逃げれば逃げるほど愛される呪いにかかった俺、至高の指先(ラスト・ピリオド・タッチ)で並行世界のヤンデレ美女たちを昇天させてしまう
暇ジーン
第1話
異世界――通称「ナーロッパ」と呼ばれる、中世ヨーロッパ風の街並みと魔法が共存する世界。
現代日本からこの地へ転移したヤマトは、絶望していた。
「……はぁ、まだこれだけかよ」
異世界に転移して一週間。ヤマトは草原のど真ん中で、手元の青白い光を見つめて溜息をついた。
彼の持つスキルは『聖なる癒やし(ハイ・ヒール)』。名前だけは立派だが、実際はスライムに噛まれた程度の小傷を治すのに、全身の魔力を使い果たして十分間も祈り続けなければならないという、まさに「燃費最悪のハズレスキル」だった。
「せっかく異世界に来たのに、これじゃあ冒険者どころか、村の消毒係も務まらないぜ……」
そんなボヤキを漏らしていた、その時だ。
風に乗って、鉄錆のような血の匂いと、獣の唸り声が聞こえてきたのは。
「――っ!?」
慌てて茂みに隠れると、そこには異世界の神秘を凝縮したような光景が広がっていた。
銀色の髪に、夜の闇を溶かし込んだような美しい褐色の肌。そして、天を突くように尖った長い耳。
ダークエルフだ。
しかし、その肢体は無残だった。
薄い革鎧はズタズタに引き裂かれ、豊満な胸元や、眩しいほどにしなやかな太ももからは、赤黒い血が溢れている。彼女を囲んでいるのは、腐った肉を纏う魔化された狼。その爪には、治療を阻害する『深淵の呪い』が宿っていた。
「くっ……おのれ……っ。穢れた……獣風情が……っ!」
彼女――ルナリスは剣を杖代わりに立ち上がろうとするが、膝がガクガクと震え、そのまま地面に崩れ落ちる。
ヤマトは考えるより先に飛び出していた。
「おい、大丈夫か!」
「……人間? どきなさい……死にたいの……?」
「死なせるもんかよ!」
ヤマトは残った魔力を振り絞り、彼女の傷口に手をかざした。
いつものように、ショボい光が灯る。……が、その瞬間だった。
ヤマトの指先が、偶然にも彼女の傷口付近――太ももの付け根の、驚くほど柔らかく、熱い肌に深く沈み込んだ。
【――システム警告:対象の生命活動が限界値です】
【特殊発動条件『異性との濃厚な肌の接触』を確認】
【性的興奮による魔力バイパスを構築……スキルを真の姿へ解放します】
【神聖なる悦楽の再生(エロティック・リザレクション)――起動】
「う、わあぁっ!?」
ヤマトの掌から、これまでの微弱な光とは比較にならない、黄金色の凄まじい熱量が噴き出した。
それは単なる魔力ではない。ドロリとした、本能をかき乱すような甘い波動だ。
「な、なに……これ……!? 熱い、熱すぎる……ッ!!」
ルナリスが背を逸らし、絶叫した。
ヤマトの手が触れている場所から、波紋のように「快楽」が全身へ伝播していく。
傷を治すためのエネルギーが、彼女の性感帯をダイレクトに突き上げ、細胞の一つ一つを強制的に活性化させていくのだ。
「あ、あぁっ! 待って、そんな……っ、脳が……溶けちゃう……っ、ひぅ、あぁぁあああ!!」
な、なに……これ……!? 熱い、熱すぎる……ッ!!」
ルナリスが背を逸らし、絶叫した。
ヤマトの手が触れている場所から、波紋のように「快楽」が全身へ伝播していく。
同時に、ヤマトから溢れ出した黄金の魔力は、治療の余波として凄まじい衝撃波を放った。彼女を包囲し、今まさに飛びかかろうとしていた魔化された狼たちは、その神々しくも禍々しい光の奔流に呑み込まれる。
「ガゥッ……!?」「ギギィッ!」
不浄を焼き払うその輝きに、深淵の呪いを纏った獣たちは一溜まりもなく、肉を焼く異臭を撒き散らしながら草原の彼方へと霧散していった。
邪魔者が消えた静寂の中で、ルナリスの甘い吐息だけが響く。
傷を治すためのエネルギーが、彼女の性感帯をダイレクトに突き上げ、細胞の一つ一つを強制的に活性化させていくのだ。
処女である彼女にとって、その刺激はあまりに過剰だった。
漆黒の呪毒が黄金の光に浄化され、一瞬で傷跡が消えていく。それどころか、肌は以前よりも艶やかに、吸い付くような質感を帯びていく。
ヤマトは夢中で彼女の体を支えようとしたが、密着すればするほどスキルの出力は上がっていく。
「ヤマト……と言ったか……。お前の、その……手……っ。あぁ、もっと……もっと奥まで、私を……かき混ぜて……っ!」
ルナリスの瞳が、トロンと蕩ける。
先ほどまでの高潔な女戦士の面影はどこへやら。彼女は自分からヤマトの首に腕を回し、潤んだ瞳で彼を見つめた。
その瞳の奥には、ドロリとした**「執着」**の炎が灯っている。
「助けて……くれたな。私の、初めてを奪って……こんなに、めちゃくちゃにして……」
「いや、治療だから! 命を助けるためだったんだって!」
「黙れ……。私の体に、こんな『快るし(しるし)』を刻んでおいて、逃げるつもりか……?」
ルナリスはヤマトの耳元に唇を寄せ、熱い吐息とともに囁いた。
「もう……誰にも渡さない。お前のこの指も、その魔法も……全部、私だけのものだ。もし他の女に触れたら……その女を、八つ裂きにしてから、私がお前を食べてあげる……」
「(……あれ、これ助けない方が安全だった!?)」
ヤマトの背筋に、快楽とは別の寒気が走る。
しかし、彼の「エロいほど強くなる回復スキル」の噂は、この後すぐに、さらなるヤンデレヒロインたちを呼び寄せることになる。
病に伏せる侯爵令嬢、そして彼女を護衛する生真面目すぎる女騎士。
ヤマトの受難(とご褒美)に満ちた異世界生活は、まだ始まったばかりだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます