第27話 剣士の背中


地上に戻ると、

夜明け前だった。


ギルドの灯りが、

一つだけ

点いている。


受付嬢が

驚いた顔で

立ち上がる。


「……生還、

確認しました」


報告は

静かに広がる。


深層守護者、

討伐。


次郎は

剣を布で包み、

背負った。


英雄扱いは

要らない。


だが、

視線は

確かに変わった。


若い冒険者が

背筋を伸ばす。


「……あの人みたいに

なりたい」


次郎は

聞こえないふりをする。


剣士は、

背中で語るものだ。


老剣士は

朝焼けの中、

歩き出す。


次なる戦いが、

待っている。


それでも、

焦らず、

一歩ずつ。


剣を信じ、

己を信じて。


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