっくりと。


——お前は全てを寝過ごした。——声は疲れていた。——全て終わった。


零司が固まった。彼女を見た。それから死体の野原を。また彼女を。


——誰が…誰が勝ったんだ?!


焔が首都の方向に頷いた。


——俺たちだ。彼女のおかげでな。


芳禍を指差した。


零司が視線を追った。芳禍が穏やかに立っていた。手を下ろして。どこか遠くを見ていた。


——彼女が?!——言葉を吐き出した。


手が拳に握りしめられた。爪が手のひらに食い込んだ。


芳禍がついに彼らを見た。まっすぐ。穏やかに。


——言い訳は探していない。——声は静かだった。平坦だった。——たくさんのことをしてきた。


間。


——でも戦争はまだ終わっていない。手伝わせて…それから決めて、私をどうするか。


零司が彼女を見た。呼吸が重い。蒸気が口から逃げた。寒さが服を通して浸透した。


——手伝う?!——彼女に一歩近づいた。——お前ら何を考えている?!彼女を信じるのか?!深雪が…


——やめろ!


雪姫の声。鋭い。命令的。


全員が黙った。


——深雪にこれをした者は…——声が辛うじて抑えた怒りで震えた。——もう死んだ。倒れた者を悼むのはまだ間に合う。


間。


零司が周りを見回した。


——剣心はどこだ?


沈黙。


雪姫が視線を逸らした。横に。雪に。


——剣心はどこだ?!——零司がより大きな声で繰り返した。——なぜ黙っている?!


雪姫が目を閉じた。一秒。開けた。


——私たちは海渡と戦っていた…——声が小さくなった。——剣心は勇敢に戦死した。


零司が固まった。口が半開きになった。


空気。空気が足りなかった。


深呼吸。神経質な。震えている。


拳が握りしめられた。開いた。また握りしめられた。


「まず素繰と兄弟たち…今は剣心…」


——だから言ってるだろ…——声が囁きに落ちた。——彼らを信じてはいけない。


——これは戦争だ!——雪姫が急に彼に向き直った。——お前だけが大切な者を失ったわけじゃない!


零司が下を見た。足元の雪に。白い。きれいだ。血に触れられていない。


「あとどれだけ?」


——そして最も重要なことは、戦争はまだ終わっていない。お前は何が起こったのか話さなければならない。——雪姫が岩に戻って座った。


零司が顔を上げた。目に——虚無。


——死んだ。——単純に。——全員死んだ。


間。


——俺と勇翔と二人の守衛は評議会の広間で破途に会った。——声は機械的だった。まるで自分のものではないように。——彼は石を取りに来た。俺たちは止めようとした。


飲み込んだ。


——できなかった。勇翔は燃えた…守衛たちは…破途は石を取った。去った。


雪姫が背筋を伸ばした。


——石?——囁いた。


——真珠色の乳白色、拳ほどの大きさ——零司が彼女を見た。——あの石は何なんだ?!


雪姫が黙っていた。雪を見ていた。顔は心配そうだった。呼吸が少し速くなった。考えていた。


——陛下。——零司が近づいた。——何であれ、もう彼が持っている。そしてあまりにも多くの人がこれのために死んだ。


雪姫が顔を上げた。彼を見た。焔を。芳禍を。


立ち上がった。数歩歩いた。


——この石は世界で唯一…——声がより固くなった。——ここの出身ではない。私たちの世界の外から。それだけが多くのマナを保持できた。


ため息をついた。首を振った。


——二十五年前、私たちの土地に…エネルギーが現れた。巨大な。純粋なマナ。


止まった。


——私たちの国は、両親の指導の下でそれを制御しようとした。何かに封じ込めようと。しかし私たちの世界の何もそのような力を保持できなかった。そこで彼らはどこからかこの石を持ってきた。そのような量を収容できる唯一の容器。


焔が眉をひそめた。


——それで?


——私たちは使おうとした。——雪姫が彼らに振り向いた。——でも力は従わなかった。少しでも解放しようとした者は誰も——この力に耐えられなかった。マナが内側から焼き尽くした。瞬時に。


間。


——石はそれを保持していた。どうやって——わからない。でも保持していた。そして私たちは隠すことにした。他人の目から遠く。私たちが使えないなら——誰も使うべきではない。


零司が聞いていた。それから不本意ながら芳禍に振り向いた。


——彼はまた言った…——声が震えた。——俺が彼の父親だと。本当か?


芳禍が頷いた。単純に。感情なく。


——はい。本当です。


零司がよろめいた。まるで一撃を受けたように。


——どうやって…いつ?


——これ全ての前に。——芳禍が近づいた。——組織「桜」の前に。


沈黙。


袖をまくった。手首に——タトゥー。三枚の花びらの桜。繊細な。ピンク色。


——組織「桜」。破途は特別にそれを作った。自分の力を取り戻すために。


——桜?——零司がタトゥーを見た。


——彼は全ての前にお前と出会った。——芳禍が続けた。——そして彼の中で何かが壊れた。トリガー。


膝が崩れそうになった。近くの岩に寄りかからなければならなかった。頭の中で全てが混ざった。映像。夢の断片。破途の顔。


「彼の目…そこにはあんなに憎しみが…」


首を振った。焦点を合わせようとした。


——彼はどうやって力を失ったんだ?——焔が尋ねた。——彼に何が起こった?


芳禍が袖を下ろした。


——彼は昔からこの世界に失望していた。彼を動かす唯一のもの——戻りたいという願望。


——どこに?——零司が理解しなかった。


——どこに…ではなく、いつに。——芳禍が遠くを見た。——彼は温かい思い出を覚えている。困難だが、親しい。母親を覚えている。そして全てに失望し、ここに何も見ず…唯一の願望が現れた。彼女が生きていた時に戻りたい。


焔が息を吐いた。指で鈴で遊んでいた。


——じゃあ戻らせろよ。誰が止めてる?


——そのような呪文は特別なアプローチを必要とする。——芳禍が彼に振り向いた。——そして莫大なマナ。これはスープを作ったり雨を呼んだりするのとは違う。私たちの師匠は破途が取り憑かれることを恐れた。これのために世界を破壊すると。彼らは戦った。


間。


——師匠は自分の弟子を殺すことができなかった。自分のやり方で再教育することにした…彼を部分に分けた。一部がここに現れた。あなたの両親がまさに彼の力を見つけた。


雪姫を見た。


——なぜお前は彼を助けたんだ?——零司が拳を握りしめた。——彼はお前を力で縛っていなかったんだろ?!全てのことをした後で!


芳禍が視線を逸らした。


——それぞれに理由がある。


——どんな理由があるんだ?!——零司の声が裂けた。——そんな人間について行くなんて?!


沈黙。風が吹いた。雪が舞った。


——私の両親はもうこの世界にいない…——芳禍が静かに話し始めた。——そして唯一の家族は、私の姉。


黙った。集めた。


——彼女は彼のそばにいることを決めた。彼の手がどれだけ汚れても——そばにいる。そして私は…彼女を一人にしておけなかった。


「時々思う、私が彼女に…ではなく、彼女が私に必要なのだと」


雪姫が彼女を見ていた。目に——理解。


沈黙。


雪姫が急に立ち上がった。


——もし破途が全ての部分を集めたら…私たちは完全に負けたのか?


芳禍が首を振った。


——完全には…


-----


野原。太陽が地面を暖めていた。爆発の穴。深い。縁が溶けていた。砂が所々ガラスのようだった。


破途が廃墟の真ん中に立っていた。重く呼吸していた。顔——もう穏やかではない。顎が緊張していた。こめかみの血管が膨れていた。


手を上げた。ゆっくりと。力んだ。


火。小さい。手のひらに。拳ほどの大きさ。均等に燃えていた。


「よし」


指を握った。火が大きくなった。もっと。もっと。


形成し始めた。龍。炎の蛇。簡単な技。何千回もやった。


火が成長した。形を取った。ほぼ…


ドカン


爆発。手の中で。後ろに吹き飛ばされた。破途が五メートルほど飛んだ。倒れた。転がった。


膝をついた。ゆっくりと。手が火傷した。皮膚が赤くなった。


——奴は…——声が怒りで震えた。——俺の力に何をしたんだ?!


拳で地面を打った。


バキッ


亀裂が走った。深い。


もう一撃。


バン


穴。


——ああああああ!!!


叫び。純粋な怒り。長い間で初めて——本当の感情。


また打った。また。地面が震えた。亀裂が蜘蛛の巣のように広がった。


近くに少女が立っていた。青い髪が風になびいていた。黙って見ていた。破途が特に激しく打った時——わずかに後ろに下がった。


しかし去らなかった。ただ見ていた。


自分を取り戻した後で初めて、感じていることを示した人間を。


痛み。怒り。絶望。


*章の終わり*

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る