群衆犯罪

@1019-R

プロローグ

「俺はやっていない。」

女子高生の背中をを故意に突き飛ばした疑いが持たれている、会社員の林和幸容疑者(36)は何度も繰り返し容疑を否認し続けています。


背中を突き飛ばされた女子高生は大型トラックに撥ねられ全身を強く打ち死亡した旨が報道されていた。


画面が切り替わり、現場を目撃した通行人達がテレビに映る。顔はモザイクで隠され、声も加工された甲高い音声になっている。

「車通りが多い交差点で信号が変わるのを待っていたら、男が押したんです。高校生の女の子の背中を。」

アナウンサーは何人かの通行人にマイクを向けていた。

「あの男は後ろでタイミングを計っていたように思いました。まるで大型トラックが走ってくるのを待っていたみたいに。」

一人目はスーパー帰りの主婦、二人目は背の高い男性会社員だった。


痛ましい事件だが、自分とは関係がないことを悟ると山崎和夫はテレビの電源を切った。

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